家宅捜索
かたくそうさく
人の住居に立ち入って、押収すべき物、または逮捕・勾引(こういん)もしくは勾留すべき人を、捜索することをいう。検察官、検察事務官または司法警察職員は、犯罪の捜査のために必要があるときは、裁判官の発する令状により家宅捜索をすることができる(刑事訴訟法218条)。ただし、逮捕に伴って捜索する場合には、令状を必要としない(同法220条)。被疑者以外の者の住居について捜索する場合には、押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限って捜索することができる(同法102条2項、222条1項)。裁判所も、被告人の住居については必要がある場合に、被告人以外の者の住居については押収すべき物の存在を認めるに足りる状況のある場合に限り、令状により捜索することができる(同法102条、106条、なお126条参照)。
[内田一郎・田口守一]
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家宅捜索【かたくそうさく】
住居について行われる捜索。住居主,看守者またはこれに代わる者の立会いが必要であり,日出前・日没後には令状にその旨の記載がなければ原則として行えない(刑事訴訟法114,116,117条)。
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かたく‐そうさく ‥サウサク【家宅捜索】
〘名〙 裁判所、または裁判所から令状を得た捜査機関が家宅に入って
犯人の身柄を拘束したり、
証拠物件を押収したりする強制処分。〔仏和法律字彙(1886)〕
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世界大百科事典内の家宅捜索の言及
【捜索】より
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[刑事訴訟法上の捜索]
刑事手続における強制処分の一種で,官憲が一定の場所(住居,人の身体など)で物または人を捜すことをいう。住居における捜索は,俗に家宅捜索ともいう。憲法によって,何人も,逮捕の場合を除いては,司法官憲(裁判官)が正当な理由に基づいて,捜索の場所と押収すべき物を明示して発付する個別的な令状によらなければ,住居,所持品等の捜索を受けない権利を保障されている(日本国憲法35条)。…
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