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リーンカーネイションの蕾

ハエトリグサ

小早川

03_ハエトリグサ.png

○概要

シナリオタイトル:リーンカーネイションの蕾

プレイ人数   :4人

プレイ時間   :6~8時間

推奨技能    :魔術発動

シナリオ傾向  :魔法学園×絶望

​その他備考   :新規探索者限定。

         PCに特殊な設定がつく恐れあり。

         キャラクターの継続率はほぼ皆無。

シナリオの6版/7版コンバートについて:可能。

※シナリオの根幹が変わるような改変は不可

 

○シナリオに関するお問合せ先

https://twitter.com/Koba_noshin DMまで。

以下、KP向け情報となります。

目次

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目次

シナリオ紹介

真相

HO内容

人物紹介

Chapter別 概要

Prologue

Chapter.1 It's a Magical Academy‼

Chapter.2 Distorted

Chapter.3 Mastermind

Chapter.4 Reincarnation

END.A【Paradise Lost】

END.B【Re:incarnation】

シナリオ紹介

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PLに開示可能なシナリオの情報を記載する。

事前説明や卓募集の際に下記を参照頂きたい。

 

【シナリオ概要】

 シナリオ「リーンカーネイションの蕾」

 略称:「リカ蕾」

 ロスト率:?

 人数:4人

 時間:6時間‐8時間

 舞台:魔法学園

 キャラシ:新規限定

 

【あらすじ】

魔術という存在が明るみになり、人々に浸透し始めた時代。

術師として素養のある人間を集め専門的教育を施す機関、

”都立アウラ魔術専門高等学園”が設立された。

生徒たちは地水火風4ついずれかの寮に属し、不自由なく共同生活を送っていたはずだった。

楽しげな学園の裏に漂う不穏な影。歪んだ空間の先にある

真実を知ったとき、貴方は後悔することになる。

 

未知とはなんと甘美な誘惑か

真実の先に待つは絶望のみ

 

【ハンドアウト】

HOノーム

あなたは”ノーム寮”の魔導士候補生だ。

『テラソーサラー』の称号を持ち、地の魔術を3つ修得している。

 

HOウンディーネ

あなたは”ウンディーネ寮”の魔導士候補生だ。

『アクアソーサラー』の称号を持ち、水の魔術を3つ修得している。

 

HOサラマンダー

あなたは”サラマンダー寮”の魔導士候補生だ。

『イグニスソーサラー』の称号を持ち、火の魔術を3つ修得している。

 

HOシルフ

あなたは”シルフ寮”の魔導士候補生だ。

『ウェントゥスソーサラー』の称号を持ち、風の魔術を3つ修得している。

 

【注意事項】

・新規探索者限定。

・ファンタジー要素を多分に含みます。

・探索者に特殊な設定が付与されます。ご注意下さい。

・一部神話生物・魔術の独自解釈が含まれます。

・キャラクターの継続率はほぼ皆無。

 

【舞台設定】

 

都立アウラ魔術専門高等学園

 

世界に古来より存在していた魔術という存在が明るみになり、人々に浸透し始めた時代。

術師として素養のある人間を集め専門的教育を施す機関。それが”都立アウラ魔術専門高等学園”だ。

この学園には日本全国から選ばれし少年少女が数多く通っている。

全寮制で、生徒たちはそれぞれ得意分野ごとに4つの寮に分けられている。

地のノーム寮。水のウンディーネ寮。火のサラマンダー寮。風のシルフ寮。

寮対抗戦の体育祭は見物で、尋常ならざる白熱した様相を呈す。

その為魔術的素養のない一般人”フラット”からも体育祭の時期には観客として足を運ぶものが多い。

 

学園敷地内には4つの寮、校舎、職員舎、研究棟、体育場が建てられ、植物園まで併設されている。

また、敷地内にはいたるところに色とりどりの花が咲き、植物園には学院の象徴ともいえる大きな蕾”リーンカーネイション”がある。


 

【魔術詠唱について】

 

指定されたコストを支払い、スペルを詠唱する。

その後発動するか否かは『魔術発動:〇〇』の技能に成功する必要がある。(〇〇には詠唱した魔術名が入る)

 

PC達はこの技能を初期80%で修得し、技能ポイントの割り振りは不可とする。

真相
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 この魔法学園はすべてPC達が見ている幻覚世界である。
 現実の世界では地球に”赤い彗星”グロースが接近したことにより邪神が次々に目覚めてしまい、人々はこれに対抗した。しかし人類の科学の粋は神には及ばなかった。それどころか、戦の代償に人間はどんどんと数を減らしていき、瞬く間に地球は死の星となり果てた。
 そんな終わりを待つ世界の中で、生き残った学生たちがいた。それがPC達である。だが彼らも日に日にやつれ、精神錯乱し仲違いで殺しあい、青葛・黄緑・赤木は死んでしまう。食料探しで外に出ていた天土はとある植物園を訪れ、案内員を努めるゼウという青年に泣きついた。話を聞いたゼウはヴルトゥームを紹介し、天土は永遠の命と幻想の楽園を手に入れる代わりに、地球侵攻の手助けと食糧の提供を条件に邪神と契約を交わした。そうして、ヴルトゥームの芳香により学校全体が幻覚に包まれた。

 幻覚世界は魔法学園として構築され、絶望の現実とはかけ離れた楽しい生活を送るようになる。一定期間を過ごすごとに新たに催眠をかけなおし、また一から学園生活をする無限ループ世界となった。
 そうして何度もかけなおすうち、一部で催眠に綻びが出始める。それは”ひずみ”という形で幻覚世界にわずかな亀裂を入れた。ひずみに気づいてしまった者の中には現実世界の記憶が蘇ってしまう者もおり、幻覚世界の崩壊を招きかねない危惧を孕んでいた。初めの何人かは天土がヴルトゥームに食糧として差し出すことで事なきを得たが、やがて神来社千里が現れる。
 
 神来社はヴルトゥームの声を聴き、信奉者として自らひずみの監視と幻覚世界の保全に努め始めた。天土は、自分と同じようにこの世界に縋るものの出現に安堵した。しかし、そこには大きな誤算があった。
 神来社は行き過ぎた狂信と思想から、学園全員に対し更なる催眠の上書きを計画し始めたのだ。その大胆な行動は当然感知されやすく、天土が最も気づいてほしくないPC達にまでその余波は及んだ。案の定PC達は調査を進める中でひずみの存在を知ってしまう。

 天土としては、このまま神来社の目論見が成就しPC達も含め催眠の上書きがされてしまうならそれはそれでよし、もしも神来社が敗北し自分のところまで来るなら、核心は伏せ事情を話しPC達に世界のリセットを承諾してもらうつもりでいる。

 PC達は現実世界の絶望をはっきりと認識せぬままヴルトゥームを燃やし幻覚世界を破るのか、或いは天土の言葉に賛同し、永遠にこの楽園で繰り返し繰り返し生き続けるのか。選択を迫られるだろう。

 

 

HO内容
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本項ではPLに開示するHOの詳細について記す。
それぞれのHOが持つ【記憶】は現実世界でのものであり、”ひずみ”イベント以降
それぞれ設定されたトリガーを引くと記憶がフラッシュバックし精神に何らかの支障をきたすだろう。
KPはHOごとのトリガーと効果をよく把握しておくこと。

 

 ノーム 

あなたは”ノーム寮”の魔導士候補生だ。
『テラソーサラー』の称号を持ち、地の魔術を3つ修得している。
また、マナ適正が高いためPOWに関わらず初期MPは50となる。

