刀は長ければ長いほど、素晴らしい!
と言う考え方。
これは個人の主観であり万人に
共通する価値観ではありません。
悪い鉄を使った、タダ長いだけの刀よりも
良い鉄を使った、普通の長さの刀の方が
優れています。
何時の頃からか、
「数値の大小。大きい方が正しい。」
と言う世の中になってきています。
学歴社会。
高卒よりも大卒の方が偉い。
じゃあ、学問の神様
「管原道真 公」
の最終学歴は、何大学なのでしょうか?
大きいことが正義。
土木用のスコップが
“耳かき”の代わりになるでしょうか?
その影響は武道の世界にも浸潤し
段位の数値、武道歴の長さで物事の正誤を図る
「秤、物差し」
になっているように感じます。
火を水に使い、水を火に使う。
段位とか免状は、正しさの証明ではありません。
江戸幕府が出来き、事実上の戦が無くなり
武功を上げる機会が無くなりました。
しかし、武士は「武のための役人」なので
何かで武の証明をしなければなりません。
その証明書としての免許。
採用や出世に必要な証明書であり、
その免許を持っているから
「偉い」とか「正しい」
と言うわけではありません。
高校や大学の卒業証書と同じです。
その過程を修めたという証明であり、
その証書を以って「偉い」わけではありません。
時間の経過も同じです。
オートバイの販売会社で営業マンとして
30年務めている人は、
「オートバイを売る」
と言う事については正しい判断が出来ます。
しかし、
オートバイの修理や整備と言った事は
メカニック歴 3年の人の方が
信用できます。
何か1つの理由を以って
全ての正しさを語る。
これが棚上げであり、夕雲流で言う
人面獣心に他なりません。