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この作品「【FGO】ピオぐだSSログ【現パロ込み6本】」は「FGO」「Fate/GrandOrder」等のタグがつけられた作品です。
【FGO】ピオぐだSSログ【現パロ込み6本】/サイカの小説

【FGO】ピオぐだSSログ【現パロ込み6本】

2,900文字6分

上げ直させていただきました、、!
現パロ込み、Twitterログです。全6本。なんでも許せる方向け。

2022年4月25日 22:22
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 思い起こせば、この気持ちを抱きだしたのはいつからだったか。生前、僕には妻が居たが、彼女のときとはまた別の心地で彼女と在るのだ。
「アスクレピオス?」
 宝石のようなきらめきを宿す、彼女の瞳が僕を捉える。少し黙ったが、なんでもない、と返して、カルテ用のタブレットを弄りだした。今日は立香のマイルームで過ごしている。
「ねえ」
「なんだ」
「私、もっと、恋人らしいことしたいんだけど」
 なんだそれ。視線をやると、立香は気恥ずかしそうにジッと僕を見詰め、「キス、とか」と、とても小声でつぶやいた。
「キス?」
「私は初めてだし、それでもよければ、だけど」
 ストレートに好意を告げられると、此方も動揺するわけで──好きなわけであるから、だ。視線を外し、袖で口元を押さえつつ、少し黙った後。「かまわない」、タブレットをそっとベッドに置いた。そっと立香の傍に寄り、袖から手を出して彼女の頬へ軽く指で触れる。温度を持っている。
 散々一生懸命に僕を見詰めていたが、結局真っ赤になり視線を外した。それに釣られて、僕も顔が熱くなることを自覚する。なんだ、この可愛い生き物は。
「言っておくが。僕も、英霊になってからは。初めてだからな」
「うん」
「若い姿で召喚されて……。み、未熟かもしれん」
「大丈夫。いとしいって思うから、それさえ」
 ふふ、と花弁が舞うように笑う立香に、居てもたってもいられず、優しく口づける。ディープなものには至らず、ただ、温度を感じ合っているだけだが、彼女の柔らかなそれは、僕を受け入れた。そっと離れると、抱き着いてくる彼女は。
「……ありがと。アスクレピオス。大好き」
 そう言って屈託なく笑い、唇を指で押さえて、リップケアしといてよかったと小声で言う。くそ、際限なく可愛いな。「僕も、同じ気持ちだ。ありがとう」それ以上に想っている自信はあるが、まだ秘密にしておこう。

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