違反だと知っていたのでは?
しかも、悪質なのが、海老沢氏本人が「片手運転が本来道路交通法70条違反の安全義務違反」であることを知っているところだ。「知らなかったでは済まされないだろ!」と言っているのではない。「違反だと知っていてなぜそれを繰り返すのか」ということだ。しかも、陣営スタッフもそれを知っている。「止めろ」と言わずに、逆にSNSにアップするな、つまり国民の目から隠蔽しろと指示を出して、誰も止めない。つまりは、組織ぐるみということだ。動画まで隠しきれていなかったので、「完全犯罪」といかなかっただけなのである。
「隠蔽の指示」や「道交法違反を知っていて道交法違反を続けた」点について、海老沢氏に事実確認をすると、海老沢氏の代理人より以下の回答があった。
「自転車での遊説を行うにあたっては、道交法を含むルールを遵守するよう、本人・陣営含めて確認をしているところです。長時間の行程で気の緩みが出ることのないよう、今後も法令遵守を心がけて取り組んでまいります。
なおSNS運用の一部はスタッフが担当しており、膨大にやり取りされる情報について、本人がすべて把握することは困難です。いずれにしても、投稿内容については今一度精査し、適切な対応を行ってまいります。
自転車遊説は幅広く政治活動に取り入れられている一般的な手法であり、車よりも近い距離で有権者とコミュニケーションをすることができる有効な運動形態である認識しています。今後も幅広く有権者の声を集め、また、自身の政策を伝えるために活動を継続してまいります」
どうやら質問に正面から答えず、記事に対してどのような反響が出るかを見極めるまで様子見を決め込んだようである。
最近の議員による道交法違反といえば、都民ファーストの会の木下富美子氏が東京地検に道交法違反の罪で在宅起訴されたことを思い出す。
木下氏は「順法精神が弛緩していた。猛省をいたしております」と釈明し、「多くの都民の皆さま、有権者の皆さまにあらためてお詫びを申し上げます。本当に申し訳ございませんでした」と頭を深く下げた。
本件が、海老沢氏にとって、どのような受け止めになるかはおそらく世論の反響次第だということだろう。深く反省してほしいものだ。