私は頑固です。
硬度で言えばダイヤモンドとさして変わらぬ固さを持っています。
そのため、自分が納得をしていない伝書を押し付けられ、
眼を通したとしても、それ以上にすることはありません。
夕雲流について
具体的に どこをどのように気に入ったのか?
全部を書くと、夕雲流剣術書の解説本になってしまうので
1部を。
まず、先師夕雲には弟子が2400-2500人いた。
と言う部分です。
普通の伝書であれば、この先に書かれる内容は
「2500人も弟子がいた夕雲先生の後を継いだ、俺(小手切一雲)は偉い。」
となります。
もしも、このような内容であれば紙と墨の無駄遣いです。
しかし、夕雲流剣術書では、
2500人もいたのに、流儀の本質を理解したのはたったの3-4人だけ。
と書いています。
これは、読まれ方によっては
自分たちの流儀の信用性を下げてしまう危険性があります。
入門をしても、上達する可能性が低いわけです。
そんな流派よりも、金を積んで免状が買える流派の方が
よっぽど好まれます。
嘘でも良いから
「アンタは偉い、アンタはサイコー」
言ってもらう方が好まれます。
それでも「正直ベース」で書いています。
身を捨てるという意味。
身を捨てでも真実を追求する事は、
本来剣の求める理です。
また武芸者の多くは
「自分はとても高い場所にいて、相手は低い位置にいる。」
=俺は偉い。
このように、道の妨げになる話も明記されています。
「自己を向上に想ひ誤り、人を目八分に見落して」
そして仏教などに使われる最もらしい言葉を用いて
高尚な人物を演じてしまいます。
これを一雲先生は、
「お利口さん」
とまとめております。