邦星堂和楽器店ブログ

尺八って現在すさまじい人口減に見舞われていますね。３０年くらい前から始まった人口減少は、ここ５年高齢者が多くなったので、減少カーブが急激になっています。ちなみに私の若い頃は、タテのカーブはドロップと呼んでいました。今の状況はシンカーかフォークか知りませんがね、せめて地面につく前に捕球したいものですわ。

製管師達は前は「景気が回復しさえすれば」と言っていましたが、そんな所に注文減少の本質が無い事は、私がもう２５年前から言っている通りです。
ことの本質は家元制の崩壊です。　「オレは日本尺八連盟だが、連盟には家元なんていないぞ」と言うオカタ、まさか、そんな人が本当にいるとは思いませんが、念の為。家元制は別に家元が必ずしも必要ではありませんが・・・。
教授産業としての本質的在り方を言うてまんねん。

日本は、このところ人口減です。人口が少なくなって困る事がいろいろ言われています。では少なくなって助かること。交通、住宅なんか。また労働市場も人手不足と条件アップでの競争力減退は有るものの、とりあえずは雇用条件は良くなりますわな、後でどうなるかは別として。
結局、良くなるのか悪くなるのか、双方の主張を聞いても良く分かりません。
「外国人を入れたら良いじゃないか」、と言う意見と「そんなことはダメだ」と言う意見、いずれにしろ、もう間もなく分かります。その結果がどうであれ「ホレ見た事か、言わないこっちゃない」と一方の人からは言われます。どう考えたってプラスとマイナスと有りますよ。

でも尺八の人口減で良くなることなんて無いですよ。「それはあんた達業者の言い分、おれ達は自分で吹いて楽しんでいるだけだから、尺八界が大きかろうと小さかろうと関係無い」こういう意見を述べる人もいました。モットモだ、と共感してるんじゃないでしょうね、困りますよ。
これは順番の問題だけで、いずれ皆が困るんですよ。もし尺八界が今の半分、そう１５０００人程度になったとしましょう。
プロも半分？とんでも無い、三割減くらいでしょう。製管も演奏家も副業を持つか、尺八そのものが副業になります。そして専業だけでやれる人、つまり一流の人も仕事の総量自体は減少しますから、その分、価格アップします。
演奏会も質量ともに貧弱にならざるを得ませんが、それよりバリエーションが少なくなると思います。一時は譜面や音源の入手が困難になることが心配されましたが、それはある程度はコンピューターが補いますが、その前に譜面、音源を含めた情報全般の発信自体が貧弱になります。
「そうなっても自分は一人で楽しむだけだから良い」とおっしゃるなら、それはそうなのでしょう。そうでない人もタクサンいるでしょうから,マア良いでしょう。

話は変わりますが、京都って何故あんなに人が行くんでしょうかね？美しいものがタクサン有るから。私も異論は有りません。
では何故に美しいか。人がタクサン来て金が有るからですよ。その金で美を維持できるからと違いますかね。「清貧」なんかで維持出来るもんですか。