北朝鮮技術者、日本のアプリ開発か=知人らを書類送検―神奈川県警
中国在住の北朝鮮のIT技術者が、日本に住む知人の名義を使って日本でスマートフォンアプリの開発業務を請け負った疑いがあることが18日、神奈川県警の調べで分かった。
技術者は、報酬を知人の口座から日本に住む親族の口座に送金させ、中国で現金を引き出していたとみられるという。
県警などは同日、国外に不正送金したとして、知人の韓国籍の男性(57)=横浜市鶴見区=を銀行法違反(無免許営業)容疑で、親族の女性(75)=東京都北区=を同法違反ほう助の疑いで横浜地検に書類送検した。2人は容疑を認めているという。県警などは、資金の一部が北朝鮮に送られた可能性もあるとみて調べている。
県警によると、IT技術者は中国を拠点とする40代の男。知人の名義を使い、法人や個人とフリーランスの技術者をマッチングする日本のサービスに登録。2019年以降、日本企業などからアプリの開発や修正などの業務を請け負ったという。
業務の報酬は知人の口座に振り込まれた後、知人が約10%の手数料を差し引いた上で、親族の女性の口座に送金。女性は口座にひも付けられた自分名義のデビットカードを中国に送り、IT技術者がこのカードを使って人民元を引き出せる状態にした。
開発された一部のアプリは現在も使える状態にあるといい、捜査関係者は「納入されたアプリにウイルスが仕込まれていれば、サイバー攻撃につながる可能性もある」と懸念を示した。