マーコール(読み)まーこーる(英語表記)markhor

日本大百科全書(ニッポニカ)「マーコール」の解説

マーコール
まーこーる
markhor
[学] Capra falconeri

哺乳(ほにゅう)綱偶蹄(ぐうてい)目ウシ科の動物。ネジツノヤギともいう。産地によって6亜種に分類される。カシミールからヒマラヤを経てアフガニスタンまで分布し、山岳地帯の険しい高地に生息する。野生ヤギの最大種で、体長1.1メートル、肩高1メートル、体重90キログラム。(つの)はいずれにもあり、一見コルクの栓抜きのようにねじれ、長さ1.2メートルに及ぶものがある。体色は、夏は茶色、冬期は灰色に変わる。成獣の雄では胸、肩に長毛が生える。妊娠期間は5~6か月で、1産1子。冬期に交尾し、春に出産する。生息数が少なく、国際的に保護されている。日本では、川崎市夢見ヶ崎動物公園、姫路(ひめじ)セントラルパークなどに飼育例がある。

[中川志郎]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「マーコール」の解説

マーコール
Capra falconeri; markhor

偶蹄目ウシ科。野生のヤギ類中最大種で,体長 1.5m,肩高 1.1m。角は平たく,栓抜きのようにねじれており,長さは曲りに沿って 1.2mほどに達する。顎ひげが長く,頸の下方にも長い毛の総がある。岩の多い山に生活し,アイベックスに似て岩登りが得意である。夏は森林限界まで移動し,冬は低地に下る。普通4~5頭で生活するが,冬の間は 20~30頭の大群をつくる。中央アジア,アフガニスタン,カシミール,パンジャブなどに分布する。

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デジタル大辞泉「マーコール」の解説

マーコール(markhor)

ウシ科の哺乳類。野生のヤギでは最大種で体長1メートル超。角はらせん状にねじれる。ヒマラヤ山岳地帯に生息するが、個体数が少なく絶滅危惧種。ねじつのやぎ。

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世界大百科事典 第2版「マーコール」の解説

マーコール【markhor】

コルクの栓抜き状の角をもつ野生のヤギ(イラスト)。偶蹄目ウシ科の哺乳類。ウズベキスタンタジキスタン山地からアフガニスタン,パキスタン中・北部インドのカシミールに分布。野生ヤギ類中最大で,雄は体長161~168cm,尾長8~14cm,肩高86~100cm,体重80~110kg。雌はやや小型で体長140~150cm,体重32~40kg。雄の角は大きく長く,雌の4倍以上あり,ねじれに沿った長さは75~160cmに達する。

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世界大百科事典内のマーコールの言及

【ヤギ(山羊)】より

…【山下 正男】【谷 泰】。。…

【ヤギ(山羊)】より

…主としてヨーロッパ系の乳用ヤギの先祖とされる。(2)マーコールmarkhor(C.falconeri)(イラスト)アフガニスタン,ヒマラヤ,チベットの山岳地帯に分布し,ときには平地にもすむ野生ヤギで,角は大きくらせん状。毛用種のアンゴラ種,カシミア種がこれから生まれたといわれているが,ベゾアールとの交雑種に由来したものも数多い。…

【ヤギ(山羊)】より

…主としてヨーロッパ系の乳用ヤギの先祖とされる。(2)マーコールmarkhor(C.falconeri)(イラスト)アフガニスタン,ヒマラヤ,チベットの山岳地帯に分布し,ときには平地にもすむ野生ヤギで,角は大きくらせん状。毛用種のアンゴラ種,カシミア種がこれから生まれたといわれているが,ベゾアールとの交雑種に由来したものも数多い。…

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