無人島 ~俺の10枚~ 【DATS:大井一彌 編】

2017年07月14日 (金) 18:00

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今年(2017年)のフジロックにて、間違いなく話題となるバンドの一つが、初日の RED MARQUEE 1番手として登場する DATS だろう。今年3月にリリースし大きな注目を集めた限定シングル『Mobile』では、マスタリング・エンジニアを務めた砂原良徳をはじめ、高橋幸宏、LEO今井という METAFIVE の面々が揃って絶賛するほどの才能だ。同曲を含むアルバム『Application』は先月6月に発売されたばかり。彼らが提示する独自のエレクトリック・サウンドはマーキーのフロアを揺らしてくれるだろう。さらに、メンバーの杉本亘、大井一彌は、yahyel のメンバーとしても活動しており、同日の深夜帯、同じ RED MARQUEE -PLANET GROOVE- に出演。GAN-BAN SQUARE にて行われる、GAN-BAN NIGHT には Monjoe & Miru from yahyel Feat. 荘子it としてクレジットされている。ワクワクするではないか。

そんな次世代シーンを作り上げていくだろう担い手 DATS のメンバーがローチケHMVニュースの「無人島 ~俺の10枚~」に登場してくれた。連載形式で毎週1名のメンバーが10枚の作品を紹介してくれる。さて、彼らが選ぶ作品とは?

無人島 ~俺の10枚~ 【DATS:大井一彌 編】
音楽好きには、超定番の企画“無人島 ~俺の10枚~”。なんとも潔いタイトルで、内容もそのまんま、無人島に持って行きたいCDを10枚チョイスしてもらい、それぞれの作品に込められた思い入れを思いっきり語ってもらう。ミュージシャンとしてルーツとなるもの、人生を変えた一枚、甘い記憶がよみがえる一枚、チョイスの理由にはそれぞれのアーティストごとに千差万別。今回のお客様は、DATS 大井一彌(ドラム)が登場。

Mark Pritchard 『under the sun』
無人島にひとり置き去りにされても、音楽を聴ける環境はあるという、狂気的な状況に相応しいアンビエント。助けが来ない状況に絶望し切って、さああとは独り死んでゆくのみだと腹が決まったら、Mark Pritchard のアルバムをプレイヤーにセットする。そして、じんわりと狂気に染まっていきながら、これは果たして現実なのだろうか とか、神とはなんぞやみたいなことをぼんやり考えながら朽ちていく。

って感じの、一番相応しいネガティブのお供がこれ。


Various Artists 『soundtrack of 'Soul Kitchen'』
無人島にいるからといって悲観しちゃいけない。極限状況での生活は、極限のポジティブネスが不可欠。そこで、僕を前向きにアゲてくれるファンキーなアーティストが沢山居るコンピレーションがこちら。クールアンドザギャング、クインシージョーンズにブーガルージョージョーンズ、サッチモまで。この趣味の良いファンクコンピ、何事かと思えばこれはなんと、映画「soul kitchen」のサントラなのである。これほどのビッグネームを羅列して一枚に収められる一貫性とはズバリ、食うことへの情熱 だ。ちなみに映画もめっちゃ良い。サバイバルとはすなわち食料調達。無人島に居る僕も、1950年代の黒人達も、食ってくのに必死なはずである。

それに一番相応しいポジティブのお供がこれ。


Led Zeppelin 『Led Zeppelin III (12" LP)』
無人島生活は暇なはずである。仕事は食って寝るだけなのだから。
そこで最高の音楽 兼 最高の暇つぶしがこちら。
ツェッペリンのサードは、レコードのジャケットに面白い仕掛けがある。二重構造になっていて、外側に空いた窓から内側の絵がチラチラ見えるのである。しかも、内側の絵は回転する。なんのこっちゃと思ったら、レコ屋に行って手に取るべき。
今の時代は、スマホなどの液晶画面に小さく表示されてもアイキャッチするような、ミニマルなアートワークデザインが流行りかもしれないけど、31.5cm四方の厚紙に描かれたジャケ画の印象って、すごいものだ。データがあれば事足りる時代だからこそ、モノを大事にしたい。

無人島においての自分を、1曲目の「immigrant song」のヴァイキング移民に重ねつつ、レコードジャケットをいじくりながら日がな一日過ごすのである。


山下達郎 『JOY』
1980年代、バブル、ヤシの木、ミラーボール、ゲートリヴァーブ、、
ちょっと前に流行った シティポップ という呼称のキーワードをあげつらうと、無人島が一気にワクワクする場所になってくる。スタイリッシュな煌めく都市感と、享楽的なハジけるビーチ感の両立が出来ている最高の音楽に、流行りも廃りも無いのである。
だけど、
ビーチボーイズがサーフィン出来ないのと同じように、島でバカンス♪ なんてイメージは、大概それを経験してない奴が作ったものであると、湘南江の島出身の僕は思うのだが。
憧れを込めたあの感じはやっぱり楽しい。

