スキル、女性登用…「人的資本」の情報開示へ 政府指針
政府は今夏にも企業に対し、従業員の育成状況や多様性の確保といった人材への投資にかかわる19項目の経営情報を開示するよう求める。企業が従業員について価値を生み出す「人的資本」と捉えて適切に投資しているかを投資家が判断できるようにする。うち一部は2023年度にも有価証券報告書に記載することを義務付ける。開示を通じて人材への投資を促すことで無形資産を積み上げ、日本企業の成長力を高める。
従業員を投資の...
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(更新)- 柳川範之東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授ひとこと解説
単なる開示情報の変更に留まらず、日本経済の大きな動きにしていくために、大事なことは少なくとも二つあると思います。 一つは、企業内での人材評価・人材育成の仕組みづくりを開示とリンクさせて、しっかり進めていくこと。そのためには、開示部門と人事部門との更なる連携が必要となりそうです。 もう一つは、開示された情報を分析・評価する第三者を増やしていくことです。開示された情報が、横比較されたり、まとめられたりして、分析・評価が積極的になされるようになると、しっかりとした開示をしよう、人を育てようとする動機が企業側に生じるようになります。
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(更新) - 篠田真貴子エール株式会社 取締役ひとこと解説
「ESG」を意識した経営の取り組みでは、「E」(環境)や「G」(ガバナンス)にくらべると「S」(社会)は相対的に散発的だった印象がある。「S」すなわち社会課題に対して企業に期待されているのは、経営戦略と人事組織戦略を整合させ、自社の「働きやすさと働きがい」を高めることだ。人的資本に関する開示を促す動きはこれを後押しすることになる。ESGの3領域の中で企業価値に最も影響が大きいのは「S」への取り組みだという分析もある(こちらのレポートのp.17 https://www.nam.co.jp/company/responsibleinvestor/pdf/shreport2008.pdf )。開示項目を継続的に改善していくにはどのような工夫が有効か、昨日経産省が公表した「人材版伊藤レポート2.0」が詳しい(私も検討委員を務めた)。
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(更新) - 白井さゆり慶應義塾大学総合政策学部 教授ひとこと解説
ESG経営のSの部分の開示をより包括的に扱い有価証券報告書への掲載を義務づけることで、一段と企業経営者にこの問題の重要性を意識し経営改善にいかしてほしいというのが今回の対策のねらいだと思う。コーポレートガバナンスコードでも多様性や人材投資の観点は含まれているが、より企業のアクションを促すことにつながる可能性がある。また、現在、人的資本だけでなく自然資本についても重要な議論が世界で起きており企業の行動変容を求める動きは強まっていく。企業は従来の短期的なリターンと資本コストの発想に加え、人材や環境などの観点から大きくビジネスモデル見直しが迫られており単なる制度面の変更に終わらせてはならない。
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