映画界で性暴力の告発が相次いでいます。映画監督から“演技指導”という名目で、性行為を強いられたという俳優が実名で取材に応じてくれました。性加害や暴言、暴力・・・映画界のあらゆるハラスメントをなくすための取り組みも始まっています。

■“演技指導”の名目で強要「監督の指示は絶対。判断つかないまま…」 

俳優・睡蓮みどりさん:
自分の肉体が奪われたような、自分の体が自分の体じゃないみたいな、そういう感覚はあったんですけど・・・。

映画や舞台で活躍する俳優の睡蓮みどりさん。7年前、ある映画監督から“演技指導”という名目で性行為を強いられたと話します。

睡蓮みどりさん:
監督が新しく私の役を作るという話になって、それから演技指導のようなものが始まりました。やっぱり監督の指示は絶対というのが、私の頭の中に当時はあったので、「やれ」って言われたことができないと役者として悔しい気持ちもすごくあって・・・。判断がつかないまま(性行為が)起こってしまいました。

しかし、これまで被害を訴えることはできませんでした。
小川彩佳キャスター:
お名前もお顔もこうして出す形でインタビューに答えてくださったのは、どういった思いからですか?

睡蓮みどりさん:
私自身はやっぱり映画の業界がすごく好きで、良い方向に変わって欲しいと本当に願っていて、複数の女性の声が上がった現実を目の当たりにして、その声を聞いた時にすごく背中を押された、押してくれた感じがして、その状況で何も言わないでなかったことにして生きていくことはできないなと思いました。

睡蓮さんは先週、同じ思いを持つ俳優や映画監督などと共に声明を発表しました。

睡蓮さんらの共同声明:
断ったり拒んだりすれば「クビにされるのではないか」といった不安を覚え、沈黙を強いられます。また、こうした事例を指して「枕営業」などという加害者に都合のいい言葉を使う光景も繰り返されてきました。性加害・性暴力・二次加害が、当事者だけの問題ではないと広く認識されることを私たちは望んでいます。

睡蓮みどりさん:
当たり前におかしいことが「おかしい」って言える環境や、間違っていたということを認め合える、その上で二度と同じようなことが起きない仕組み作りも必要ですし、それは映像業界に携わっている全員で話すしかないと思うんです。