cat_oa-shujoprime_issue_59c3f4645422 oa-shujoprime_0_59c3f4645422_《東京・港区議わいせつ事件》誰も逮捕に驚かない容疑者の素顔 59c3f4645422 59c3f4645422 《東京・港区議わいせつ事件》誰も逮捕に驚かない容疑者の素顔 oa-shujoprime

《東京・港区議わいせつ事件》誰も逮捕に驚かない容疑者の素顔

2020年8月19日 05:00 週刊女性PRIME

フェイスブックでは、2人の息子と寝そべる姿も公開している

「議員とは思えないほど気さくな人だったので、まさかこんな事件を起こすとは……」

 そう話すのは、東京都港区の区議会議員・赤坂大輔容疑者が訪れていた飲食店店主。

 容疑者は、8月6日の午後1時31分ごろ、神奈川県川崎市のカラオケ店裏の駐車場で4人連れの女子高生に、

「いいバイトしない?」

 などと本当に気さくに声をかけた。不審に感じた1人が最寄りの交番に行き、警察官が駆けつけると、赤坂容疑者は3人の前で下半身を露出している最中だった─。

4年前にも逮捕されていた


 当然ながら公然わいせつの疑いで現行犯逮捕されたが、

「右手で性器を隠して、左手でズボンを下ろしていたので、見せていません」

 などと容疑を“否認”していたという。

 当選4回で議員活動14年目の容疑者は、港区議会では「都民ファーストと日本維新の会」に所属。次の衆院選では日本維新の会の公認で、出馬する予定だった(8日付で同会から除名処分)。

 実は、赤坂容疑者は4年前に事件を起こして逮捕されている。酒を飲んでタクシーに乗ったところトラブルとなり、そのタクシー運転手を殴ったのだ。

 区議会関係者のAさんは、こう説明する。

「議員にあるまじき行為だとして当時、区議会の総意で辞職勧告決議。しかし、拘束力はないため、結局、本人は“示談が成立して、不起訴になったから”と辞めずに居座り、前回の選挙で当選を果たした。それで今回の事件だから、みんなあきれています」

 容疑者は、北海道の出身で、議員になる前は「歴史群像」編集部に在籍していたので歴史には詳しく、直江兼続の単行本も出している。

「議員としては昔タイプのゴリゴリの保守派。仕事以外では、草野球チームの投手として、港区で10年連続優勝している有名人。

 家族は、奥さんと男の子が2人いて、息子さんの野球の練習にも付き合ういいオヤジ。少年野球やテニスの指導も熱心で、いい評判も」(区議会関係者のBさん)

本人に取材依頼してみると


 一方で、芳しくない評判もある。区議会関係者のCさんは、こう証言する。

「女性議員で驚いている人はいないですよ。不倫なのか、酒宴での話なのか、女にモテるという話題を出すことは日常茶飯事。とにかく酒と女が大好きで、酒グセも女グセも悪かったようです。常々“オレは酒で成功するか、失敗するかのどちらかだ”と豪語していました」

 選挙区とは離れた川崎市で犯行に及んだ理由を区議会関係者のDさんが話す。

「川崎まで行ったのは、近所では人目もあるので、ネットの出会い系などで知り合って、わざわざ遠方まで出かけたのでは」

 今回の事件後、赤坂容疑者のフェイスブックには、

《私の不徳の致すところ》

 と区民に謝罪しているが、マスコミの報道には異議を唱えていたので、言い分を聞こうと取材を依頼すると─。

《今の時期は身の回りの人間だけに理解してもらえば良いかもと思い始めております。家族もおりますし静かにしておきたいと。ご理解下さい》

 みずから掲げている「迅速!実行!実効!」というスローガンどおりにはいかなかったようだ。

 港区民のために、公の場での謝罪や説明が必要だろう。

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25歳でリストラされても、億の資産を持つ“億女”の価値観

2022年5月7日 16:00 週刊女性PRIME

※画像はイメージです

 億の資産を自力で作り上げた女性たち。投資などお金の勉強を常にしていることに加え人との縁や時間の使い方を大切にしているのが共通点。「おカネに使われず、好かれなさい」―金運を上げ続ける生き方、暮らし方のコツを聞いた。

祖母の教えを大事にする億女・熊谷さん


 現在、お金と資産の研究家として活躍する熊谷和海さん。20代のころ、お金に苦労しながらも約5億円の資産を築いた。子ども時代に、お金の大切さを教えてくれた京都のおばあちゃんの話を思い出し、お金を大事にする習慣や考え方を身につけたところ、どんどんお金がたまるようになり、仕事もうまくいくように。

 今回は熊谷さんが交流してきた億女のみなさんがなぜお金に好かれるのか、聞いた。

「日本ではお金は『悪いもの』『汚いもの』とする風潮があります。でも億女はお金をポジティブなものとして捉えています。お金は幸せになるための道具の1つですから。

 だから会うと投資の話や金運アップなどの話をよくしますよ。しかも気配りができる人ばかりなので、周囲にもお金にも愛され、好循環が生まれます」(熊谷さん、以下同)

 億女に共通するのは朝から活動したり、スケジュール管理が上手な点。また、意外に手頃な価格で、自分にとって使いやすい手帳を使っていた。

「私は4時30分に起きてSNSやメールをチェックし、散歩へ。その日の段取りを決めたら5時30分から仕事です。料理は作りおきしておくので、子どもにもしっかり朝食を食べさせるように。いつも心に余裕をもつようにしています」

 働いたあとは夕方銭湯に行ったり、趣味の料理をしたりと、自分の時間を持つことを意識していると話す。

 お金の使い方も徹底的に合理化。本当に欲しいものにはお金をかけるが、無駄遣いは100円でもしない。

「財布を普段と遊ぶときで分けていますが、普段の財布に入っているカードの利用限度額は3万円にして無駄買い防止。子どもには格安スマホ。通信費も削っています」

 その代わり価値の上がりそうなものや、本などの学びへのお金は惜しまない。億女たちは勉強熱心なので情報の取捨選択がうまく、いいタイミングでいい情報をキャッチできるのだ。

 実はテンプル大学の心理学の研究でも、高収入な人ほど長期的な視野を持ち、目先の誘惑にとらわれないことがわかっている。

「みなさんよく働きますが、神社などのパワースポットに行ったり遊ぶのも大好き。人生設計をきちんとして、日々楽しく過ごしています」

 好きなものに囲まれ、心身共に健康的で快適に生活することが、さらに資産を増やす原動力にもなっていた。

億女・熊谷さんのルール


◆楽しむときに使う財布と生活費の財布を分ける

 楽しむときに使う財布『ルイ・ヴィトン』で、右が食事などの生活費を入れておく財布『カルティエ』。

◆祖母から譲り受けた翡翠(ひすい)のかんざし

 将来、資産として残るからと祖母から譲り受けた翡翠(ひすい)のかんざし。翡翠は財運アップの石でもある。ほかに記念硬貨も大幅に価値が上がることがある。

「億女」たちの共通ルール

・お金や金運アップの話が好き

・朝、早くから活動する人が多い

・本をよく読み、情報収集がうまい

・無駄遣いは徹底的に避ける

PROFILE●熊谷和海さん●お金と資産の研究家・投資家。25歳のときリストラを経験、起業を決意。おばあちゃんの教えに従い資産家に。著書に『京都のおばあちゃんに学んだお金の神さんに好かれる5つの知恵』(サンマーク出版)。

(取材・文/松澤ゆかり)

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核戦争を煽るプーチン陣営の“女傑”の正体

2022年5月7日 12:00 週刊女性PRIME

ニュース討論番組に出演するマルガリータ・シモニャン氏(RUTUBEより引用)

 開戦より2か月が経過したロシアのウクライナ侵攻。

 当初、圧倒的優勢と見られていたロシアが大苦戦しているが、ウクライナ東部に再攻勢を仕掛け、戦況は泥沼化の様相を呈している。

 正確な数は不明なものの、ロシア側の戦死者は1万5千人にものぼるという見方があり、さらにイギリス政府は“ロシア軍は投入した陸上戦力の4分の1以上を損失した”と発表している。

「また、ロシア軍の将軍クラスの指揮官9人程度が戦死させられたものと見られます。

さらに4月13日、ロシア黒海艦隊の旗艦『モスクワ』が沈没しているのです。ウクライナのミサイル攻撃によるものと見られ、ロシア首都の名前をつけた戦艦の沈没にプーチン大統領は激怒したという情報もあります」(通信社記者)


 このように日に日に増える“屈辱的”なニュースに、ロシアメディアも苛立ちを強めているようだ。

 テレビメディアのほとんどが政府や国営企業の影響下にあるロシアでは、報道も戦争支持一色となっている。

「ウクライナはネオナチスが牛耳っており、ロシア軍は、その“ネオナチ”からウクライナを解放するために戦っているというのがロシアの大義名分ですが、ニュース番組では、この筋書きに沿ったニュースが日々報じられています。現在一般市民に多くの死者が出ており、悲惨な包囲戦が行われているマリウポリ市も、ロシアのテレビによると“ネオナチが非戦闘員の市民を人質にとっている”ということになるのです。また討論番組では、コメンテーターが“この戦争に反対する奴らは強制収容所で再教育しろ”と言い放つなど過激な意見が飛び交っています」(ロシア在住経験のあるジャーナリスト)

