無念無想の境地。

多くの武術者が求める武術の理です。

    

この境地を知りたい!

と言う人を何人も知ってはいるのですが、

「本気ではなかった・・・」

と言うパターンを多く見ます。

 

どういう事?

「無念無想の剣を求めている、格好の良い俺。」

ストレートに書くと、

無念無想の本質を得る事が目的ではなく、

「誰かに、すごい!と言ってもらう事が目的。」

つまり、消防署の方から来た人です。

   

 

 

段位自慢。

自慢を超えて、他人を見下す行為も

「俺・私をスゴイ人だと認めてもらいたい」

と言う感情に過ぎません。

 

少し前に書いた仏祖の話。

仏祖も一時は悟りを得る事ではなく

「苦行に耐える事」

が目的となっておりました。

 

仏祖ほどの人物でも誤りはあります。

当然普通の人では、目的を見失う事も

多くあります。

 

一度、自分の目的を見つめ直すことが

大切です。

 

ただし、何でもかんでも

「無念無想」

ではありません。

健康目的として、単なる趣味として。

当然、とにかく長く稽古を続ける事でも、

段位の数値を上げていくことでも

目標としては正しく、間違いではありません。

 

しかし趣味が目的なのに

「俺は無念無想を求めているんだ」

と言うのは・・・・・・・まぁ許せます。

 

ダメな事は

「自分は無念無想を求めているふりをして、

無念無想になっていない人を下に見る。

時に、それが段位や経験年数で正義を語る。」

 

己を見つめよ。

自身の目的が虚言となっていないかを

時々見返すと、真実にたどり着きます。