武士が習うべき武芸の種類の数を表したもの
と言われている武芸十八般です。
でも単なる科目数のような意味合いの事を指しているのでしょうか?
まず18と言う数値。
これは算数的な意味合いよりも
八百万の神々のような使い方と同じです。
つまり18と言う数字は
「複数の、多くの、1つではない。」
と言った意味になります。
そして複数の武芸を習え、と言うのは
非常に重要な精神修行の方法でもあります。
どういう事???
そもそも江戸時代に、「専門道場」と言うものはかなり少なかったと思われます。
つまり、剣術onlyとか居合専門と言った
1芸に特化した道場です。
全てと言っても良いくらいに、いわゆる現代で言う「総合武術」でした。
では、なぜ複数(他の道場も)を学べ!
としたのでしょうか?
1つで事足りるのではないか?
重要なことは、
色々な師範・道場主と対話をし、
考え方や生き方などを学べ。
と言う事です。
1つの道場・流派に固着をすると必ずと言っても良いほどに
「我」が肥大化していきます
我が肥大化すれ、術や技はうまくはなるでしょうが、
精神の剣(無想剣など)からは、遠くなっていきます。
そこで、複数の考え方を学ぶことで我の肥大化が最小限に抑えられて、
武士として真っすぐな生き方が出来た(できる)と考えられます。
武芸十八般。
これは精神を説いた言葉であると
考えられます。