ウクライナを罵倒する女性コメンテーター


 そんな“好戦的”女性コメンテーターの一人として国際的ににわかに注目を集めているのが、マルガリータ・シモニャン氏だ。

 彼女は42歳。ロシアの国外向けのテレビネットワークである『RT』の編集長。ただのテレビウーマンではなく、ロシア保守派の論客の一人であり、数々の報道系テレビ番組に出演している。彼女のテレビでの発言の数々を紹介しよう(抜粋要約あり)。

『そのウクライナのナチスは、彼らの民族性に基づいて子どもたちの目を引き抜く準備ができている』(3月26日テレビ番組で)

『私たちはウクライナと戦っているのではないことを理解する必要があります。我々は巨大な武装した敵と戦っているのです。ウクライナじゃないんだ! NATOだ!』(4月14日テレビ番組で)


『マリウポリの街を復興するには“卑劣なモンスター”であるウクライナの捕虜を使うべき』(4月14日テレビ番組で)

『YouTubeを禁止すべきです。そうしないとそこで行われている(反ロシア的な)言動に対抗できない。すべての言論を検閲し、私たち自身のものに置き換えるべきです。10年以上前から(言論の自由が制限された)中国のようになることを夢見ています』(4月17日テレビ番組で)

『(ウクライナとの戦争がエスカレートし)核戦争によってすべてが終わる可能性は高い。恐怖だが、そういうものだと考えている。私たちは皆、いつか死ぬのだ』(4月26日、テレビ番組で)

 シモニャン氏はプーチン大統領のおぼえもめでたく、直接勲章を授与された経歴もある。ウクライナ侵攻を支持する観衆がスタジアムを埋め尽くす光景で衝撃を与えた、ロシアによるクリミア併合8周年イベント(3月18日)でもシモニャン氏はスピーチしており、「ロシアの兵士はウクライナで“悪霊のような汚れたもの”と戦っている」と鼓舞している。

シモニャン氏「核戦争がしたいのか?」


 極め付きはこちらだ。4月末、ロシア領内のベルゴロド市で爆発があったことを受けてのツイッターへの投稿。こちらの爆発の原因ははっきりとしていないが、おそらくシモニャン氏はウクライナ側あるいは西側諸国の工作と判断して、こうつぶやいている。

『あなた達は私たちにどんな選択を迫っているのですかバカども! ウクライナの完全な破壊ですか? それとも核攻撃?』

 このような言葉の数々はプーチン大統領を始めとするロシア政府関係者の意向を“忖度”どころか“拡大解釈”したものに思える。過激な愛国心のなせる技なのかはわからないが、隣国の国民をモンスターや悪霊に例えるなどあまりに“中世的”で私たちの常識とはかけ離れたものであるのは確かだ。3月14日「NO WAR」のプラカードを持ってニュース番組スタジオに乱入し、侵攻反対を訴えた元テレビプロデューサー、マリーナ・オフシャンニコワ氏とは正反対の存在といえるだろう。

「ロシアの独立系調査機関の世論調査で、ウクライナでの軍事作戦を“支持する”との回答が4月の時点で74%だったそうです。この侵攻は依然として高い支持を集めていますが、3月の調査よりは7ポイント下がっているそうです。相次ぐ西側企業の撤退や物価の高騰などでさすがに不満が高まってきているのでしょう」(前出のロシア在住経験のあるジャーナリスト)

 そんな中、“核戦争も仕方ない”というほど煽るシモニャン氏の存在が世論にどんな影響を与えていくのかは注目に値するといえる。願わくば、彼女の“煽り”とは逆方向の「厭戦」の方向に進んでほしいものである。

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UFO・超能力の第一人者・矢追純一の波乱に満ちた半生

2022年5月7日 11:00 週刊女性PRIME

『宇宙塾』主宰・元日本テレビディレクター矢追純一さん

 ディレクターとしてバラエティー番組を制作し続け、次々に高視聴率をたたき出してきた、矢追純一(86歳)。51歳で日本テレビを退職してからもフリーとして活躍。今日でもUFO、超能力の第一人者として活動を続けているが、「自分はただ流れに身を任せただけ」と笑い、飄々(ひょうひょう)と語る。しかし、その半生は波乱に満ちていた―。

常識では説明できない“超常現象”


 この記事の読者は圧倒的に女性が多いです─と伝えると、矢追純一は「なるほどね」と相づちを打ち、こう述べた。



「女性にはね、説明がつかない超能力的な素質があるんですよ。生まれつき宇宙そのものを持っているというのかな。男性は何でも論理的に考えるから弁が立つけれども、物事は言葉だけで理解しようとすると本質を見失います。



 その点、女性は言葉にできないことまで感じ取れる。そもそも子どもを産めるのは、目の前で起こるあらゆるものを受け入れる包容力があるからで、物事の本質を見る力は男性よりも女性のほうが優れているように僕は思いますよ」

 常識では説明できない不思議な世界─いわゆる“超常現象”に興味を抱いたことがある人なら『矢追純一』の名前は聞いたことがあるだろう。

 齢86。現在の矢追の活動を追って、2つのセミナーに足を運んだ。

 1つ目は、2022年1月22日の『開星塾―ADVANCE』(夢源樹主催)。矢追は対談のゲストとして登壇。ホストを務める高野誠鮮さん(66歳)は、石川県羽咋市の臨時職員だった1984年に「UFOでまちづくり」を仕掛け、'96年には総工費52億円をかけた宇宙科学博物館『コスモアイル羽咋』の構想を実現させた人物。対談は、高野さんのこのひと言で始まった。



「ご存じだろうとは思いますが、矢追さんは日本におけるUFOや超能力のテーマに先鞭をつけ、切り拓いてきた草分け的な存在です。歴史に残る人だと僕は思っています」

 UFO問題の対談に興味を持つのは男性が多いだろう……、という予想は当たっていなかった。定員70名の会場は老若男女で埋まっていた。

 2つ目は、矢追自身が主宰する『宇宙塾』。2月26日の「自由コース」も参加者のほぼ半数が女性だった。宇宙塾の運営を担当する小川正喜さん(53歳)に聞くと、2015年ごろから女性の塾生が増え始めたという。



 もしかすると、東日本大震災のような人間の力が及ばない現象─矢追の話になぞらえれば「言葉だけでは本質を説明しきれない出来事」を多くの日本人が体験したことも一因だろうか?続けて問うと、小川さんも同じような印象を抱いていた。

「たしかにそれもありますね。実際に福島から宇宙塾に参加された方もいて、震災を伝えるメディアは都合のいいところだけを切り取って、被災者の現実を伝えてくれないという声も聞きました」

 風評被害などは、その典型だろう。考えてみれば、私たちが暮らす世の中は見えないものに動かされている。例えば、世界中を混乱に陥れた新型コロナウイルス。あるいは、社会のインフラとなったインターネットもそうだ。

 開星塾の参加者の1人は、こんな思いを口にした。



「ネットにはフェイクニュースがあふれ、何がホントで、何がウソか、わからなくなっていますよね。



 僕は学生時代から矢追さんのラジオを聴いていて、当時は信じられないような話がたくさんありましたけれども、最近になって全部それがホントだったとわかってきました」(グーガさん=仮名・55歳)

 ちょうど1年前、4月27日にアメリカ国防総省は3本のUFO映像を公開した。さらに同年6月25日には、軍が把握しているUFO目撃情報に関する公式な見解として、「地球の外から来た可能性を排除しない」と結論づけた。この件について、高野さんは開星塾の対談でこう話した。



「アメリカ政府は1969年12月をもって、宇宙人の存在を示すUFO情報は1つもないという理由で、UFOの調査から手を引くと発表しました。ところが今回、“完全否定”から一転して“可能性”にまで言及した。これでUFO問題は、一気に百歩も前進したと私は思っています」



 “UFO”の3文字は、日本人なら迷わず「ユーフォー」と読むだろう。この呼び方を、カップ焼きそばやピンク・レディーの歌で知った人もいるかもしれないが、軍事用語のUnidentified Flying Object(未確認飛行物体)を、1960年代に自らが手がけた日本テレビの番組の中で初めて「ユーフォー」と呼んだのが矢追だった。

 以来、UFO情報は人々の好奇心を大いに刺激し、放送された矢追の企画は高視聴率をたたき出した。自らも番組に出演し、秘密情報を次から次へと紹介する矢追自身も“UFOディレクター”として一躍有名人となった。

ホントかウソかは問題じゃない


 科学の常識を超えたUFOの存在は、子どもたちに「夢」を与えた。一方で、アカデミズムなどの大人の世界からは「オカルト」的なものとして徹底的に無視されてきた。



 しかし、いまやUFO情報は国家の安全保障の観点から排除できない「事実」になりつつあるというのがUFO研究者たちの見方だ。開星塾の対談で矢追の口から淡々と語られるUFO情報も、「これから何かが起こる」と予感させるものだった。



「2013年のダボス会議でロシアのメドベージェフ首相が、宇宙人に関する秘密を公開しようとアメリカのオバマ大統領に迫り、共同発表できなければロシア単独で暴露すると公言しました。メドベージェフ首相の発言はプーチン大統領の意向と見ていいので、ひょっとすると早晩それが実現するかもしれません」

 単刀直入に矢追に聞いてみた。宇宙人がUFOに乗って地球に来ているというのはホントなのか?