あなたは【追悼の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。

☆修得魔術一覧

【グローシス】
MP消費:4
主に植物などの生育速度を高める魔術。
また、生育させた植物はある程度詠唱者の自由に操作することができる。

スペル
『脈動する生命の奔流 黎明(れいめい)の輝き グローシス』
_________________________________
【ディシルド】
MP消費:n(任意)
詠唱時間:0R
装甲値:(2+n)d4
対象:単体

衝撃から護る岩の防護壁を展開する魔術。
継続ではなく攻撃を受ける瞬間の発動となり、
自身が行動済みでも詠唱可能(1R1回)。

スペル
『岩壁よ 護れ ディシルド』
_________________________________
【グランドランス】
MP消費:6
詠唱時間:0R
ダメージ:5d4+5
対象:単体
状態付与:50%で破盾 (1d100<=50)

地面から槍上の岩を伸ばし、対象を貫く魔術。
先端を丸め、足場として利用することも可能。

(破盾 対象に装甲があった場合ダメージが10増加する)

スペル
『呻(うな)れ 轟然(ごうぜん)なる大地の怒り 隆起せよ グランドランス』

 

あなたは【追悼の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。

トリガー:ひずみ接触後、赤木・青葛・希緑に会う
効果:対象のNPCと話すことを脳が拒絶する。1/1d6+1の正気度喪失

貴方は彼/彼女の遺体を埋葬したことがある。
それがいつだったかは思い出すことができない。
記憶の糸を手繰るたび、彼/彼女の死に顔がよぎってしまう。
暫くはまともに話すことができなさそうだ。

 

 

 ウンディーネ 

あなたは”ウンディーネ寮”の魔導士候補生だ。
『アクアソーサラー』の称号を持ち、水の魔術を3つ修得している。
また、マナ適正が高いためPOWに関わらず初期MPは50となる。

あなたは【自責の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。

☆修得魔術一覧

【アクリア】
MP消費:2

詠唱者の触れている液体を浄化する魔術。
浄化の度合いは泥水が天然水になる程度。

スペル
『清浄なる水 今ここへ アクリア』
_________________________________
【キュアライズ】
MP消費:4
詠唱時間:0R
回復量:2d6
対象:単体

自身の手で触れ詠唱することで対象の自己治癒能力を大幅に高める魔術。
HP0以下の対象でも1R以内であれば蘇生可能。

スペル
『大いなる水精よ かの者に立ち上がる力を キュアライズ』
_________________________________
【アイシクルピアス】
MP消費:7
詠唱時間:0R
ダメージ:3d10
対象:単体
状態付与:20%で1d3R凍結 (1d100<=20)

鋭く尖った氷柱を顕現させ対象へ飛ばし突き刺す魔術。
また対象の体温を下げ、低確率で凍結状態にする。
(凍結 技能に-20%の補正)

スペル
『白銀の氷刃よ 無慈悲なる裁きを以って 刺突せよ アイシクルピアス』

 

あなたは【自責の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。

トリガー:ひずみ接触後、だれかがHP5点以上失ったとき
効果:POW×5の判定に失敗すると回復行為不可能。1/1d6+1の正気度喪失

貴方は目の前で死にゆく仲間を救えなかったことがある。
それがいつだったかは思い出すことができない。
泣き叫ぶ誰かの手によって、一人また一人と殺されていった。
狂う仲間も、倒れる仲間も、救えたはずだったのに震えてできなかった。

 サラマンダー 

あなたは”サラマンダー寮”の魔導士候補生だ。
『イグニスソーサラー』の称号を持ち、火の魔術を3つ修得している。
また、マナ適正が高いためPOWに関わらず初期MPは50となる。

あなたは【暴走の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。

☆修得魔術一覧

【スパークル】
MP消費:2

指の先から火花を散らす魔術。

スペル
『炎よ 弾けて照らせ スパークル』
_________________________________
【イグナイト】
MP消費:4
詠唱時間:0R
対象:味方全員
効果:1d3Rの間、攻撃に+10ダメージ

味方に火精霊の守護を付与し、攻撃の威力を上げる魔術。
この効果対象は物理・魔法を問わない。

スペル
『烈々(れつれつ)たる恩恵 今こそ攻勢のとき イグナイト』
_________________________________
【レイジングフレア】
MP消費:10
詠唱時間:0R
ダメージ:2d15
対象:単体
状態付与:20%で1d3R延焼 (1d100<=20)

地面から炎の龍を出現させ、対象を飲み込み焼き尽くす魔術。
また対象に炎を残し、低確率で延焼状態にする。
(延焼 毎R最後に1d6ダメージを与える)

スペル
『憤怒の焔(ほむら)よ 煉獄より迸発(ほうはつ)し 荒れ狂う炎龍となれ レイジングフレア』

 

 

あなたは【暴走の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。

トリガー:ひずみ接触後、初めて攻撃を行ったとき
効果:自分を含む仲間の中からランダムに対象を選び1d6の炎ダメージを与える。

1/1d6+1の正気度喪失

貴方は過去に人を殺めたことがある。
それがいつだったかは思い出すことができない。
とても恐ろしいことがきっかけで自我を失い、仲間を手にかけてしまった。
その時の感覚だけが蘇り、貴方の力は暴走を始める。

 

 

 シルフ 

あなたは”シルフ寮”の魔導士候補生だ。
『ウェントゥスソーサラー』の称号を持ち、風の魔術を3つ修得している。
また、マナ適正が高いためPOWに関わらず初期MPは50となる。

あなたは【忘却の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。


☆修得魔術一覧

【ゼファー】
MP消費:2
詠唱時間:0R

優しい風を吹かせる魔術。

スペル
『微風よ 今ここに ゼファー』
_________________________________
【インペディメント】
MP消費:8
詠唱時間:0R
対象:単体

乱雑なマナを風に乗せて対象へ送り込む魔術。
魔術詠唱時間を1R延長させる。

スペル
『大いなるマナよ かの者を搔き乱せ インペディメント』
_________________________________
【エウロラ】
MP消費:8
詠唱時間:0R
ダメージ:3d8
対象:単体
状態付与:10%で1Rスタン (1d100<=10)

風を一点に集束させ、対象を切り裂く魔術。
また対象の行動を阻害し、低確率でスタン状態にする。

スペル
『天翔ける風よ ここに集いて 吹き荒(すさ)べ エウロラ』

 

 

あなたは【忘却の記憶】を所持している。
詳細内容はシナリオ中のとあるタイミングで開示され、事前に調べることはできない。

トリガー:クライマックスで天土が手を差し伸べたとき
効果:正気度喪失 1d4/1d8+1

貴方は全て思い出した。
この世界が偽りの楽園であることを。
ひずみに見た景色こそが残酷な現実世界であり、
貴方たちはあの花の芳香によって幻覚世界に魅せられている。
全てをもう一度忘れ、この世界に留まりたいなら天土の手を取ればいい。
そうでないなら、リーンカーネイションを燃やすしかないだろう。

 

人物紹介
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本項では物語に登場するキャラクターの詳細を記す。
記載のない技能や魔術はKPの判断で追加してもらって構わない。

 

 一尺八寸 刃 (カマツカ ヤイバ) 
STR:10 CON:6 POW:20 DEX:10 
APP:8 SIZ:13 INT:16 EDU:20
________________________________________________________________________
32歳 教諭 髪長うねうねダウナー系 PC達の担任
語尾に「です」を多用することと、その「かまつか やいば」という鎌を連想させる名前から
”デスサイズ先生”と一部生徒からは呼称されている。

