「こども家庭庁」の名前に感じた傲慢さと苦しさ 個人が消えた瞬間
聞き手・田中聡子 聞き手・富田洸平
2023年度の新設を目指す「こども家庭庁」。予定していた名称「こども庁」に急転直下、「家庭」の2文字が加わった。そこに見える、子どもと家庭へのまなざしとは。
作家・山崎ナオコーラさん 生まれた瞬間から人は個として存在している
「こども家庭庁」と聞いた時、「どうして人を個として見られないの」とうんざりした気持ちになりました。
「こども庁」という言葉で思い浮かべるのは、いろんな子どもたちの姿です。それなのに「家庭」という2文字が入ったとたん、子どもも、親も、個人としての存在が消えてしまったように思いました。
子育ての中でこれまで何度も、自分が「束ねられようとしている」と感じることがありました。
記事後半で山崎ナオコーラさんは、「母親が連帯しなければならないようなプレッシャー」について語ります。社会学者の本多真隆さんは「家庭」という言葉や概念の歴史を解説し、友野清文さんは「何が悪いの?」と感じる人も多い現状について読み解きます。
ちょっとした悩みにも「他の…