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チーム開発を率いる際のモチベーション維持の重要性について

概要

チーム開発において、チームを構成する各メンバーのモチベーションを高く保つことはマネージャーとして重要な役割だと思います。

私は現在プライベートで10人前後のコンテンツ開発チームを代表の立場で束ねています。

具体的には同人サークルについての話なので Qiitaで主要な話題となる開発プロジェクトとは異なる話になる部分もありますが、マネージャーとチームメンバーという関係性についてはシステム開発と何ら変わるところはないと思っています。

モチベーションを保つことの重要性について

同人サークルでは製作物を販売した際の売上の分配を伴うため本質的に金銭的なやり取りを含みますが、制作段階においては各スタッフの完全な手弁当、ボランティアに頼っています。

直接的な報酬を伴わない作業するわけですから実質各スタッフ本人のモチベーションが全てであり、モチベーションが尽きた段階でそのスタッフは同人サークルから脱退したも同然の状態となり、製作中の企画は破綻してしまいます。

したがって同人サークルにおいては各スタッフのモチベーションを高く保つことが至上命題です。

こういうところは毎月給与として一定の報酬が約束されているビジネスとしてのチーム開発とはまた違った課題点かなと思います。

しかしながら、以下に述べる同人サークルのスタッフをまとめていく技法はみなさんのチーム開発の場でも応用できると思いますので、参考にしていただけると嬉しいです。

また同人サークルでは報酬を伴う外注作業も並行して進めていますが、報酬を支払う約束をしたところで外注さんの製作が完遂することは何ら約束されたものではなく、製作中はサークル内のスタッフと同水準で外注さんのモチベーションを高く保つ必要があると感じています。

基本方針

私はチームのマネージャーの立場として、この本に書かれていることの実践に努めています。

この本では非常に多岐にわたる視点からマネージャーがどうあるべきかについて論じられており、なかなか全てを満たしていくことは難しいですが、私なりに部分的に実践していることを以下にまとめていきます。

チームメンバーを尊敬する

私は全てのチームメンバーを『○○先生』と呼びます。
先生と呼んだからといって実体として何が変わるというわけではないですが、各メンバーを個として尊重していくという基本方針の実践としてサークル内ではそうしています。

スタッフに適切な役割を与える

スタッフを新たに迎え入れたとき、スタッフ本人との初回のミーティング(兼面談)で、スタッフのこれまでの製作物の履歴を一緒に確認し、その作品傾向の分析とともにスタッフ本人がやりたいことを注意深くヒアリングし、その上でスタッフにやってもらう作業内容や企画を提案することにしています。

繰り返しますが同人サークルにおいては本人のモチベーションが全てですので、最初の段階でどれだけ高いモチベーションを設定できるかは非常に重要です。そのために本人の好むところに一番近い作業内容を提案することを常に心がけています。

同人サークルが本格稼働するようになって半年ほど経過しましたが、今のところ誰一人明確な脱退者が出ることなく続けられています。

役割を与えた上で、最終責任は自分で引き受けることを明確化する

同人サークルではイラストや脚本などのコンテンツ素材をベースにデジタルコンテンツや本などを製作し、販売しています。

イラストレーターからイラスト、ライターから脚本を日々製作してもらっているわけですが、その内容や品質については個別に『最善の品質』となるように細かくレビューし、改善点が見つかればその場で指摘するやり方で進めています。

そのうえでコンテンツや本が完成し、販売にいたった段階では、その成果について各スタッフには一切責任をもたせません。全てマネージャーである私本人の責任としています。

これは各スタッフはそれぞれ割り当てられた製作物の品質と量についてのみ責任を持てば良く、製品としての最終責任まで問うても意味がないと考えるからです。

成果物を積極的に共有する(周囲の評価を与える)

私の同人サークルでは情報共有システムとしてはDiscordによるチャットや Google Driveなどのファイル共有などにとどまっており、イントラネットやチームメンバー用の情報共有サイトなどは特に設けていません。

したがって各メンバーの実績についてはマネージャーである私一人が把握した状態となるわけですが、この状態ではモチベーションを保つことができません。

そこで、スタッフが成果物を上げてくれた段階で、残り全員のスタッフに私本人が手作業でシェアして回っています。

サークル内では他のスタッフの製作物に対して感想を述べ合うことが習慣化しており、見たままの感想を私に返してくれます。

私は製作物を上げてくれたスタッフ本人に他のスタッフたちの感想をまとめて伝えています。

大抵の場合、スタッフは大変喜んでくれます。

最初に製作物を確認した段階で私個人としては批評し、同時に感謝もしているわけですが、私一人としての言葉だけでは威力不足です。他の企画をすすめていて半ば中立的な立場である他のスタッフからの感想(ほとんどが賞賛の言葉)が得られるというのはスタッフ本人のモチベーションの維持にとって非常に重要だと思います。

このサークル内の感想を集めて返す人力作業のことを、私は宇宙戦艦ヤマトにちなんで『反射衛星砲』と呼んでいます。要塞から発射された巨大ビームが反射衛星で跳ね返されることを繰り返されるうちに威力がどんどん増していくあの現象ですね。

成果物に対してレスポンスをすぐに返す

私の同人サークルのコンテンツは主にイラスト、脚本、演出等の組み上げ、パッケージデザインの主に4つの工程を経て製作されています。

この内、イラストと脚本の作業割合が非常に大きいです。

したがって、イラストに対しては脚本を。脚本に対してはイラストをなるべく早い段階で、できれば当日または数日以内に提供することを心がけています。

イラストを見ながら脚本を書けばその分だけ見たままの説得力が加わりますし、脚本を読みながらイラストを描けば、それだけ臨場感の伴ったイラストに仕上がるでしょう。

スタッフの成果物が放置されることだけは避けるようにしています。

成果物を外部公開する

同人に限らず、商業においても製作中のコンテンツについては広報の機会が訪れるまで秘密を保つことが多いのではないでしょうか。

私のサークルにおいてはそういった原則には従わず、一部を製作した段階でそのままSNS等に出すことにしています。

ただしこちらにおいては同人サークルのSNSアカウント自体がまだ本格稼働できていないため、まだ十分な実績とはいえません。

最後に

私がマネージャーの立場として気をつけていることをまとめてみました。

システム開発の現場とは多少違う側面もありますが、みなさんのチーム維持に役立てていただけると嬉しいです。

みなさんのチームで心がけていることを聞かせてください。

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kanryu
大阪でエンジニアをしてます。Android/iOSのネイティブアプリ開発中。執筆のお仕事募集中です。

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