学生時代から魔術の才が抜きんでていた為、教師も手を焼くほどの問題児だったそうだが、
恩師に出逢い教員を志すようになったのだという
言葉遣いが強制されなかったため、恩師に「せめて”です”をつけろ」と言われたのを従順に守っている
学園内に咲いている花を常に持ち歩いていることで有名。

「お前ら~さっさと席につけ、です」
「この花は、俺にとって薬みたいなものなのさ」

実はこの学園が幻覚世界であることを認識している。
もともと精神が非常に不安定である為か幻覚催眠の効果が薄かった。
死の世界も受け入れられるが、楽しい世界があるならそっちで遊んでおこう、くらいのスタンスである。
立場としては中立で、助けを求められない限りは傍観している。
花の近くでヴルトゥームの芳香を感じていないと幻覚が解けてしまう為持ち歩いている。

 神来社 千里 (カライト チサト) 
STR:12 CON:14 POW:25 DEX:13 
APP:18 SIZ:16 INT:18 EDU:16
HP:50 MP:100 SAN:0 db:+1d4

修得魔術に関しては最終戦闘ページ参照
________________________________________________________________________
27歳 穏やかな笑顔と優しさで教職員の中でも断トツの人気を誇る保険室の先生。
女子の中には神来社に見てもらいたいがためにわざと怪我や病気をするものまでいるとか。

「皆さんも、お困りのことがあればいつでも私を訪ねてくださいね」
 

この教師もまた、ここが幻覚世界であると認識している。

全てがうまくいくこの世界に強く執着している。
また、自らに救いの手を差し伸べたヴルトゥームに対し病的なまでの愛情を持つ。
行き過ぎた自尊心と傲慢から、学園全てを手中に収めてヴルトゥームに献上する計画を始める。
それが崩壊につながるとも知らずに。

「貴方たち無能なサル共は、あの方の供物となればいい!」

 天土 和樹 (アマツチ カズキ) 
STR:9 CON:11 POW:16 DEX:15 
APP:12 SIZ:10 INT:12 EDU:11
________________________________________________________________________
ノーム寮 緑化委員会所属
コミュニケーションが得意なほうではないが、優しい心の持ち主
PC達のことを親友と思い、いつも一緒に遊んでいる

「みんな、おはよう。今日も楽しい一日になるといいね」

幻覚世界創生の張本人。
絶望的な現実世界から逃避するためにPC達と一緒にヴルトゥームに契約させた。
魔法学園は天土の思い描く楽園をヴルトゥームに幻覚化させてもらったもの。
学内に咲く花はすべてヴルトゥームの芳香を放っている。
普段はおとなしく引っ込み思案の様子だが、真実が露見すると豹変する。

「僕はただ君達とずっとずっとずっと一緒にいたいだけなんだよ!何かおかしいかい?」

 

 青葛 美樹 (アオカズラ ミキ) 
STR:8 CON:14 POW:9 DEX:11 
APP:14 SIZ:13 INT:16 EDU:12
________________________________________________________________________
ウンディーネ寮 生徒会所属
品行方正、清廉潔白を地で行く頭のお固いタイプで、教師達のウケはいい。
一方で、小さな違反や不良行為でも厳しく取り締まるので、一部生徒からは恨みを買っている。
勉学において右に出る者はいないが、魔術の才は今一つでありコンプレックスでもある。

「その年で規則も守れないなんて、恥じるべきだわ」
 

現実世界では赤木の死により発狂し自殺している。
よってこれは皆の記憶から作り出された完全な幻覚の存在である。
赤木とは幼馴染で犬猿の仲だが、両片思いだった。

 赤木 鉄也 (アカギ テツヤ) 
STR:14 CON:16 POW:11 DEX:13 
APP:11 SIZ:15 INT:10 EDU:9
________________________________________________________________________
サラマンダー寮 所属なし
不良とまではいかないものの、素行の悪い生徒。
遅くまで火の魔術で文字通り火遊びをするなどして教員に目を付けられている。
とはいえ暴力沙汰や癇癪を起こすことはなく、友人には快活に笑う。

「おう、面白そうなことやってんな。俺も混ぜろや」
 

現実世界ではHOサラマンダーのPCの錯乱により命を落としている。
最後まで青葛を守るように抵抗した。

 

 希緑 陽 (キミドリ ヨウ) 
STR:10 CON:11 POW:15 DEX:18 
APP:15 SIZ:13 INT:13 EDU:10
________________________________________________________________________
シルフ寮 オカルト研究会所属
自由気ままでのんびりとした性格の女生徒。
未知のものに好奇心を惹かれ、オカ研として学園の七不思議について調査をしている。
風のように現れて風のようにいなくなる、神出鬼没の不思議ちゃんである。

「フシギ、っていいよね!ワクワクする!」


現実世界では終わりゆく世界と放たれた怪物を見て真っ先に発狂。
未知の生物に対する執着を発症し、生きたまま頭を食いちぎられ死亡している。

 

 ゼウ 

________________________________________________________________________
植物園 管理職員
学園に併設された植物園に住まう管理人。学園直属の職員ではないらしい。
独特な雰囲気を持ち、いつも植物に語り掛けている。
緑化委員会の担当職員でもある。

「植物はね、水をあげすぎてしまうと腐って枯れてしまうんだよ」

 

シングラリテ植物園 案内人
不可思議で恐ろしくも美しい植物たちを管理する職員。
いくつもの次元と繋がっているこの植物園で、訪れる人間に最適な植物を案内する。

※本キャラクターと植物園は、”ゼウ住まう植物宴”企画における象徴的な存在となります。
他作者様のシナリオにもNPCとして登場する場合がございますが、所謂スターシステムであり
「同一人物だが同一人物ではない」というフシギな存在であることをご了承ください。

 


 

Chapter別 概要
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各チャプターにて想定しているイベントや展開を本項にてまとめる。

 

Prologue
魔法学園世界の大まかな概要と、クライマックスの天土のセリフ。

 

Chapter.1 It's a Magical Academy‼
魔法学園での青春を描く。
個性豊かな同級生や先生たちとの交流や、よくある七不思議の噂を耳にしたりする。

 

Chapter.2 Distorted
夜に校舎の方で不審な炎を見かける探索者。
現場に赴くと、異質な空間の”ひずみ”を発見する。
触れた途端恐ろしい光景と覚えのない記憶がフラッシュバックする。
一尺八寸先生と協力し学園内の”ひずみ潰し”を行うことに。

 

Chapter.3 Mastermind 
不審な動きをする人物を特定し、問い詰める。
保険医の神来社千里は、全生徒・教員を巨大な魔法陣で催眠状態にする計画をしていた。

 

Chapter.4 Reincarnation
神来社はひずみに直接関係はなかった。植物園で天土が話す真実。
「このままだと世界が崩壊してしまうから、時を戻し改めて対策を練ろう」という
探索者はこれを信じるのか否か。

 

END.A【Paradise Lost】
天土の手を取らず、現実世界への帰還を望む探索者。
全ての元凶たるヴルトゥームを燃やし、自決する天土。
そこまでして掴んだ世界は、既に滅んだあとの世界だった。
魔導士候補生などではない、ただの学生に戻った探索者はこれからどのようにして生きていくのか。

 

END.B【Re:incarnation】
天土を信じ、提案を受け入れた探索者。
時間など巻き戻らない。対策など無意味だ。ここは永劫回帰の幻覚世界。
だがそれでもいいのだ。死んでしまうより、よほどいい。

 

 