「ロング・ラブレター~漂流教室~」の主題歌、ヤマタツの「LOVELAND,ISLAND」は耳に残ってる


Nickel Back 『Dark Horse』
無人島には危険がいっぱいで、それに勇気を持って対処しないと生き残れない。
そんなエクストリームな時のお供がこちら。
高校生の時にニッケルバックを知ってから、誰しも時々直面する、気合いを入れなきゃならない時によく聴いている。北米やカナダのハードロックバンドのマッチョなノリに感化されて、俺もパンプアップしようかとか、プロテイン飲もうかとか度々思うけど、まあ日本人には無理である。

人種には人種の特徴があって、それは間違い無く魅力であり、それを自覚するべきだと思う。ナショナリストになるべきだって事では決して無い。ただみんなもっと自分の強みを把握した方が、楽しいよ。
なので僕は筋トレしない


はっぴいえんど 『はっぴいえんど』
無人島がどこの国の領海内にあるかによるけど、日本人はいるんだろうか、日本語は喋れるんだろうか。 無人島の猛獣や原住民族の相手ばかりしていると、多分やはり母国が、母国語が恋しくなるのだろうと思う。
そこで随一の日本語歌詞を紡ぐバンドの音源は是非持って行きたい。
この人達の音楽との付き合い方、音楽の弄り方は、一生、ぼくのミュージシャンとしての生き方の手本になると思う。


John Cage 『4'33』
いよいよ音楽など聴かないでいいんじゃないかな、無人島の川のせせらぎやら、木々のざわめきだったりが、じゅうぶん音楽的だから、眼を閉じて耳を澄ますだけで、普段都市生活を営む人間にはびっくりするくらいの自然の音楽が溢れているはずである。

ジョンケージの「4'33」のコンサートは本当に面白い。4'33にわたって、聴衆は何かを聴く姿勢と意識を保ったまま、オーケストラは何もしない。そのうちに、隣の人の息遣いとか、咳払いとか、聴こえてくるのだろう。4'33は、それを聴く場所によって内容を変える。ならば、無人島なんて面白い場所に行くなら、そこで聴かないテは無い!


George Winston 『Summer』
グランドピアノの独奏って、ジャンルとしてクラシックにもジャズにも定まらない、その根源にある感じが良くて。ずっと好きで聴いているジョージウィンストンの、四季をテーマに作った作品群の、夏を選んでみる。
旋律と和音の広がり感、哀愁、これが音楽に心を揺らされる感覚かなと思う。
気持ちを変えたい時、すこし落ち着いて深く考えたいときに、ジョージウィンストンを聴くのでした


Wes Montgomery 『A Day In The Life』
僕が最も好きなジャズギタリストがウェスモンゴメリ。自分がもしギターを弾けたなら、ウェスみたいになりたい。そして The New Mastersounds みたいなバンドを組みたい。
無人島でも、粋な爽やかさを感じたい。


TOTO 『Mindfields』
ドラムを始めた時に特にずっと聴いて練習してたのがTOTO
おかげで80年代の商業ロック大好きの、スタジオミュージシャン気質なドラマーになってしまった。



各メンバーが選んだ10枚はこちら

無人島 ~俺の10枚~ 【DATS 連載編】

今年(2017年)のフジロックにて、間違いなく話題となるバンドの一つが、初日の RED MARQUEE 1番手として登場する DATS だろう。彼らが提示する独自のエレクトリック・サウンドはマーキーのフロアを揺らしてくれるはずだ。

HMV&BOOKS online-邦楽・K-POP|2017年07月14日 (金) 18:00

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HMV&BOOKS online-邦楽・K-POP|2017年06月30日 (金) 19:25

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アルバム詳細


DATS
アルバム『Application』
2017年6月7日(水)発売

ご購入はこちら

Application

CD

Application

DATS

価格(税込) : ¥2,530

会員価格(税込) : ¥2,328

まとめ買い価格(税込) : ¥2,075

発売日: 2017年06月07日



ライブ情報


7月24日(月) LIQUIDROOM 13th ANNIVERSARY(The fin. / DYGL / DATS)
7月28日(金) FUJI ROCK FESTIVAL'17(新潟県・苗場スキー場)
8月06日(日) DATS × 向井太一 at Billboard Live, Tokyo
8月11日(金) DATS × 向井太一 at Billboard Live,Osaka
8月12日(金) 寝待月のショー(滋賀県・大津市桐生キャンプ場)
8月25日(金) SWEET LOVE SOWER(山梨県・山中湖交流プラザ きらら)
8月26日(土) RUSH BALL(大阪府・泉大津フェニックス)
8月27日(日) shima fes SETOUCHI 2017(香川県・小豆島 ふるさと村)
9月09日(土) BAYCAMP(神奈川県・川崎市東扇島東公園・特設会場)



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