「ホントか、ウソかは、僕にとってたいした問題ではなくてね。地球の常識では説明できない現象が“ある”ということが重要なんです。そもそも僕はUFOだけに興味があるわけではない。いままでUFO問題を追いかけてきたのも“成り行き”なんですよ」

 さらに、成り行きで生きてきた自らの人生を、矢追はこう言い切った。



「仕事がなくなったことも、お金に困ったこともありません。僕が人生で思ったことは、ほとんど実現しています。人生はね、“こうありたい”という目標さえ決めておけば、思ったとおりになるんですよ」

 実は、矢追こそが宇宙人なのではないか?そんな噂もかつては囁かれ、『宇宙人』は矢追の渾名にもなった。矢追自身も1991年に『宇宙人・矢追純一の「地球人」へのメッセージ』という本を書いている。



 念のため「矢追さんは宇宙人ですか?」と確認すると、「戸籍はちゃんとありますから日本人だし、地球人ですよ」と本人も笑った。が、矢追の過去は人間離れしたエピソードに事欠かない。



「自分が生きてここにいると気がついたのは、7歳くらいのときなんです。両手をポケットに突っ込んで歩いていたら、雪道ですべって顔面から凍った地面にぶつかった。そこから僕の人生の記憶は始まっているんです」

 矢追は1935年に満州国の新京で生まれた。しかし、幼いころの記憶はほとんど残っていないという。



「僕には思い出というものがないんです。終わったことはどんどん記憶から消えていくので、常に“いま”しか見えていない。過去を懐かしむような情緒的な感情がないという意味では、僕は人間らしさに欠けているんでしょうね」

 自著『真・ヤオイズム』などには、満州での体験が活写されている。が、それらの記憶は「妹から聞いた話だったりします」と話す。

 矢追には2人の妹がいる。4歳離れた長妹の千草さんと、6歳離れた次妹の三恵さん。2012年に三恵さんが著した『もやし』という自分史がある。そこには兄である矢追が共有しているはずの故郷・満州での思い出が生々しく記されていた。例えば─、



《鼻水もツララになるマイナス二十度の町中で着物を片手にかけて、片言の中国語で売り歩いた》

 矢追の生い立ちはまさに波瀾万丈だ。両親と妹たちとの5人家族は、新京の日本人居住区で暮らしていた。父の又三郎さんは満州国建設省の役人で、政府の建造物の設計にも携わった。



 三恵さんの本には《父が自分で設計施工した、当時珍しいコンクリート造の白亜の洋館に一家幸せに暮らしていた》とある。豪邸には何人もの使用人が住み込む裕福な暮らしぶり。だが、兄の幼少期は病弱で、しかも《対人恐怖症で今で言う引きこもりだった》と綴られていた。

10歳の少年が衣類や家財を売り歩く


 大黒柱の父が急逝したのは、矢追が9歳のときだった。その翌年、戦争が終結。満州国は一夜にして消滅し、矢追一家の生活は一変する。白亜の豪邸は使用人だった中国人たちに乗っ取られ、家族は住む場所を失った。

 路頭に放り出された家族を支えたのは母の清子さんだった。新京、奉天、大連と居を転じながら、幼い3人の子どもたちに教えたのは自立して生きる術。満州国の紙幣では米一粒も買えない。清子さんは自分の着物を矢追に持たせ、「売ってきなさい」と命じた。

 昨日まで引きこもっていた10歳の少年が、言葉の通じない米兵やソ連兵、果ては日本人を目の敵にする中国人を相手に、母の衣類や家財を売り歩く。それが、なぜか、売れた。高価な着物だけでなく、使い古しの絵葉書までが使えるお金にかわった。

 満州での体験を、矢追の口から直接聞いたことがある人もいる。プライベートで20年近い付き合いがあり、2021年から矢追の仕事のマネージメントを担当している河原邦博さん(57歳)はこう話す。



「2人で食事をしたり、お酒を飲んだりしているときに、ふと昔の話をされることがあったんですが、もう私の想像をはるかに超えていて、そんな壮絶な体験を、なぜ彼はこんなにも淡々と語れるのだろう、と。そういうところは宇宙人みたいですよ(笑)」

 例えば、無法地帯となった満州では犯罪も茶飯事。矢追が友達と道端に座っていると、ソ連兵が日本人の住居を襲って家財を盗み、トラックで逃げていく。素行不良のソ連兵を取り締まるのは同胞のGPU(ソ連の秘密警察)。



 サイレンを鳴らし、ピストルを乱射しながらGPUのサイドカーが逃げるトラックを追う。まるで映画の一幕。カーチェイスの末にトラックは矢追の目前で横転。血だらけではい出すソ連兵。歩み寄るGPUの将校。銃声。頭を撃たれたソ連兵は即死。



 おい、いまの、見たか!興奮しながら横にいる友達に目をやると、流れ弾に当たって息絶えていた─。

 こんなエピソードが『真・ヤオイズム』には克明に描かれている。人間の“死”と隣り合わせの日常に身を置きながら、矢追は“生きる”ことの本質を体感した。


「自分の命も含めてあらゆるものへの執着が消えたのが12歳のときでした。執着心がなくなれば人間は不安や恐怖も感じなくなります。自分が歩んできた過去に縛られることもないし、これから訪れる未来を思い煩うこともない。いま、この瞬間だけに集中して僕は生きてきたんです」

 前出の高野さんは日蓮宗の僧侶でもあるが、矢追のイメージを「仙人みたいな人」と述べていた。矢追の生き方は、極限の精神状態に至った者だけが知る境地のような気もしてくる。だが、矢追本人が抱く実感はいたってシンプルだった。



「たしかに浮世離れはしているんでしょうけれども、仙人というより、動物ですよ。将来どうなるんだろうとか、動物は考えない。意識にあるのは“いま”という現実だけです。僕も動物と同じように、何のビジョンも持たずに、ただ生きているだけなんです」

 ビジョンは「展望」や「理想像」などと訳される。頭の中で未来を予測し、行動する前に計画を立てる能力は、動物よりも脳が発達した人間ならではの知性だろう。しかし、知性と引き換えに人間は原始的な生命の源泉─知識や情報に支配されることのない生きる力─をおろそかにしてしまっているのかもしれない。



「考えたことはなかったけれども、そうなのかな。僕としては“勘”で動いているだけなんですけれどもね(笑)」

 引きこもりだったひ弱な少年は、自らの勘に従い、目の前で起こるあらゆるものを受け止めた。終戦から2年後、矢追はどんな現実も「楽しい」と言える人間に変わっていた。



「3階くらいの高さの階段を上って下をのぞき込むと、数え切れないほどの人がズラーッと並んで雑魚寝をしていた。その光景は覚えているんですよ」

 12歳の矢追が見たのは貨物船の船底の様子だった。1947年12月、矢追一家は大連の港から引き揚げ船に乗り、佐世保港に到着。そこから父の親戚がいる奈良県へと向かったが、母の清子さんには親戚を頼って生活するつもりはなかった。ほどなく一家は東京に移り住む。

妹2人を育てる暮らし


 ところが、満州での心労で清子さんは心臓弁膜症を患い、入院。3人の子どもは病院の母のベッドの下に寝泊まりし、そこから学校へ通った。

 母の退院後は、国が建てた世田谷区の母子寮(現在の母子生活支援施設)に入ることができた。《六畳ひと間に一畳ほどの台所がついていて、トイレ、風呂は共同だった》と三恵さんの本にはある。

 矢追は中学生になっていた。「僕がまともに学校に通った記憶は、中学校の3年間しかないんです」と記憶をたぐり寄せるが、同級生たちの日常とは少し違った。家で勉強していると、母に叱られた。本を読んでいると、取り上げられて捨てられた。学校できちんと勉強していればテストで100点取れて当たり前。学校から帰ってきたら、外に出て身体を鍛えなさい─。

 自立して生きるための母の教育は、矢追をたくましく成長させた。病弱だった肉体は頑健になり、授業だけで100点を取れる驚異的な集中力が身についた。


 そして高校進学。2つの理由で矢追は神田にある電機学園高等学校を受験した。1つは卒業してすぐに飯が食えること。もう1つは、特待生試験に合格すれば入学金も学費も免除になるという条件。



 人並み外れた集中力を発揮し、矢追は試験に合格。そこからの記憶は、もっぱら学び舎の外での体験だった。



「渋谷に出て、地下鉄の銀座線に乗って、神田では降りずに終点の浅草まで行くんです。一日に映画を3本も4本も見たりして、毎日浅草をうろついていましたね」

 高校2年の春。自らの意志で成した自立とは違う意味で、矢追の人生には自立のときが訪れる。母の清子さんが48歳の若さで他界。



 三恵さんの本には《母の遺言には、「親戚を頼らずに三人で生活するように」とあった》と記されている。



 だが、3人の兄妹は未成年。保護者がいなければ孤児院(現在の児童養護施設)に送られる。親戚が集まり話し合いが持たれ、矢追と三恵さんは世田谷の親戚に、千草さんは長野県の叔母に預けられることになった。