Prologue
- - - - X 

魔術。

それは、今や世間に浸透しつつある。

科学をも凌駕する人智を越えた魔術は、使い方を誤れば恐ろしい事態を招く。

そこで選ばれし素養を持つ少年少女を集め、正しく魔術を扱う為の教育機関、

”都立アウラ魔術専門高等学園”が設立された。


生徒たちは東京都郊外の山奥に居を構える学園で寮生活をしながら、

通常の教育課程に加え魔術の基礎を学んでいる。

その中でも一際優秀な素養・成績を誇るものは”魔導士候補生”と呼ばれ

国家公認魔導士への切符をいち早くつかむことができる。


これは、そんな魔導士候補生たちに降りかかる狂気と絶望の物語。

「あぁ、こんなことなら」

 


「死んでいればよかった」

 


 

Chapter.1 It's a Magical Academy‼
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10月25日 8:15

都立アウラ魔術専門高等学園 教室 

朝のHRまであと15分、教室は登校した生徒たちで賑わいを見せていた。
魔導士候補生と呼ばれる貴方たちもほかの生徒とカリキュラムに違いはないので
今日もいつも通り登校しているだろう。

 

PC達の朝の様子をRPしてもらう。
寮が違ってもクラスは同じなので、一緒に登校することになる。
1d100を振り、出目の低い順に登校したことにすると面白いかもしれない

 

HRの時間になり予冷が鳴る

ドアを開け、よたよた入ってきたのはこのクラスの担任である一尺八寸 刃(かまつかやいば)だ。

「お前ら席につけ〜、です。点呼取るぞ~」

全員が着席すると、一尺八寸は点呼を始める。

「青葛~」
「はい」

青葛美樹(あおかずら みき) ウンディーネ寮で生徒会に所属する女生徒。
品行方正、清廉潔白を地で行く頭のお固いタイプで、教師達のウケはいい。
一方で、小さな違反や不良行為でも厳しく取り締まるので、一部生徒からは恨みを買っている。
勉学において右に出る者はいないが、魔術の才は今一つでありコンプレックスでもある。

「赤木~」
「…あぁ」

赤木 鉄也 (あかぎ てつや) サラマンダー寮で部活などの所属はない。
不良とまではいかないものの、素行の悪い生徒。
遅くまで火の魔術で文字通り火遊びをするなどして教員に目を付けられている。

「天土~」
「あ、はい」

天土 和樹(あまつち かずき) ノーム寮で緑化委員会に所属している。
コミュニケーションが得意なほうではないが、優しい心の持ち主。
植物に対して優しく語りかける様子も見られている。
PC達のことを親友と思い、いつも一緒に遊んでいる。


「希緑~」
「ふぁ~い」

希緑 陽 (きみどり よう) シルフ寮でオカルト研究会に所属している。
自由気ままでのんびりとした性格の女生徒。
未知のものに好奇心を惹かれ、オカ研として学園の七不思議について調査をしている。
風のように現れて風のようにいなくなる、神出鬼没の不思議ちゃんである。

残りPCの名前も呼んで点呼終了とする。

「おーお前ら静かにしろ」
「最近日も落ちるのが早くなってきてるから、19時までにはちゃんと寮に戻れよ、です」

その他連絡事項を済ませると、5分の休憩の後授業が始まった。

 

1限目の授業
『空間と重力魔術』
担当教諭:一尺八寸 刃

魔術演習場へ移動して、授業が始まる。

「え~、じゃあ今日から本格的に反重力魔術についての実技を行う、です」

「マナ操作と術構築式、詠唱スペルは先週まででやった通りだ、当然覚えてるよな」

「つっても、学生のうちからこの術をちゃんと覚えられる奴はそういるもんじゃない」

「安心して失敗しろ、です」

反重力魔法グライドの修得チャンス。
INTx3に成功することでグライドを修得できる。

 

【グライド】
MP消費:5
持続時間:1d6R 
自身を含む対象1つの重力を無効化する。無効化できるのは詠唱者が持てる程度の重力まで。
無効化された対象の移動は詠唱者が行う。

スペル
『重の枷を解き放ち 空を舞う翼となれ グライド』

 

各寮ごとにペアを組ませるなどして、NPCとの交流を促してもいいかもしれない。

2時限目の授業
『魔育』
担当教諭:神来社 千里

保健室の先生である神来社がやってきて授業が始まる。
眉目秀麗で気品のある彼の姿は、女子生徒の中でも人気が高いことは周知の事実である。

「こんにちは、保険医の神来社です」

「今日の魔育は運動ではなく座学になりますので、私が担当することになりました」

「えー、皆さんは魔術を行使する際に必要なものが何か、わかりますか?」

「はい、マナと術構築式と詠唱ですね」

「今日はその中でも一番重要な”マナ”について理解を深めてもらおうと思います」

「”マナ”とは、生命を循環する魔素エネルギーの総称です」

「基本的には目に見えませんが、濃縮されたマナはその元素の色味を帯びることもあります」

「私たちの体の中にもマナは循環していて、それを構築式に流し込み詠唱することで魔術として外部へ発現されます」

「自らのマナの流れをしっかりと知覚することができれば、それだけ多くのマナをコントロールすることができるようになります」

「いいですか、皆さん。目を閉じてゆっくり息をしてください」

「……そうです、次は意識を君の内側へ向けて。君の中にあるエネルギーをイメージしてください」

MP成長チャンス
POWx5に成功することでMPの最大値が2d6 + 1上昇する。

「はい、お疲れさまでした。皆さん素晴らしい成果ですね」

「日々の中で少しでも意識するだけで、やがて大きな変化となります」

「ぜひ続けてみてくださいね」

神来社はそういって微笑んだ。
何人かの女子生徒がうっとりとして神来社を見ているのがわかる。

 

 

3時限目の授業
『魔術基礎Ⅱ』
担当教諭:一尺八寸 刃

「2限目で神来社先生からマナについて教わったな」

「その感覚を忘れないうちに、術の構築と発動までの流れを練習しろ、です」

「火事の隣にプールがあっても何にも意味がない。その水をバケツで汲んだりホースで散水したりしないと消火はできない」

「この場合のバケツやホースが術構築式だ、です。頭の中の構築式にマナを流し込んで、完成させろ」

「それらをスペル詠唱と並行して行え、です。同時にできて初めて魔術は効果を発揮する」

魔術発動の成長チャンス
INTx5に成功することで魔術発動技能が1d10上昇する。

「多少魔術が発動できるようになったくらいで、授業外でポンポン使うなよ」

「学園規則第4条『公共に害なす魔術の行使が認められた場合、即刻停学処分とする』を忘れんな、です」
 

午前の授業が終わり、昼休憩になる。

天土がやってきて先ほどの授業の話を振ってくる。

「みんな、さっきのはどうだった?僕はどうも発動に手間取っちゃうみたいで…」

聞き耳などでこんな話を耳にする

「そういえばB組の谷崎くん、いなくなったらしいじゃん」

「え、でも今日ザッキー来てるよ?すごい元気だし」

「そうなの?谷崎くんってちょっと暗い子じゃなかったっけ、ブツブツ独り言いう感じの……」

「なんかいい事でもあったんじゃない?知らんけど」

全員の心理学をシークレットで振り、成功したPCに「天土が少し暗い表情を見せた気がする」と送る
そのことを問われても天土は
「何度か話したことある人だから、本当なら変なこともあるものだなと思って……」とはぐらかす。

 

