しかし、よく考えればその知り合いは、誰もが認められている当然の権利を行使しただけである。そして私が働けているのは、“たまたま”私が多少の無理が利く状態だったということにすぎないのだ。
楽しているように“見える”人をおとしめることで自分は頑張っていると信じたい、確認したかったのかもしれない。
繰り返される「不正受給」バッシングの不正確さ
生活保護の話題が出ると、脊髄反射のように、「不正受給に厳罰を!」」「酒とギャンブルに使うんだろう」というおびただしい生活保護たたきのコメントが書き込まれる。
しかし、実際不正受給率は 金額ベースで0.4%(意図的なものはさらに少ないとされる)というデータもあり、99%以上は不正受給ではないようだ。(参照)
もはやお決まりとなった生活保護費が酒とギャンブルに使われるという「都市伝説」は、例えるなら3万人の従業員を抱える会社が、たった1人の従業員の行いで印象を決められてしまう現象と似ている。全国の生活保護受給者と接したわけでもないのに、生活保護と酒とギャンブルを結びつけるのはあまりに乱暴だ。
日本の生活保護の捕捉率(実際受ける資格がある人の中で実際に受けている人の割合)はわずか2割で、先進諸国のなかでも極めて低い割合だ。ただでさえ扶養照会や窓口での追い返しなど申請へのハードルが高い中、世間の偏見は生活保護へつながる足かせになっていることも、最後に申し添えたい。
34段落目:99.9%以上は不正受給ではないようだ。
→99%以上は不正受給ではないようだ。
(2021年8月27日15:30 ダイヤモンド編集部)