 母亡き後の人生を、どう歩むか?実業高校の卒業生には就職先がいくらでもあった。ところが矢追の選択は大学受験。しかも中央大学法学部という超難関に挑んだ。“常識”で考えれば無謀でしかない。その進路を矢追は“勘”で決めた。そして合格。「人生で思ったことはほとんど実現しています」という矢追の話は、決して“未確認”な情報ではない。

 大学生になった矢追は、三恵さんを連れてアパートを借り、長野にいる千草さんも呼び寄せた。母の遺言どおり、親戚を頼らずに3人で生活するために。それにはお金がいる。高校時代からやっていたアルバイトは3つに増えた。

 日中は建設会社の事務や現場の雑用。夕方からは日比谷にある市政会館でエレベーターボーイ。夜になると生演奏がある銀座のクラブでバンドボーイとして働いた。

 深夜、クラブが閉店するとジャズバンドのメンバーが遊びに連れて行ってくれた。飯は食えるし、こっそり酒も飲めたが、寝る間がない。それでも矢追は必ず帰宅していたことが、三恵さんの文章から伝わってくる。《兄が毎日百円置いていってくれる》という朝の点描。中学校に通う次妹に食費を渡してからアルバイトに出かけるのが大学時代の矢追の日課だった。



 《みかん箱の倍もあるような木箱で、Hi-Fiの大きなスピーカーを作ってくれた。この音響機器はわが家でただひとつの『家具』だった》という一文もある。まだテレビが贅沢品の時代。安いラジオでも立派な再生装置につなげば高音質で聴ける。矢追が高校で電気技術の基礎を習得していた証だろう。兄の手作りスピーカーは2人の妹にとって、狭い部屋を劇場に変える魔法の箱だった。

 長兄としての自覚、責任、苦労、愛情……。それらの言葉で表す感情を、矢追は当時の記憶にとどめていない。


「たぶん、放っておいて気になるのが嫌だったのかな。お金やモノを与えて、これで妹は大丈夫だなと安心して遊び回っていたんでしょうね」

 記憶にあるのは「楽しかった」という印象だけ。恋人もできた。一方で、同世代の友人は少なかった。大学にはほとんど行かなかったからだ。授業で教わる内容は、本を読めばわかった。だったらアルバイトをしながら遊び回っていたほうがいい。

 楽しい大学生活は4年生になっても続いた。いまを楽しく生きる矢追は、将来を考えた就職活動もしなかった。しなくても幸運のほうから矢追に近づいてくる。映画会社から「俳優にならないか」と声をかけられたこともあった。



「映画は好きでしたけれども、役者をやる気は全然なくて。むしろ監督とか、作る側に興味はありました」

 夏のある日、市政会館のエレベーターでよく見かける紳士が話しかけてきた。就職は決まったの?「まだです」と答えると、日本テレビの見学に誘われた。



 紳士は同局の著作権課の課長だった。法科の名門に通う学生はダイヤの原石に見えたのかもしれない。後日、社屋の見学に訪れた矢追に、紳士は感想を求めた。ここで働いてみたいか?「はい」と返事をすると、入社試験を受けることになった。

 いまも、当時も、キー局への就職は狭き門である。しかし、矢追が思ったことは実現する。試験から数日後、家には合格通知が届いていた。

 テレビ局に入って、すぐに楽しい仕事が待っていたわけではない。配属は演出部。出勤初日からドラマの制作に携わるが、映画で目の肥えていた矢追には、黎明期のテレビドラマは好奇心を満たすものではなかった。



「歌謡番組だの、寄席の中継だの、いろんなことをやらされたけれども、みんなおもしろくなかった。もう、辞めようかなと思っていたら、イレブンが始まったんです」

 1965年11月。型破りな娯楽番組が誕生した。『11PM』だ。硬派なネタからお色気まで、自由な企画で勝負ができる深夜の解放区。



「プロデューサーをつかまえて、イレブンに入れてくださいと、自ら志願したんです。自分の人生で、自分の意志を発揮したのは、その時が初めてだったかな(笑)」

 何でもやれたが、何をやるかは決めていなかった。アイデアの発端は偶然の出合い。たまたま入った書店で『空飛ぶ円盤』と書かれた本が目に入る。何だろう?立ち読みすると、宇宙人が地球に来ていると書いてある。おもしろい。そして閃いた。



「空を見せてやろう」

 高度成長の真っただ中にあった日本の大人たちはモーレツに働いていた。欧米から“エコノミックアニマル”と揶揄されたその姿は、矢追にはうつむいて視野狭窄になっているように見えた。

未来に抱くのは期待感のみ


 視聴者が空を見上げる企画に、空飛ぶ円盤は格好の題材。屋上にカメラを配置し、夜空の飛行物体を探して実況中継する。本邦初のUFO番組が放送されたのは1968年のことだ。

 本番中にUFOは現れなかったが、視聴者の反響は大きかった。「また、やれ」と、プロデューサーの業務命令が下る。成り行きで、矢追は次のUFO番組を企画する。

 深夜枠の11PMだけでなく、1970年代にはゴールデンタイムの『木曜スペシャル』でも矢追の企画は放映された。超能力者のユリ・ゲラーを日本に呼び、生放送でスプーン曲げをやらせたのも矢追だった。

 超常現象番組にとって、矢追はディレクターであると同時にプレゼンターだった。自ら出演した理由は「人件費が節約できるから」だったが、映画会社の目にも留まったルックスと、感情を表に出さないクールな口調とに、視聴者はドキドキしながら未知なる世界へといざなわれた。


 そんな番組を作れるのは矢追だけだった。前出の高野さんも若いころにテレビの前に釘付けになり、多大な影響を受けた1人である。



「衝撃的だったのは、UFO事件に遭遇した本人が再現映像に出てくることです。超常現象がブームになって、研究家を自称する人もたくさん出てきましたが、多くは現地にも行かない文献主義者でした。



 現場主義者でジャーナリストの矢追さんに追いつける人は、当時は世界中を探しても見つかりませんでしたよ」

 再現VTRに役者を使わず本人を登場させる手法には、人件費の節約だけでなく、実は矢追の勘も働いていた。



「証言が事実なら何度でも躊躇なく再現をやってみせてくれます。作り話だったら、不自然になるから見抜けるんですね。ただ、再現してくれたことがホントかウソかは、僕が判定する問題ではない。その人が信じているものは、その人にとっては事実です。人間はね、誰もが同じ世界を見ているわけではないんです」

 番組の台本はほとんど白紙。何が起こるかわからない。楽しさを追求するエンターテイメントでありながら、起こったことをそのまま切り取るドキュメンタリータッチの番組には、まさに矢追の人生観そのものが投影されていた。



「計画どおりにやろうとすれば、つまらないものしかできません。僕の番組には結論がないんですよ。これから起こることが現実だし、その現実も、次の瞬間には変わっているかもしれない。



 人生と一緒です。わからない未来に対して、こうだろうと予測し、こうあるべきだと決めつけて、妄想した未来に執着するから、計画どおりにならない現実に不安や恐怖を抱くんです。だけど、いまだけに集中して生きていれば、未来に対して抱くのは期待感しかないんですよ」

 UFO番組を手掛けてから約20年後。矢追に訪れた未来は「退職」という道だった。

 1986年9月。51歳で日本テレビを退社。そのきっかけとなった出来事の1つが社内の新入社員歓迎会だった。

 余興で中堅ディレクターがコントを演じる。内容は現場でこき使われるADの悲哀。仕事の厳しさを伝えるための誇張した演出。これを見ていた幹部が激怒、そして新入社員たちに詫びた。キミたちは管理職になるエリートだ、現場であくせく働くために採用されたのではない……。

 テレビ業界は成熟し、番組制作会社の台頭でキー局の社員にはマネージメント能力が求められるようになっていた。現場は管理され、自由奔放な番組作りはどんどんできなくなっていく。その現実を受け止め、矢追は思った。



「僕には管理職は務まらない、会社の期待には応えられそうにないな、と。それも勘です。ここはもう自分のいるべき場所ではないと思いました」

 迷わず辞表を提出。名物ディレクターの辞意を会社は全力で慰留したが、矢追に未練はなかった。そして、辞めた後の計画もなかった。


「田舎の鄙(ひな)びた温泉地でしばらく遊んでいようと思ったんだけれども、3日で飽きちゃったんです(笑)」

 東京に戻ってくると、さまざまなオファーが待ち構えていた。確実に視聴率を稼げる矢追を業界が放っておくわけがない。わが身の明日を成り行きに任せる矢追も頼まれた仕事は断らない。番組制作会社と組んでUFOディレクターは再始動した。

 立場はフリー。テレビ番組制作以外の仕事も引き受けた。1987年には『(財)地球環境財団』の設立発起人となり、財団の理事として各方面で環境問題について語る機会も増えた。

 あの矢追純一が環境問題?驚いた人もいた。が、当時の著書に残した“地球人へのメッセージ”には、家電リサイクルやレジ袋の有料化といったアイデアが、法整備される以前に提言されている。地球の“いま”を受け止める矢追には、人間が成すべきことの本質も見えていた。

 趣味を活かして事業も興している。銀座のクラブで毎晩のようにジャズの生演奏を聴いていた矢追は、CDの音質に物足りなさを感じていた。「こうありたい」と願えば、必要な情報は向こうからやってくる。音源をデジタル化してもライブ感を損なわない技術と出合い、音響装置の製造会社『イマジェックス』を設立。開発した機器には、かつて2人の妹のために作った魔法の箱と同じ思いが込められていた。