午後の授業は省略して終え、放課後になる。

赤木は早々に寮へ戻り、青葛は生徒会の仕事へ向かい、天土は委員会で植物園へ向かったようだ。
PCが何かをしようとしたところで希緑が話しかけてくる。

「やぁやぁお疲れ魔導士候補生諸君!」

「最近学園内でまことしやかにささやかれてる変な噂、君たちも知っているよね~?」

「そう~、いなくなった生徒が翌日人が変わったようになってもどってくるアレだよ…」

「うちらオカ研は、素行が悪かったり学業不振の出来損ない生徒を学園側が新しい個体と入れ替えてるんじゃないかとにらんでるんだ…」

「名付けて『学園七不思議6 ”クローンプログラム”』!!どうだい?君たちも興味ない〜?一緒に学園の七不思議を解き明かそうぜ~」

・他の七不思議ってあるの?
「1〜5はよくある七不思議だよ。誰もいないトイレから呻き声がするとか、
 音楽室の肖像画がインスタやってるとか、ありふれたやつ」

「でもやっぱ七不思議のキモって6から7つ目にかけての緊迫感じゃない?」

「7つ目を知ったら死んでしまう…みたいなさあ!」

・その7つ目は?
「それはまだ調査中なの。クローンプログラムを解き明かしたら本格的に探そうと思ってるよ!」

希緑の提案に乗っても乗らなくても、今日はいったんお開きとなる。
「君たちは優秀個体だから取り替えられなさそうだし、また何かわかり次第おしえるからさ~協力頼むね~」
と言って去っていくだろう。

 

クローンプログラムを疑ってB組の谷崎に会いに行っても、元気な姿を見るだけだ。
昨晩の事を聞いても記憶が判然としないのか、上手く答えられないだろう。
その他の記憶も、全て都合のいいように作り替えられている。
つじつまが合わなくても、気にする様子はない。

 

青葛がツカツカと歩いて来る。
「貴方たち、用がないなら早々に寮に戻りなさい。朝に一尺八寸先生が仰っていたでしょう」

「魔導士候補生ならもっとほかの生徒の模範になるようにしっかりとしてもらわないと困るのよ」

「学園の規則を破るようなことしてないでしょうね…?」

「私も含め、貴方たちには期待しているのよ。この学園の代表として恥じのない振舞を心がけてね」

貴方たちへ激励にも似た叱責を浴びせ、彼女は校内の見回りに戻っていった。


寮に戻ると赤木が寮から出てくるところに鉢合わせた。

「なんだ、お前らか。今戻りか」

「そういや、校舎にまだ美樹はいたか?」

「そうか、邪魔したな」

言葉少なに赤木は学園のほうへと歩いて行ってしまった。
 

学園に残って遅くまで見回りしている青葛を心配し、赤木は様子を見に行く。
 

貴方たちは寮に戻って休む事になるだろう。
 

 

Chapter.2 Distorted
- - - - X 

夜、貴方は寮内で思い思いの時間を過ごしている。

<目星・幸運>
校舎のほうで一瞬炎が上がったように思える
悪戯であの勢いの炎を出すだろうか
一度様子を見に行った方がいいかもしれない

探索者同士合流して校舎へ向かい、該当の場所までたどり着く。
そこには火柱が上がっているとか、魔術師が詠唱しているようなことはなかった。
しかし、明らかに異質なものが存在していた。

それは、形容しがたい空間の”ひずみ”のようなものだった。
空間が歪曲し、その先が見えなくなっている。

<魔術発動>
魔術を発動するときのように、マナの流れや術式を探ってみても
一切感知できないモノだということがわかる。

 

現実世界とつながる場所なので、幻覚世界で言うところの魔力は存在していない
 

誰か一人でもこのひずみに近づくと、探索者全員の視界にノイズが走り異様な光景を垣間見る。

それは、血だまりと赤黒く染まった空だった。0/1の正気度喪失
視界が元に戻ると、ひずみはその場から姿を消していた。

貴方たちが話していると、後ろから足音がした。
振り返るとそこには虚ろな目をした青葛、赤木、希緑が立っていた。
彼らは貴方たちに手を向けて、魔術を詠唱し始めた。

 

 VS 同級生3人 

青葛 HP14 DEX11 魔術発動 60%
【ダークネスフィア】詠唱0R 対象2人 ダメージ1d5
『暗澹(あんたん)たる水よ 深淵へ呑み込め ダークネスフィア』
____________________________________
赤木 HP16 DEX13 魔術発動 60%
【エンブレイスフラム】詠唱0R 対象単体 ダメージ1d9
『黒き炎よ かの者をその腕(かいな)に抱け エンブレイスフラム』
____________________________________
希緑 HP12 DEX18 魔術発動 60%
【タービュランス】詠唱0R 対象単体 1Rスタン
『いまこそ天地晦冥(かいめい)のとき 吠え狂う烈風となれ タービュランス』

 

上記は彼らがもともと修得しているものではなく、神来社の催眠によって植え付けられた魔術である

また、このタイミングで高確率でHO1,2,3は記憶のトリガーを引くことになる。
引いた瞬間に秘匿を送ることを忘れないようにしていただきたい。

この戦闘では3人とも死には至らないが、瀕死にはなる為HO2の回復を行わせよう。


 

「何があった!」

戦闘終了後、騒ぎを聞きつけて、一尺八寸がこの場に駆け付ける。
事情を説明すると一尺八寸は考える素振りをして、貴方たちに寮に戻る様いうだろう。

「この後の事は俺に任せてお前らは寮に戻ってすぐ休め、です」

言うが早いか、一尺八寸は3人にグライドを詠唱し連れて行った。

貴方たちは寮に戻ることになるだろう。


・    ・    ・


翌朝。いつも通り学園へ向かうことになる。

学園そのものは昨日と特に変わらないが、登校した青葛・赤木・希緑の3人はとても気分の良さそうな顔をしていることがわかる。

特に青葛・赤木は普段が無愛想だったこともあり、今日はまるで人が変わったように学園生活を謳歌している様子で周りにも明るく接している。

3人に昨晩のひずみや戦闘の事を聞いてもさっぱり覚えていない。

ホームルームの時間になり、いつも通り一尺八寸は点呼を取り連絡事項を伝える。

しかし、退室間際に足を止めちらりと視線だけ貴方たちへ向けた。

「あー、魔導士候補生の4人は放課後に俺の研究室まで来るように、です」

それだけ言って教室を後にした。

 

・    ・    ・


授業パートは省略し放課後になる。研究棟にある一尺八寸の研究室を訪れる。

「おー、来たな、です。まあ適当にくつろいでくれ」

そう言って促されるが、手狭でモノが散乱しているこの室内にくつろげる場所なんて1ミリもなさそうだ。掃除はしないくせに匂いには気を使っているのか、フローラルな香りが漂っている。

一尺八寸はお構いなしにしゃべり始める。

「要件を伝えるぞ、です。お前ら昨日の夜あの場所で”ひずみ”を見たといっていたな」

「あれは、ほぼ間違いなくこの場所に在っちゃならんもんだ、です」

「どういうもんなのかまでは具体的には俺にもわからん。が、学園の他生徒や教師たちはひずみを知らない。今この学園内であれについて知っているのはここにいる俺たちだけのはずだ」

「奴らが知らない という状況が『知ってしまったが記憶を消された』か『そもそも不信なものとして認識しない』のどちらなのかもわからん、です」

「分からん奴らに聞いてもどうしようもねえと思ってたんだが、お前らは覚えたまま今この場にいる、そうだろ?しかもひずみを消すこともできるときた」

「そこで、夜の学園内に出現するあのひずみを消して回ってはくれねえか、です」

「俺はアレに近づくと頭がおかしくなっちまうようで、近づけねえんだ。頼まれてくれ魔導士候補生」

・ひずみに触れた時、妙な景色を見た・記憶が蘇った
「ああ、確か俺もそんなようなものを見た気がする、です。はっきりとは覚えちゃいないが…」

・どうやってひずみを探すの?
「一度あれに触れたなら、次からは何となく場所がわかるようになるはずだ」
「アバウトで悪いが、お前らの天才のカンと才能でなんとかしてくれ、です」

