(4)ロス留学後、かつての勢いを取り戻せず78年にグループは解散
当時の音楽界は、60年代後半から歌謡界を席巻した「ブルー・コメッツ」らグループサウンズは衰退。代わって吉田拓郎を筆頭とするフォークソングが台頭していた。歌って踊れる先駆者であり、僕らとかぶる存在だった「フォーリーブス」の人気は衰えなかった。ジャニーズは郷ひろみらを送り出し正統派アイドルブームが始まっていた。またフィンガー5と同じく“阿久悠&都倉俊一”の黄金コンビの楽曲で「ピンク・レディー」が世を席巻していた。
■きょうだいはそれぞれの道へ
制作サイドとの話し合いの窓口になっていた長男はマネジメントに専念するために脱退。ロスに行く前から加入していた親戚の子やいとこが入り新生フィンガー5を結成したが、僕らのやりたい「大人の音楽」と周囲が求める「子供向けの音楽」には乖離があった。ファンとの距離も埋められず、かつての勢いは取り戻せなかった。