「いまでも僕のラジオ番組ではイマジェックスの機器でジャズを流しているんですよ。だけど、見ている世界と一緒で、“いい音”っていうのも人によって違うのでね。音響業界は僕の事業に興味を示さなかったです」

 地球環境財団もイマジェックスも後に解散し、いまはもうない。世の中が矢追に求めたのは、やはりUFO問題の先駆者という役割だった。

UFO番組不動のトップランナー 


 1990年代に入ると映画『ゴジラvsキングギドラ』(1991年公開)の出演依頼がくる。役どころは“UFOに詳しい矢追純一”。ゴジラはフィクションだが、矢追は映画の中でも実在のUFOディレクターだった。

 1990年11月には、石川県羽咋市で『宇宙とUFO国際シンポジウム』が開催。米ソの宇宙飛行士が来日し、開催国の海部俊樹首相が公式メッセージを寄せた国際会議は世界中から注目を集めた。実現させたのは高野さん。そして、シンポジウムに日本代表として登壇したのが矢追だった。



「矢追さんのほかにはいませんでしたよ、この会議で日本……、というより世界を代表して話ができる人物は。世界中で制作されるUFOコンテンツは、みんな矢追さんの番組をお手本にしていたんですから」(高野さん)


 UFO番組は世界中のテレビ局で作られるようになっていた。UFOの事案が発生するたびに海外の取材班は先駆者の矢追に意見を求めてくる。必然的に矢追の元には世界中の最新情報が集まった。

 一方で、日本では矢追の手を借りずにUFO番組を作る人たちも出てきた。そこには構成作家として放送業界に関わった高野さんもいた。



「矢追さんと現場でばったり会ったときに、オレの目の前をチョロチョロするなと怒られたこともありました」

 と高野さんは苦笑するが、UFO番組を作る次世代のライバルたちにとって、矢追は不動のトップランナーであり続けた。2009年8月には、本物の宇宙船を展示しているコスモアイル羽咋の名誉館長に就任。このとき矢追は74歳。就任を要請した高野さんは、この時期に矢追の意外な一面を見ている。



「有名な女優さんが孤独死したニュースを聞いて、『僕もあんなふうに死ぬのかな』と、ポツリと言われたことがあったんです。私は矢追さんらしくないなと思いながらも、一瞬“人間・矢追純一”を見たような気がしました」

 一般の人は、矢追のどんな私生活を想像するだろうか。マネージャーの河原さんは、「仕事とプライベートは分けておられるようですね」と言いながらも、古くからの友人として仕事を離れたときの矢追の姿も見知っている。


「数年前まで大みそかは矢追さんの自宅で一緒に蕎麦を食べて年越しするのが恒例でした。私からすると矢追さんは父親の世代で、大先輩であり、よきメンター(影響力を持つ人)なんですが、常に1人の人間として対等に接してくれます。



 時々、生き方や考え方について話してくれることはありますけれども、普段は食べ物のことだったり、大好きな温泉のことだったり、たわいない会話ばかりです。



 プライベートでUFOや超能力の話を聞いたことはほとんどないし、仕事やお金に関しても細かいことは一切口にしない。本当に“欲”というものがない人なんだなと感じます」

 宇宙塾の運営をサポートする小川さんも、10年ほど前に家族で熱海の温泉に招待されたことがあった。自分の孫の年ごろに当たる小川さんの子どもとも、矢追は楽しそうに話していたという。アットホームな雰囲気の中でくつろぐ、そんな当たり前の時間が、矢追には非日常なのかもしれない。

 矢追は25歳で結婚したが、長くは続かずに離婚した。以後、家庭は持たず、いまもひとり暮らし。浅慮を承知で矢追に質問してみた。“孤独”は感じませんか?



「僕には家族という概念が希薄でね、母親の死もショックではなかったし、1人でいて寂しいと感じたこともない。人間は1人で生まれてきて、1人で死んでいく。それが現実ですから、むしろ孤独でいることが自然なんです。

 
人とのつながりの中でしか幸せを感じられないのだとしたら、そっちのほうが現実離れした考えだと僕は思います」

 どんな状況にあっても“いま”を楽しみ、幸せを感じることができる─そんな自立した生き方を多くの人たちに身につけてもらうために、矢追は宇宙塾を主宰している。

 取材で訪れた「自由コース」は誰でも参加できる入門編。会場で矢追はこう切り出した。



「今日は秘密の話も用意しています。だけど、この塾で僕がしゃべるのはみなさんが退屈しないためのサービスなので、興味がない人は寝ていてもかまいません」

 塾生はボーッと座っているだけでいい。矢追が伝えるのは人間が生きていることの本質。言葉で教えるわけではない。矢追は温泉にたとえる。効能のある湯に浸かるだけで身体も心も癒される。それが宇宙塾という“場”であり、“効果”なのだという。

 会場には、すでに宇宙塾の全コースを修了した人たちの姿もあった。卒業生が母校を訪れるように、多くの元塾生が気軽に矢追に会いに来る。

 Tさん(男性・62歳)は、「間違いなく言えるのは宇宙塾に来てから人生が変わったことです。もちろん、いい方向に」と話した。


 15年前に塾を卒業したSさん(女性・39歳)は、2歳下の妹と一緒に訪れていた。



「学生時代に自分のやりたいことを書いたメモが出てきたんです。世界遺産に行きたいとか、好きな作家に会いたいとか……。そういう夢が、宇宙塾に来てからいつの間にかみんな実現していました」

 元塾生たちの証言は、矢追と同じ生き方が誰にでもまねできることを物語っている。だが、見える世界は人によって違う。宇宙塾で起こる現実を信じられない人には、矢追の考え方や生き方こそが超常現象に感じられることだろう。

 宇宙塾では自由に矢追に質問ができる。折しも世界情勢はロシアのウクライナ侵攻が始まった時期。自らも戦禍を生き延びた体験を持つ矢追は、この現実をどう考えているのか? 平和を願い、戦乱に巻き込まれた人々を案じながらも、個人の生き方に対する矢追の答えは明快だった。



「いろいろな情報に右往左往せず、どういう自分でありたいのかを忘れずにいることが大事であってね。流れに逆らってジタバタすれば溺れるけれども、流れに身を任せていればラクに遠くまで行けます。どんなに大きな変化に遭遇しても、自分は宇宙という大きな流れの中で生かされていると自覚して、自然体でいればいいんです」

 苦しい“いま”を耐えれば、楽しい未来が待っているわけではない。“いま”を楽しめる人間に、期待どおりの未来が訪れるのだと矢追は言う。

 そして、自身の未来に期待を込めて、矢追はこう話した。



「僕も人間ですから、いつかは死にます。だけど、あと何年生きられるかとか、そういうことに心を煩わされたことはありません。“いま”を大切に生きていれば、自分の人生が終わる瞬間さえも楽しく迎えられると、僕にはわかっているのでね─」

〈取材・文/伴田薫 撮影/北村史成、佐藤靖彦〉

 はんだ・かおる ●ノンフィクションライター。人物、プロジェクトを中心に取材・執筆。『炎を見ろ 赤き城の伝説』が中3国語教科書(光村図書・平成18~23年度)に掲載。著書に『下町ボブスレー 世界へ、終わりなき挑戦』

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大地真央の“お高い”朝活、こだわりの食材ハウマッチ?

2022年5月7日 07:00 週刊女性PRIME

大地真央

 何年も前から続けている大地真央のモーニングルーティンは一見シンプルだ。

 起床→ストレッチ→うがい→水を飲む→朝食→ブラックコーヒー→シャワー

 これにはそれぞれ厳密なルールがある、とテレビ番組や新聞のインタビューで明かしている。

うがいにも朝食にも順番が


 まず起床は《横を向いてひざを胸の方まで曲げ、ベッドの下に向かって足を下ろし、ゆっくり起き上がる。伸びをしてからストレッチ。ゆっくり行うのが大事》。

 うがいについても、《しっかりと口の前の方から丁寧にうがい。口の奥、鼻の奥、喉の奥と順番にやる》そう。

 その後、普通のコップの2倍ぐらいの大きなコップで水を飲む。飲むときには「私はお花よ」と思いながらゆっくり飲むのだそう。1日2リットルをこまめに補給し、日中は常温、夜は白湯にして食事と一緒にとっている。

 水自体にもこだわりがあり『世界遺産「白神山地」白神秘境活性水』を愛飲。ちなみに、この水、2リットル6本入りで3024円。毎日1本飲むとなかなか高くつく。

 朝食は毎朝決まったメニューで季節のフルーツと野菜のスムージーに目玉焼き。

「目玉焼きにはケチャップとアマニオイルで顔を描いて、日々インスタにアップしています。その“目玉焼きアート”は人気で、マオ・ペカソ・ダイチとして東京や大阪で個展を開いたほど。宝塚時代からのファンも詰めかけたようです」(週刊女性宝塚担当記者)

 朝食を食べる順番も決まっており、スムージーから始めて目玉焼き、パン、ブラックコーヒー。グリーンスムージーは野菜や季節のフルーツなど6種類を厳選。豆乳やチアシード、べリー酢を加えることも。パンは玄米パンに黒ごまペーストやマヌカハニーをつけて食べる。