 

ひとしきり話し、貴方たちが承諾すると一尺八寸は安心したように胸ポケットに差した花を撫でた。

「夜の外出と多少の魔術行使は俺が許可する。俺の方でも色々調べてみる、そっちは任せたぞ、です」

そうして、一尺八寸の研究室を後にした。

 

・    ・    ・

 

夜、貴方たちはそれぞれに準備を整え寮を出て合流する。
一尺八寸に頼まれた”ひずみ潰し”を行うために。

 

【夜の学園内探索箇所】
・教室
・体育館裏
・雑木林
・プール
・植物園

【教室】

貴方たちが毎日通う学び舎だ。

<目星・聞き耳>
教室のとある一室を見ると、正体不明のガスのようなもので埋め尽くされていた。
この中からひずみの気配がする。

HO4シルフの【ゼファー】によってガスを取り払うことができる。
このガスはひずみを通して現実世界から流れ込んできた灰と有毒ガスの為吸い込むとダメージ。

 

ひずみに触れると視界にノイズが走る。そして異様な光景を垣間見る。

頭から血を流す赤木が、後ろ手に何かを庇うように抵抗している。
「待て、落ち着けよ!どうしちまったんだよクソ……ぐあああああ!!!」
鈍く肉を殴る音が響き、映像は揺れる。女性のものと思われる甲高い悲鳴が響き、それは終わった。

1/1d4+1の正気度喪失
 

現実世界で狂ったHO3が赤木に襲い掛かり、赤木は青葛を守って死んでしまうシーン。
現実世界は魔法学園などではないので、制服など景色は若干違うだろう。

 

 

【体育館裏】

大きな体育館の裏手に回ると、ひと気のない場所があった。

<隠す・隠れる・目星‐20>
陰に隠れて分かりづらいが、枯草を大量により集めたような場所がある。
この中からひずみの気配がする。

 

HO3サラマンダーの【スパークル】によって枯草を燃やすことができる。
手で毟ろうとするなら時間がかかるのと、棘などが刺さってダメージを負うだろう。

 

ひずみに触れると視界にノイズが走る。そして異様な光景を垣間見る。

何もかもが焼けていく。街も、人も、海でさえも。
その奥にゆらめく大きな大きなあの存在は……

1/1d4+1の正気度喪失
 

人間が邪神に対抗するために数多くの兵器を投入したものの、それは人間を苦しめるだけだった。
火の海と化した地上と、その先に映る神々の姿を見るシーン。

 

【雑木林】

学園のはずれにあまり手入れされていない雑木林がある。

<登攀・跳躍・目星‐20・グライドなど>
比較的まだ背の低い木々が並んでいる。
その上空にひずみがある。

 

HO1ノームの【グローシス】によって植物を操作し上へ登る。
グライドでは1人ずつしか行けず、登攀だと落下のリスクがある。

 

ひずみに触れると視界にノイズが走る。そして異様な光景を垣間見る。

赤黒く染まる空は清々しさや生命の色を全く感じさせなかった。
そして爛々と輝く赤い彗星が貴方を見ていた気がした。

0/1の正気度喪失
 

地球に接近した全ての元凶たるグロースを目撃するシーン。
 

【プール】

単体で独立した大きな遊泳場。

<幸運>
プールに溜められた水は濁り、異臭を放っている
この水の中にひずみの気配がする。

HO2ウンディーネの【アクリア】によって水を浄化する。
血や汚泥はもちろん、核物質などの危険なものも含まれているかもしれない。

 

ひずみに触れると視界にノイズが走る。そして異様な光景を垣間見る。

熱い熱いと言って人々は水へ身体を放った。
渇いた渇いたと言って人々は水を飲み下した。
そして何をか言う者はいなくなった。

0/1の正気度喪失

兵器の影響で身体が灼け、汚染された水を飲んだ人間が物言わぬ塊になっていくシーン。

【植物園】

学園に併設された大きな植物園。シングラリテ、と名付けられている。
中には様々な植物が生育している。一際目を引くのは、一軒家ほどの大きさを誇る巨大な花の蕾である。

その花の蕾の裏手にひずみがあった。
貴方たちがひずみに近づこうとすると、横から声がかかる。

「ねぇねぇ、君たちは何の植物が好き?」

見るとそこには、長身痩躯で薄緑色に煌めく不思議な長髪を揺らす男性?が立って小首を傾げていた。

・あなたは?
「僕はこのシングラリテ植物園の管理をしている”ゼウ”というものだよ、アロエ食べる?」

・ひずみについて
「あら、なんだろうねこれね。えい」
そういってゼウが掌を向けると一瞬でひずみは掻き消えた。

「消しちゃった。ごめんね?」

・ひずみで見た景色や記憶について
「…植物はね、水をあげすぎると枯れてしまうんだ。でもそれって普通だよね。どんなものでも限界は存在する。”過ぎたるは猶及ばざるが如し”ってやつさ」
「君たちが本当に大切にしたいものの為に、心はビニールハウスに入れておくことをお勧めするよ」

外の世界を知り始めた探索者たちに、とても分かりづらく警鐘を鳴らしている

・蕾について
「この子すごいでしょ、きっと綺麗な花が咲くよ~」
「種類?……わかんないけど、いい匂いがするよ」
「この子はずっと蕾なんだ。その時が来るまで」
「学園七不思議のその7”リーンカーネイションの蕾”なのだからね」
「傷つけたらだめだよ?といってもこの子に魔術は効かないからダイジョブダイジョブ」

ゼウはこの場において全能に近いが、
天土に幻覚世界を案内した手前、極力ネタばらしをしないよう努める。


 

