さて、そんな“ロボット”ドラえもんの体の中にはなんと「原子炉」が組み込まれています。何を食べても分解液で細かくされ、この原子炉で原子力エネルギーに変換されるのです(そのため、トイレにいくこともありません)。
ちなみにどら焼きが大好物なのは、映画では、ドラえもんの初恋相手、ネコ型ロボット・ノラミャー子からプレゼントされた「初恋の味」だから、なのですが、方倉設定によるとドラ焼きの成分がドラえもんのエネルギー源に最適だから、と記されています……原子力なのに?? この原子力設定、今の世にF先生がいれば、現在の原発問題を受けてどう解釈し直すかって読んでみたいなぁ。
今回紹介したこの『ドラえもん百科』、1巻が昭和54年、2巻が昭和55年刊行だけあって全体的にとてもおおらか。ゲッターロボやC-3PO&R2-D2など他作品の有名ロボットとの身長比較やパワー比べ、知性比べがあったりと、いまならとても世に出せるものではありません。古本屋で見つけた際にはぜひ購入をオススメします。
ドラえもんの設定には今回紹介した他にも、アニメだけで描かれた設定や、コミックスの中で描かれて忘れられた設定、シッポスイッチのように“なかった”ことになっている設定も数多くあります。それらを語らい、議論するのもまた「ドラえもん」の楽しみのひとつです。数々の設定が正しいのかどうかはあと100年生き延びて、ドラえもんの誕生を待って確かめるほかありません。