 食材へのこだわりは、野菜と果物は基本オーガニックでパンは玄米か米粉を使ったもの。目玉焼きは「#中村農場 #パール卵」で作られる。聞き慣れない卵だが、中村農場公式サイトによれば南米産の青い殻の卵で黄身が白く、クリーミーな甘さが特徴。10個入りで579円。庶民価格の2倍以上のセレブ卵だ。

 宝塚を退団して37年たつ今も、女優として輝き続ける大地。その朝活はやはり厳密かつゴージャスで女王の風格があるのだった。

取材・文/ガンガーラ田津美

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《給付金4630万円誤送金》返還拒否する“疑惑の移住者”を直撃

2022年5月7日 05:00 週刊女性PRIME

町民に謝罪する花田憲彦町長(YouTubeより)

「誤送金した役場が悪い。でも、それより悪いのは、間違って振り込まれた4630万円を返さない人ですよ。町の恥だ!」

 地元町民たちは異口同音に怒っている。農作業中の80代女性からはこんな言葉が。

「金を返さない人は、きっとよそから来た人。地元の人間にそんな悪い人はいない。そんなことしたら、ここには住んでいられないわよ」

 山陰の日本海沿いにある山口県阿武町。日本海と山々の雄大な自然に囲まれたこの町の人口はおよそ3000人で、コンビニはなく、スーパーもたったの1軒という、穏やかな地域だ。4月8日、この小さな集落で町民たちを巻き込んだ騒動が勃発した。

「新型コロナウイルス感染症対策のひとつとして、生活が困窮している世帯への支援が行われたんです。この町には約1300世帯が住んでいて、そのうちの463の“住民税非課税”世帯が対象でした」(全国紙社会部記者)

“1世帯に4630万円振り込む”というあり得ないミス


 国から1世帯につき10万円の補助金が配られることに。配布方法は阿武町役場から山口銀行阿武支店を通じて、各世帯が持つ金融機関の口座に振り込まれる予定だった。

「これまではベテランの女性職員が担当する仕事だったが、彼女が総務部に異動していたんです。そのため、今年4月に採用になったばかりの新人職員が担当したのですが……」(同・社会部記者、以下同)

 この新人がトンデモないミスを犯してしまう。463世帯にそれぞれ10万円送金した上で、その合計額の4630万円を1世帯に振り込んでしまったのだ。

 そもそも、なぜこんな間違いが起きてしまったのか?


「新人職員が振込先の住民リストが入ったフロッピーディスクと町長の決済印が押された振込依頼書を銀行に渡したんですが、その依頼書に誤記載があったようです。振り込みが終了した段階で、山口銀行の職員がおかしいのではないかと役場に指摘して、ようやくミスが発覚しました」

 もはや見ることのなくなった昭和の遺産『フロッピーディスク』を使用していることも注目されたが、山口銀行側の希望だという。

ミスした職員の上司は時期外れの異動


 これが誤送金の一連の流れなのだが、ある町民からはこんな指摘も。

「ミスをした新人職員を責めるのはおかしい。そもそも、上司が二重、三重にチェックしていない役場の体制自体があり得ないでしょ。ベテラン女性職員がやっていたから、慣れっこになっていたんじゃないか。新人職員は責任を相当感じていて夜も眠れず、精神的に追い詰められている状態。妻子もいるのに、かわいそうだ」

 ミスをした職員の上司の課長は時期外れの異動になったとか。

「責任をとらされたのだと思います。さらに、総務部へ異動していたベテラン女性職員は、再び戻ってきたみたいです」(同・町民)

 誤って振り込まれた世帯主が役場にお金を返還すれば、この騒動は一件落着するのだが……。阿武町役場はこの世帯主Aさんに返還してほしいと3回交渉するも、

「Aさんは最初こそ“いまは多忙だが、返還する”と応じていました。ですが途中から“金は都市銀行の口座に移しているので、戻せない”と言い出し、最終的には“罪は償う”などと応えていて、返還される可能性はまったくない状況」(前出・社会部記者)

 この問題を阿武町役場のトップはどう考えているのか、花田憲彦町長を直撃した。

「なんとか返還してもらうための努力は今後も続けていきますが、今のところ動きはありません。何かあれば会見を開いてお知らせします」

 と、なんとも悠長な回答にも思えるが……。地元住民も同じ気持ちのようで、

「大事な交渉を役場の一般職員に任せるから、わけのわからないことになっている。まずは町長みずからが返還しない世帯主のところへ菓子折りでも持って出向いて謝罪。その上で“なんとか返還してください”とお願いすべきだった。町長の責任も大きい」(別の町民)

 さらには、山口銀行も不親切だと続ける。

「役場の金を常日頃から扱っているんだから、振り込む前に“1世帯にこんな大金を振り込んで大丈夫なのか?”と問い合わせるでしょ、普通」

 この件に関して、山口銀行に問い合わせると、

「金融機関では、たとえ町役場であっても、お客さまの情報には守秘義務がありますので、お話しするわけにはいきません」(同銀行広報室)

 大騒動の元凶であるAさんとは一体どんな人物なのか。とある町議によると、

「阿武町は中心部の奈古地区、半農半漁の宇田郷地区、山間で農業中心の福賀地区と3つに分かれていて、それぞれ10キロメートル前後離れています。町長は“当該の世帯主がどの地区に住んでいるのかも言えない。騒動になるから”と、いっさい明かさないんです。書類を見ても、世帯主の名前と住所の部分がすべて黒塗りですからね」


条件を満たす“疑惑の移住者”を直撃!


 そんな中、週刊女性は役場関係者からAさんに関する有力情報をキャッチした。

「阿武町は過疎化が激しいので、ずいぶん以前から町外の人に空き家を提供しています。そこで農業や漁業などをやれば、町から月15万円を支払うなどさまざまな優遇措置を施しているんですが、Aさんはその移住者のひとりです」

 その地区には移住者が10名ほどしかいない。さらに、その他の条件(特定を避けるため、記載せず)を満たす中年男性が1名浮上した。彼の自宅を訪ねて直撃するも、

「自分ではありません。何かの間違いじゃないですか」

と疑惑を真っ向から否定。前出の役場関係者はこう話す。

「返還しなくても逃げ切れると思っているのでしょう。もし全額使い切ってしまっていたとなれば、回収するのは困難と言えます。国民の血税をなんだと思っているのか、許せないですね」

 4630万円を取り戻せなければ、町の財政からの持ち出しになるのか。町では、こんな噂がまことしやかに囁かれるように。

「役場には正規と非正規と合わせて約100人の職員がいますが、次の夏のボーナスはゼロみたいですよ」

 町は返還拒否する人物に対して刑事と民事の双方での対応を考えているという。警察が捜査して逮捕されることになれば、Aさんの名前は白日のもとに晒されることになる。罪の意識があるのならば、名前が公表される前に国民の“お金”をきちんと返還してほしいものだ。

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藤田ニコル・乃木坂46がドン引き『関白宣言』はモラハラか

2022年5月6日 21:00 週刊女性PRIME

藤田ニコル

 5月5日放送の『これが定番!世代別ベストソング ミュージックジェネレーション』(フジテレビ系)が物議を醸している。タイトルの通りに令和、平成、昭和の3世代の定番ソングをカテゴリー別に選出する番組なのだが、ここで選ばれた“昭和の名曲”に違和感を持たれたようだ。

 問題視されたのが、【ウェディングソング】として「46歳〜」世代が選出した8曲のうち、『関白宣言』が流れた時だった。これに「〜25歳」世代として出演した藤田ニコル、乃木坂46メンバー・林瑠奈と弓木奈於から「え!? 嫌、ムリムリ」とブーイングが起きたのだった。

『関白宣言』といえば、1979年にリリースしたさだまさしの代表曲の1つで、各局の昭和の名曲特集などでも使われる定番だ。例外なく『世代別ベストソング』でも、

《俺より先に寝てはいけない 俺より後に起きてもいけない めしは上手く作れ いつもきれいでいろ》

 お馴染みの歌詞が流れたのだが、この一見“亭主関白”を押し付けるような歌に令和世代がドン引き。ネット上でも是非をめぐる論争が起き、トレンド入りする勢いに。

初めての人はモラハラに聴こえる


「たしかに、途中まで聴くと“モラハラ”ソングですね」と、苦笑いするのは芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。

歌の最後まで聴けば、奥さんとして迎える女性への深い愛情が汲み取れる曲ですが、よくテレビ番組で使われるのは最初のフレーズ。その部分だけを初めて聴いたら、若い女性でなくとも、現代社会においてモラルハラスメントとして受け止められるかも」

 実は、この『関白宣言』論争は何も令和だから起きたのではなく、リリースされた昭和でも指摘する声があったようだ。

「当時も時代錯誤だった部分もあり、“亭主関白”はいい意味で捉えられることは少なく、むしろ“ウチの旦那は亭主関白だから”などと揶揄されるように。“恐妻家”という言葉が出てきたのもこの辺りだったと思います。

 もちろん、さださんもそれを承知の上での楽曲発表で、歌手としての矜持だったのでしょう。後にシャレを効かせた『関白失脚』(1994年)を出したのは、批判に対する“アンサーソング”ではないでしょうか」(佐々木氏)