ある程度話したところでゼウは大きなあくびをする。

「ふわ、わ……あれ、もう夜だったのかあ。そろそろ寝たいからバイバイ」

<聞き耳>
帰り際ゼウが「今日は寒いしストーブつけちゃお…灯油缶出しとかないと」と言っているのが聞こえた

引き留める隙もなく奥の管理小屋に引っ込んで鍵を閉められてしまうだろう。

全ての探索箇所を見終わると、学園からひずみの気配はなくなる。
貴方たちも寮に戻って休むことになるだろう。

翌日。

いつも通りの朝。いつも通りのホームルーム。

そして昨日に引き続き呼び出される魔導士候補生たち。

放課後に再度一尺八寸の研究室を訪れ、昨晩の成果を共有するだろう。

「成程、上々だな。とはいえ見せられる光景もキツイ物ばかりだな、すまない、です」

「代わりにはならねえが、今日は上等な茶菓子を用意している。好きなだけ食ってくれ」

そう言って冷蔵庫から取り出したのは有名店の洋菓子和菓子の数々だった。
これを好ましく思うなら1d2の正気度回復

「食いながらでいい、聞いてくれ、です」

「俺の方でもいろいろ調査してみたんだが、判明したことがある」

「保険医の神来社千里。ありゃ黒だ」

「つっても、ひずみ関連かどうかまではわからねえ、です。学園内で不審な動きをしているのを見かけてな」

「敷地内のいたるところに奇妙な陣形を描いてやがった。アレはおそらく何らかの大規模魔術の前準備だな」

「残念ながら特殊なインクか何かで描かれていて消すことはできなかった。ただ、恐らく今晩アイツが向かう場所の見当はついた」

「何らかの形で今回の件に関わっていることは間違いないはずだ、です。今日はそこへ行くぞ」

「もしかしたら正面切ってやりあうことになるかもしれんから、その覚悟だけしておいてくれ」

「まあ、お前らなら問題ねえだろ、です」

一尺八寸は表情を崩し、くしゃっとした笑みをこぼした。
そして、何か思い出したように懐を漁り、しわくちゃの紙を取り出して見せた。

「ああそうだ、魔導士候補生諸君。折角だしこれやるよ。各寮に伝わる最上位魔術だ」

「きっとお前らになら使いこなせるさ、です」
 

ここで各HOに個別で最終奥義たる魔術をプレゼントする。
このあとの神来社戦で大いに盛り上げてくれることだろう。

一尺八寸は今の学園生活を気に入っているため不要な催眠の上書を試みようとしている神来社を快く思っておらず、探索者と共に妨害するつもりでいる。
とはいえ最終的に探索者が現実世界への帰還を望むなら止めはしない。
突き詰めれば彼にとってそれらはどうでもいい事なのだ。

 

 ノーム 

【ノーム】
MP消費:20
詠唱時間:1R
ダメージ:10d4+10
対象:単体
特殊効果:与えたダメージと同数値の装甲を味方全員に付与

大地の精霊を召喚し、岩山を創造し対象を破砕する高位魔術。

スペル
『地の精霊よ 慈愛と剛毅(ごうき)を以(もっ)て 今ここに顕現せよ ノーム』

 

 ウンディーネ 

【ウンディーネ】
MP消費:20
詠唱時間:1R
ダメージ:5d10
対象:複数
特殊効果:与えたダメージの半値分最大HP上昇効果を味方全員に付与&全回復

水の精霊を召喚し、大きな渦で全てを飲み込む高位魔術。

スペル
『水の精霊よ 蒼溟(そうめい)より来たり 今ここに顕現せよ ウンディーネ』

 

 サラマンダー 

【サラマンダー】
MP消費:20
詠唱時間:1R
ダメージ:1d100 
対象:単体
特殊効果:2回までダメージダイスの振り直しが可能

火の精霊を召喚し、噴火するマグマと轟炎で灼き尽くす高位魔術。

スペル
『火の精霊よ 灼熱と終焉を齎(もたら)すべく 今ここに顕現せよ サラマンダー』

 

 シルフ 

【シルフ】
MP消費:20
詠唱時間:0R
ダメージ:4d8
対象:3体まで(重複可)
特殊効果:このラウンド味方全員の詠唱時間はすべて0になる

風の精霊を召喚し、暴風を呼び天雷を落とす高位魔術。

スペル
『風の精霊よ 狂飆(きょうひょう)を纏いて 今ここに顕現せよ シルフ』

 

一尺八寸に魔術を教わった貴方たちは、改めて準備を整え夜に備えることになるだろう。

行動としてあまりないかとは思うが、この辺りから天土には会えなくなる。
幻覚世界の再構築のため、植物園の方でゼウやヴルトゥームと共にいる為だ。

 

Chapter.3 Mastermind
- - - - X 

夜、一尺八寸と合流して貴方たちが向かった先は学園中央にある広場だった。

灯りはなく暗いはずなのに、薄ぼんやりとした光が辺りを照らしていた。

<魔術発動>
どうやらそれが活性化された魔法陣の一部であることがわかる。
一尺八寸の言っていた通り、何か大規模な魔術の術式なのだろう。

その中央には神来社千里が立っており、渇いた拍手で貴方たちを出迎えた。

「おやおやおや、どなたかと思えば魔導士候補生の皆さん。揃いも揃って夜中に出歩くとは感心しませんね」

・ここで何をしている

「今更ふざけた質問ですね。魔導士候補生なのにわからないんですか?術式の構築ですよ」
「実は私、回復魔術の他に精神操作魔術にも精通していましてね」
「ピンときませんか?根暗引き籠り生徒とか、不良生徒とか、頑固者で才能のない生徒とか」
「ああいう出来の悪い生徒を矯正して、よりよい学園づくりに貢献させて頂いているんですよ」


・勝手に人の心をいじるな

「歪んだ心根を矯正し、救ってあげたんですよ。賞賛こそすれ咎められるようなことがありますか?」
「貴方たちも実際に見たでしょう、彼らが楽しい学園生活を送っている様を」
「私は何て善人なんでしょう」

・ひずみについては知っているのか

「夜の学園内に出現するアレの事ですね、認識はしています」
「ただ、残念ながら発生要因は存じ上げません。学園に不要なものであることはわかっていますので、君たちが排除してくれたことには感謝しています」

・その術式は何なんだ

「これは先ほどお話した精神操作魔術の応用でしてね」
「1人1人にかけていては時間も労力もかかりますので、全ての教員・生徒に一斉に強力な催眠を施すものです」
「私に絶対服従するというオプション付きですがね、ああ…君たちにはどんなことをしてもらおうかな…」

・阻止する

「この計画には長いこと時間をかけてきたんです、そう簡単に止めさせませんよ」

神来社が指をパチンと鳴らすと、周囲からぞろぞろと人影が現れる。あの時の赤木たちと同じように、虚ろな目の生徒たちが集まり、貴方たちの前に立ちふさがった。

「丁度いい機会です!魔導士候補生達よ、その実力とやらを見せてもらいましょうか!」

 VS 神来社 催眠生徒 ゴーレム 

神来社 HP12 DEX13 魔術発動80%

【ヴァリエース】詠唱0R 対象自分 装甲20点付与
『神聖なる光 その身を傷創(しょうそう)より守り給え ヴァリエース』

【コキュートス】詠唱0R 対象全員 ダメージ4d15
『嘆きの声よ 地の底より這い出でて 氷獄(ひょうごく)へと誘え コキュートス』

【エンド】詠唱0R 対象単体 ダメージ66d6
『醒めよ 原初の王 根源たる元素 滅べ エンド』
____________________________________
催眠生徒5人 HP14 DEX3d6で決定 魔術発動50%

【ダークネスフィア】詠唱0R 対象2人 ダメージ1d5
『暗澹(あんたん)たる水よ 深淵へ呑み込め ダークネスフィア』

【エンブレイスフラム】詠唱0R 対象単体 ダメージ1d9
『黒き炎よ かの者をその腕(かいな)に抱け エンブレイスフラム』

【タービュランス】詠唱0R 対象単体 1Rスタン
『いまこそ天地晦冥(かいめい)のとき 吠え狂う烈風となれ タービュランス』
____________________________________
ゴーレム HP50 装甲50 DEX8

【破砕】 40% 対象単体 ダメージ5d6
【守護】 90% 対象神来社 ダメージ肩代わり 回数制限なし
____________________________________

~戦闘の流れ~

神来社は書いてある順番通りに魔術を行使する。コキュートスは2ターン目であれば高確率でノームの全体装甲が展開されているはずなので、致命傷には至らないだろう。
3番目のエンドは平均230程度のダメージになるが、これはイベント処理で一尺八寸が受けきる。
その後はエンドを使わずヴァリエースとコキュートスで応戦しよう。

