彼岸花(読み)ひがんばな

精選版 日本国語大辞典「彼岸花」の解説

ひがん‐ばな【彼岸花】

〘名〙 ヒガンバナ科多年草。中国原産といわれ、古く日本に渡来し、本州以西の各地の土手、路傍、墓地などの人家の近くに生え、また、まれに栽培もされる。高さ三〇~五〇センチメートル。地中にラッキョウに似た鱗茎があり外皮は黒い。秋、葉に先だって花茎が伸び、頂に六個の花被片をもつ赤い花が数個輪生状に集まって咲く。花被片は長さ約四センチメートルの披針形で外側に巻き縁がちぢれている。花後、鱗茎から線形の厚い葉を叢生する。古くは救荒作物の一つとされていた。全草に有毒成分を含むが、煎汁を腫れもの・疥癬(かいせん)などに塗ると効果がある。漢名、石蒜。まんじゅしゃげ。しびとばな。てんがいばな。ゆうれいばな。すてごばな。はみずはなみず。《季・秋》 〔和漢三才図会(1712)〕

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デジタル大辞泉「彼岸花」の解説

ひがん‐ばな【彼岸花】

ヒガンバナ科の多年草。土手や田のに生える。秋の彼岸のころ、高さ約30センチの花茎を伸ばし、長い雄しべ・雌しべをもつ赤い6弁花を数個輪状につける。花の後、線形の葉が出て越冬する。有毒植物だが、鱗茎りんけいを外用薬とする。曼珠沙華まんじゅしゃげ死人花しびとばな。捨て子花。石蒜せきさん天蓋花てんがいばな。天涯花。幽霊花。かみそりばな。 秋》
[補説]ヒガンバナ科の単子葉植物は約1100種が主に熱帯亜熱帯に分布する。多年草で、鱗茎をもち、葉は根生し線形。花被は6枚あり、子房下位。ヒガンバナ・スイセンアマリリスなどが含まれる。

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動植物名よみかた辞典 普及版「彼岸花」の解説

彼岸花 (ヒガンバナ)

学名Lycoris radiata
植物。ヒガンバナ科の多年草,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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