あんな若い子たちにあんな歌


『世代別ベストソング』では、ニコルら若者世代をさらにドン引きさせた“名曲”も登場。同じく昭和世代が【女性アイドルソング】カテゴリーで選出した『セーラー服を脱がさないで』だ。

《セーラー服を脱がさないで 今はダメよ 我慢なさって セーラー服を脱がさないで 嫌よダメよ こんなところじゃ》

 1985年から放送がスタートした、『夕やけニャンニャン』(フジテレビ系)内で歌われていた『おニャン子クラブ』を象徴する歌。秋元康が書いた過激な歌詞に対し、「なんかすごい歌なんですけど…」「あんな若い子にたちにあんな歌…」とショックを隠せないニコルら。

『乃木坂46』『欅坂46』『AKB48』の歌を選出した令和世代にしてみれば、同じプロデューサーが手がけた歌とは思ってもみないだろう。

 ちなみに乃木坂46は、2020年9月放送の『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)にて『セーラー服を脱がさないで』を披露したことがある。際どい歌詞の部分はコラボ参加した元おニャン子メンバー・新田恵利らが歌唱したものの、やはりネット上では歌そのものに“女性蔑視”などと指摘する声が上がったのだった。

 前出の佐々木氏も「これはさすがに、アウトと言わざるを得ない」と笑うしかない。

「そもそも、当時は芸能人のベッド流出写真などを“ニャンニャン写真”とも称したわけで、今考えれば番組名からしてマズイ(苦笑)。ただ、おニャン子以前より性を連想させる歌は多くありましたし、番組も然り。それがウケていた時代でもありました」

 たしかに冷ややかな目でVTRを見るニコルらを尻目に、「懐かしいな〜、高校生に戻っちゃうよ」などと嬉々として食いついていた『さまぁ〜ず』らオジサン。彼らはなぜ、令和世代が引いていたのかすらわかってないかもしれない。

 たとえば新入社員歓迎会でカラオケに行ったとして、オジサン上司が若い女性社員に“これ歌ってよ”と他意なく要求して、セクハラを指摘されてもおかしくはない。そんな歌には“ミュージックジェネレーション”という名目だけでは到底受け入れられない、世代間ギャップが潜んでいる。

昭和の名曲が放送できない


 特に放送内容において、近年は視聴者やネットユーザーからの“監視”の目が厳しく向けられがちなテレビ局。『関白宣言』や『セーラー服を脱がさないで』のような、モラハラ・セクハラとも捉えかねない、炎上しかねない歌を放送することは問題ないと言えるのだろうか。

「各局にはリスク管理、コンプライアンス委員会などの機関も設置されていて、特に差別的な内容や表現の有無に関しては厳しくチェック、指導が入っているそうです。ただ、昔の歌の歌詞で炎上するとは思いもしないでしょうし、そこ(放送するの)は制作現場の判断になっていると思います。

 ただ、ネットの声に敏感になっている局も多く、たとえ少数でも批判の声に火がつけば大炎上する恐れもあり、大切なスポンサーに迷惑がかかることも。もしかしたら今後、取り残されたような昭和の名曲が放送できない時代が来るかもしれません」(佐々木氏)

 時代を超えて愛される名曲といえども、時代の流れには逆らえないのか。

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『嫌われ監察官 音無一六』出演中の小日向文世・遠藤憲一は洋楽好きの“共通点”

2022年5月6日 18:00 週刊女性PRIME

左から遠藤憲一、小日向文世(撮影/佐藤靖彦)

「じゃあ次は、おふたり同じポーズでお願いできますか?」

 撮影中、カメラマンからのリクエストに、

「さっき現場でやったの、こうだっけ?」

「これもやりましたよね」

 と頬づえをついたり、こめかみに指を当てたり。

 5月6日より放送開始の連続ドラマ『嫌われ監察官 音無一六』(テレビ東京系金曜夜8時~)で、顔も性格もまったく似ていない兄弟、音無一六(小日向文世)と万丈二六(遠藤憲一)を演じる2人の、和気あいあいな撮影中のひとコマだ。

アドリブ三昧のコミカルなやりとりが魅力



 これまでにスペシャルドラマが6作放映、大好評を受けて連続ドラマになった今作。音無一六は、警察官の職務や私生活に不正がないかを調べる監察官でありながら、捜査にも介入し難事件を解決していく。己の正義を貫きわが道を突き進む、頑固で几帳面な主人公だ。

 対する万丈二六はスペシャルの第5作から登場した、明るく陽気なタクシー運転手。あまりにも正反対で、毎回ゲスト出演者が「本当に兄弟!?」と驚くほどなのだが、実はちょっとしたところで同じ仕草が出る。それを冒頭で再現してもらったわけだ。

 連ドラ化についての感想を聞くと、小日向は

「スペシャルが6作まで行ったからそろそろ終わるのかなあと思っていたところだったので、びっくりしたんですよ」

 と笑い、遠藤は

「一六はセリフがものすごく多くて、しかも難しい単語もいっぱい出てくるので、小日向さんは毎回全部覚えるのが大変だろうなあと思ってます」

 そう、このドラマの特色のひとつが、事件解明の際の一六の膨大なセリフ量。

「大丈夫かなあ。ギリギリなんだから、ほんと」

 と、苦笑する小日向に

「ほんと、尊敬します。これだけ先輩が頑張ってるんだから、自分も愚痴なんて言ってられない、頑張らなきゃ!って、勇気をもらえますよ」

 と遠藤。「あの分量はギリ単発……」と続けると、小日向がすかさず「そうだよね!?」と返すやりとりが、なんだかとてもチャーミング。

 しかも小日向は、台本を一言一句きっちりそのまま言っているというから驚き!

遠藤「シーンとして成立しているのに、“すいません、今のところもう一回”と、語尾までしっかり台本どおりに言っていて。自分から大変なところに身を置いているのが、すっごいなあ!と思う」

小日向「僕、ちょっと癖があって。1個でも間違えるとわかるし、それが悔しくてね」

 その分、コメディータッチの2人の場面ではアドリブ三昧。

小日向「台本が“2人、わいわいやりつつ”みたいな感じで終わってるよね(笑)」

遠藤「緊迫したシーンが多いから、俺との場面では息抜いてほしいなと。小日向さん、アドリブをバンバン出してくるし(笑)」

 小日向いわく、「アドリブは、ちゃんと受けて返してくれるという前提がないと、成立しないもの」。この2人だからこそのコミカルなやりとりは、見逃し厳禁!

女房はたぶん、かなり変人だと思ってる


 現場以外でのエピソードを尋ねてみると、

「エンケンは、仕事が終わったらすぐ家に帰って奥さんとの時間をつくるからなあ(笑)」

 と言う小日向に、遠藤も照れつつ爆笑。だが、小日向も同様のようだ。

小日向「家族の時間は大事だよ。だから一緒にいるのは現場が主。でも本当によかったなと思うのは、エンケンはとても優しいから、無理なく一緒にいられて、僕はすごく楽しい」

遠藤「小日向さんは誰に対してもフランクで、一緒にいると自分の素をそのまま出せる。それが小日向さんの持ち味ですね」

 では、“嫌われ監察官”にかけて、奥さんに嫌われても貫き通したいことは?


小日向貫くというより、いやがられていただろうなというのは、 '20年コロナ禍での自粛期間で、2か月中2回しか外に出なかったこと。普段から休みの日はずっと家にいるし、女房はたぶん、かなり変人だと思ってる。でも僕は変えられないので、女房は半分あきらめてるんだろうな。でも、エンケンは奥さんに合わせるでしょ?

遠藤「怒られたりしますね(笑)。いまだに銀行の手続きを、1人でできないし。洗い物も、なるべく手伝うようにしているけど、ちゃんと洗い切れてなくて怒られる(笑)」

小日向「僕は逆だ。徹底して洗う。食洗機に入れる前に全部洗い流して、それから入れるもん」

 ほのぼの家庭人の一面に、思わずほっこり。そんな2人の共通点は、音楽好きなところ。


遠藤「でも聴き方が違いますよね。俺はウォーキングしながらですけど、小日向さんは自宅で聴くんですよね?」

小日向「うん、じっくりと。今は、ジャジーな雰囲気のアンジェリーナ・ジョーダンというシンガーが好き」

遠藤「俺が今ハマってるのは、テイラー・スウィフトのいちばん新しいアルバム。その中の1曲が好きで、そればかりしつこく聴いてます」

小日向「僕もしつこく何度も聴くな。同じだ」

 逆に、真逆なのが読書について。小日向は「エンケンがすごく本を読むということにびっくりした」と言い、遠藤は「小日向さんが読まないと聞いてびっくりした(笑)」と。

遠藤「もともとは全然読まなかったんです。高校中退して劇団に入って、そこで読めと言われて読むようになったんですけど、小日向さんは……」

小日向僕は、中学高校のころはよく読んでたの。でも劇団に入ってからまったく読まなくなった。『ムー』は読んでたけどね(笑)。エンケンは、暇さえあれば読む。台本を読んだあとに本を読むと聞いて、ほんとびっくりした(笑)。僕はムリだ

心のあったかい芝居が魅力だと思う



 一六の上司で警務部長・千住遼子を演じる田中美佐子、元署長で今は居酒屋「みつる」の店主・二宮満役の小野武彦など、スペシャルからおなじみの面々も続投。現場では「美佐子さんが面白くって」と、2人が口をそろえる。