催眠生徒達は恐らく1ターンでウンディーネによって一掃される。気持ちよく退場頂こう。

ゴーレムは基本的に神来社を守り続ける。同ラウンド何回でも庇う。

一尺八寸は「俺は攻撃系が得意じゃねえからお前たちに任せる、です」
「神来社の施した巨大術式の解析と解除に取り掛かるわ」と言って戦闘には参加しない。

しかし、神来社がエンドを使ったときには割り込んでくる。
『時よ 虚実を壊し 再構築せよ インヴァリッド』
襲い来る黒い球体の集合体は、
探索者に直撃する寸前で空間ごとガラスのように砕け散り消え去ってしまう。
魔術を無効化する魔術を飛ばし、エンドを掻き消してくれる。

神来社は恨めしそうに「生徒の晴れ舞台に水を差さないであげてくださいよ」というが
「生徒を守るのも教師としての本分なんですわ、センセ」と一尺八寸は応えるだろう

戦闘に勝利すると、神来社は一瞬視線を彷徨わせぼうっとした後に

「……お呼びだ」

と言ってこの場から走っていってしまう。

Chapter.4 Reincarnation
- - - - X 


後を追っていくとそこは植物園だった。神来社は中に入り、蕾の袂にたどり着く。
そこへ跪き、肩で息をして頬を上気させながら蕾に向かって話し始める。

「ああ、愛しきわが神よ。私の計画は失敗に終わってしまいましたが、新たなる贄をお持ちしました」

「どうかお許しを!どうか慈悲を!安寧を授けたもう!」

神来社は気でも狂ったかのように蕾に抱きつき頬ずりをしている。

その姿を奇妙に思っていると、蕾の陰から意外な人物が姿を現した

「こんばんは、みんな。ここまで来ちゃったか」

それは、ノーム寮所属の天土和樹の姿だった。

「みんな、今この世界がおかしくなりつつあるのは知っているよね」

「僕もこの妙な事態を何とかできないかと思ってさ色々探してみたんだ」

「結果、ダメだった。このままだと世界の崩壊は免れない。あのひずみにいずれ侵蝕されてしまう」

「でも、とある魔導書に時を巻き戻す魔術を見つけたんだ!」

「根本的な解決にはならないけど、少なくとも問題を先延ばしにはできる」

「発動の為には膨大なマナが必要なんだ。この大きな蕾はマナをたくさん蓄えている」

「これと、君たちの協力があれば時を巻き戻せるかもしれないんだ!」

「手伝って、くれないか?」

そう言って、天土は手を差し出した。

 

真実と嘘を織り交ぜた天土の主張。このままだと崩壊が近いのは事実であり、巻き戻るといえばそう言えなくもない。しかし実際は精神を改ざんしているだけに過ぎず、時間など越えてはいない。
ここまでひずみの光景や蘇った記憶などから違和感を覚えるのは自然なことだろう。

ここでHO4シルフのトリガーが引かれる
HO4がこの情報を秘匿するか否かでエンド分岐が左右されるのかもしれない。

 

END.A【Paradise Lost】
- - - - X 

貴方たちは天土の手を取らなかった。

「……どうして。僕はまだ君たちと楽しい学園生活を送りたいのに!」

「嫌だよ、ひずみの外は”終わり”なんだ!光なんてどこにもないんだ!」

「だから頑張ってきたのに……いや、もういい。仕方ない」

「無理やりにでもリセットを敢行する。さぁ、起きて、『ヴルトゥーム』」

眼に涙を湛えた天土は、蕾に触れた。

すると蕾はゆっくりと動き出す。花弁が開き、蕾は花となる。

伸びる、伸びる。開く、開く。垂れる、垂れる。溢れる、溢れる。

それは花というにはあまりに悍ましく美しかった。赤黒い花の中央部には均整のとれた体つきの小妖精の姿をしたものが生えている。

グレート・オールド・ワン
眠れるもの ヴルトゥームを目撃した探索者は1/1d10の正気度喪失

 

 最終戦闘 ヴルトゥーム 

DEX1 触手65% 3d6ダメージ
____________________________________

~戦闘の流れ~

ヴルトゥームにこの世界の魔術は通用しない為、ゼウが気を利かせて端に置いてくれていた灯油缶とマッチを発見し、ヴルトゥームを燃やすことがクリア条件となる。

探索者は<目星・アイデア等>で灯油を発見し取りに向かい(1ラウンド)
<STR×5等>で分担して持ってヴルトゥームの元まで戻り(1ラウンド)
<DEX×5等>で灯油をかけて着火(1ラウンド)

以上に成功する必要がある。

ヴルトゥームは当然毎ラウンドランダムで触手攻撃を行う。
これは現実世界からの攻撃に当たる為、
今までの装甲やHP上限バフなどはすべて無視して直接ダメージを与える。
(回避は可能)

 

瞬く間に火の手は花全体に燃え移り、耳を劈く奇怪な叫び声をあげてのたうち回る。

「ああ!何て酷いことを!ヴルトゥーム!やめてよ皆、なんでそんなことをするんだ!」

「きっと、きっと後悔するよ!ハハハ、この場所がどれだけ素敵だったか!」

「はは……あぁ、こんなことなら」

「死んでいればよかった」

ごうごうと燃え盛る花だったものを見ながら、天土は近くにあった鎌で自らの喉笛を切っ裂いた。

 

天土の正気は幻覚で保っていたに過ぎない。それはもはや永続的な発狂といっても過言ではない。
よって彼は彼を支える世界が崩壊したことにより心も崩れ、正気度0に戻ってしまうのだ。
ここで天土の自決を止めるPCがいるかもしれない。その場合は<DEX×1>など厳しく判定しよう。
助けられたところで、先にはなにもないのだから。

 

 

やがてゆらめく炎の奥にある景色が揺らぎ、変わって、いや”戻って”いく。

それはあのひずみの中に見たものと同じ光景。もう、終わった世界。

貴方たちの姿は、あのアウラ魔術専門高等学校の白い制服ではなくなっていた。所謂どこにでもある高校の制服になっていた。

もちろん、植物を成長させたりとか、水を浄化したりとか、手から火花を散らしたりとか、風を吹かせてみたりとか、そんなことは一切できない。これが現実です。

目の前に広がるのは焦土と、人の亡骸と、跋扈する奇妙な怪物たちだけ。

見事、現実世界に帰還を果たした貴方たち。

願った世界を手に入れた彼らは、この後一体どうするんだろう。

少なくとも命は潰えていない、ここで生き延びる術を磨くのもいいだろう。

希望ってやつはあきらめない限り、そこに在り続けるのかもしれない。

「この状況でもそんなことを言い続けられる人間がいるなら」

「僕は見てみたいね」

クトゥルフ神話TRPG リーンカーネイションの蕾

”全員生還”

○生還報酬
3d10の正気度喪失。
クトゥルフ神話技能 +10%

 

END.B【Re:incarnation】
- - - - X 

貴方たちは天土の手を取った。

事の全容はわからない。分からないが、あのひずみや記憶のようなことが本当に起きるのだとしたらそれはこの上なく恐ろしいことに違いない。

あんな事が起きてしまわないように、一度戻って改めて対策を立てなければならない。

きっと大丈夫さ、だって貴方たちは”魔導士候補生”なのだから。

目の前の蕾が動き、ゆっくりと花開いていく。

それと同時に、とてもいい香りが貴方たちの鼻腔を擽った。

気持ちの良い眠りに誘われるように、安らかに、意識を手放した。

「何回でも僕が守るからね、ずっと一緒だよ」

クトゥルフ神話TRPG リーンカーネイションの蕾

”全員生還?”

○生還報酬
技能・ステータス・正気度を全て開始時に戻す。

 

 

 

この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・名称等は架空であり

実在のものとは一切関係ありません。
 

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ゼウ住まう植物宴