小日向「美佐子さんが、スペシャルのときよりセリフが増えていて、“私、こんなにしゃべってなかったんだけど。あなたの分を私がずいぶんしゃべらされてる”って笑ってました」

 また一六の相棒として新たに加わった四堂厘太郎役の古川雄輝は、「いつもニコニコしていて、すごく好青年」と小日向。

遠藤「高校まで英語圏で暮らしていたと聞いて。今、すごくきれいな日本語をしゃべるし、ものすごくお芝居も上手なので、どれだけ努力してきたんだろうって、びっくりしました」

小日向「偏差値、高いよね。僕たちより全然(笑)」

遠藤「俺と一緒でいいの?(笑)」

 というわけで、放送開始が待ち切れないこのドラマ。最後に見どころを聞くと。

遠藤「小日向さんを筆頭に、美佐子さんもオノタケ(小野武彦)さんも、みんな心のあったかい芝居をするので。このあったかさが作品の魅力じゃないかという気がします。刑事役であったかいものが全面に出ている人ってそんなにいないけど、小日向さんはすごくあったかい。そこがいいんじゃないかな」

小日向「この年になって、そういう役をやらせてもらえるだけでもありがたいな」

遠藤「また続いたら、やるしかない(笑)」

小日向「いや~、どうかなあ(笑)。とにかく今は、来ている台本を全部頭に入れないと!」

Q刑事ドラマの魅力は何だと思いますか?



「実際に起きている事件では、犯罪者の心理などはわからないけれど、ドラマではそのときの心境や手口が明らかになっていく。ドラマだからもちろん虚構なんだけれど、非日常的なドキドキ感が味わえるところが魅力なのかなと思います。あと、一緒に推理する楽しさも」(小日向)



「今はお酒をやめちゃったので行ってないんですけど、前によく行っていた焼き鳥屋さんのママが刑事ドラマをすごく好きで。お店で流しっぱなしにして、料理を作りながら見てたんです。あれは話の流れを見るのが楽しかったんだなと。物語がテンポよく展開していくから、飽きないんじゃないかな」(遠藤)


金曜8時のドラマ『嫌われ監察官 音無一六』5月6日(金)スタートテレビ東京系毎週金曜夜8時~(※初回は2時間スペシャル)

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上野樹里、売れっ子女優なのに“自由に動ける”理由

2022年5月6日 17:30 週刊女性PRIME

上野樹里('19年・ドラマ打ち上げにて)

 今年3月をもって大手芸能事務所・アミューズから独立し、Don-crewと業務提携という形を取って個人で再スタートを切った女優・上野樹里。現在は4月期の連続ドラマ『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』(TBS系)で主演を務めているが、5月に入ってからは、TRICERATOPSのボーカルを務める夫・和田唱の騒動の“フォロー役”に回り、業界内外で一目置かれていたようだ。

和田は奥田民生にキレていた


 このゴールデンウィーク期間中、音楽ファンを中心にネットを騒がせた和田。彼が率いるTRICERATOPSは、4月29日〜5月1日に開催されたロックフェス「ARABAKI ROCK FEST.22」の2日目に参加し、そのステージにはレミオロメン・藤巻亮太やGRAPEVINE・田中和将、ユニコーン・奥田民生などがゲスト出演していたが、和田は5月2日にTwitterを更新して、

《ステージ上での泥酔を良しとする風潮はどうなのよ?それを最高だの可愛いだの言うお客さんも俺はどうかと思うし、許してるスタッフの大人たちも問題ありだと思う》

《周りがチヤホヤして許すから裸の王様が出来上がるんだ。みんなが言わないんだから俺が言う。以前は尊敬してたけどね》

 などと投稿。この時点では名指ししていなかったものの、ネット上では「自分も現地にいたけど、あのステージで泥酔していたのは奥田民生」「和田がキレている相手は、奥田民生ですね」などと話題に。

 和田はその後のツイートで、

《民生さんと直接やり取りができた。民生さんは謝罪をしてくれた。俺も思ってることをハッキリ伝えた。一連のツイートは消すことにします。俺は、シャイだけどカッコいいOT先輩が見たかったんだ。昨日ツイートせずにいられなかったのは『あの感じ』がまかり通ってる風潮に怒りを覚えたからです》

 とつづり、やはり当該人物は奥田であったことを明らかにした。

「和田によれば、すでに奥田と話がついており、謝罪もしてもらったということですが、同騒動について、ネットユーザーの間で賛否両論が飛び交っていました。和田の主張を“もっともだ”と受け止める者もいれば、“民生さんが先輩だから直接言いにくかったのかもしれないけど、わざわざTwitterで騒ぎにした和田も、なんだかな〜”といった反応を見せる者も」(音楽誌ライター)

上野樹里が“自由に動ける”理由とは


 なお、和田が削除する前のツイートには、一般ユーザーから“泥酔するようなミュージシャンをステージに呼んだのは和田側ではないのか?”という主旨のリプライがついていたのだが、これに対し、和田の妻である上野が登場して、「ゲストに呼んだのは唱さんじゃありません。イベント側です」と説明。この展開は、一部ネット上で「上野樹里まで出てきた!」と注目されていた。

「奥田側の謝罪が報告された後も、ネット上の音楽ファン、特に奥田ファンの中には、和田へのモヤモヤを抱えたままの者も少なくない様子。

 一方、上野に関しては事実を補足しただけなので、これといって叩かれていませんし、業界内ではむしろ『下手に首を突っ込めば“飛び火”する恐れもあったのに、それでも夫をフォローした勇気はすごい』と感心する声も聞こえてきます。和田の立場からしても、妻が公に味方してくれてさぞ心強かったでしょう」(同・前)

 そんな上野といえば、昨年、同じく女優の戸田恵梨香と水川あさみが“不仲説”を否定するSNS投稿を行った際も、自身のTwitterで「水川あさみちゃん、戸田恵梨香ちゃん、偉いよ!最高だよ」などと称賛し、彼女たちを上手にアシストしていた。


「このように、上野はもともと自然にフォローやアシストができるタイプですけど、今春の独立によってさらに自由な動きが可能となったのでしょう。だからこそ、夫の騒動にも躊躇なく介入できたのでは。上野は今後ますます、公私にわたって周囲から頼りにされる存在となっていきそうです」(スポーツ紙記者)

 ちなみに、TBSで主演中の『持続可能な恋ですか?』についても、本来起用される予定だった戸田が降板したため、上野が代役を引き受けた……という経緯が報じられていたが、結果として同ドラマはネット上で概ね好評。上野は女優業でも、しっかりと局を助けてあげられたようだ。

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柴咲コウ“朝活儀式”は怒涛の3時間コース

2022年5月6日 17:00 週刊女性PRIME

柴咲コウ。欠かせないといわれても絶対まねできない。職人のような朝活が話題だ

 柴咲コウのYouTubeチャンネルで公開された朝活はとにかくスゴイ! 内容が多すぎて、いつ終わるのか不安になるのだ。目覚まし時計で6時に起床してから約3時間(!)かかる、その豊富なメニューは以下の9つだ。

女子力MAXな朝活


1 起床&体温測定
2 舌磨き
3 白湯を飲む
4 瞑想
5 掃除
6 猫散歩・植物水やり
7 ティータイム
8 朝食の準備
9 夜ご飯の支度


 朝の時点で「夜ご飯の支度」まで終えてしまう丁寧な暮らしぶりにぐうの音も出ない。まず注目したいのが2番目の舌磨きだ。これにはアーユルヴェーダ発祥の習慣で銅製の専用掃除道具、タングスクレーパーを使う。

「習慣になると、しないのが気持ち悪い。舌磨きとうがいを済ませると朝が始まる気がする」(柴咲、以下同)

 パジャマ姿で舌磨きを終えた後は、白湯タイム。

「胃腸が弱いので、なるべく優しく胃腸を起こす」

 白湯を沸かすのに使うのはアラビカのコーヒーケトルだ。大きな窓のあるリビングとハーブ栽培のプランターが置かれたテラス。白湯を注ぐスッピンの柴咲の姿が尊すぎる。白湯の後は、ヨガマットの上で20分の瞑想。

「脳みそって余計なことを考えるから、整理するために瞑想。そうするとその後の生活や仕事がうまくいく」

 凡人はこの瞑想で寝落ちだろう。お次は朝の掃除。

「趣味は掃除。料理よりも掃除が好き。友人の家を1日かけて掃除したことも。“ちょっと掃除していい?”ってやりだしたら止まらなくて」

 と、テレビ番組で驚きのきれい好きぶりを披露した柴咲。掃除機はダイソンだ。

 愛猫の散歩(?)とハーブの水やりを終え、ティータイムを迎える。KINTOのティーポットに自家製ハーブでお茶を入れる柴咲。ひとつひとつのルーティンが意識高く、絵になりすぎる。

 朝食は玄米、味噌汁、魚が定番。料理上手でキムチや梅干しも手作りする柴咲だが、味噌も自家製。そして締めくくりは、夕食用の玄米を水に浸す作業─。

「ルーティンも惰性じゃなくて愛をもって徐々に向上しながら、自分に合うスタイルを見つけて更新していければ」

 ハードルが高い神聖な朝活儀式であった。

取材・文/ガンガーラ田津美

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