熊本・秀岳館高校サッカー部の男性コーチが部員に暴力行為をした問題で学校側が会見を開きました。
これまでサッカー部の段原一詞監督は部員たちの謝罪動画について「部員が自主的に謝罪した」としていましたが、実際は監督立ち合いのもと撮影。さらに、監督が内容を指導し、部員たちに実名顔出しをさせていたということです。また、学校の調査では職員から生徒や、生徒間での暴力行為が50件以上発覚しました。
問題の核心は何なのか、俳優の鈴木福さんと一緒に掘り下げます。
■強豪サッカー部コーチが暴力行為
上村彩子キャスター:
サッカー部のコーチから部員への暴力行為が問題となっている熊本県の秀岳館高校。5日午後2時から記者会見を行いました。今回の暴力問題の発端となったのは、SNSへの動画投稿でした。
4月20日、秀岳館高校サッカー部の寮で30代の男性コーチが3年生の男子部員に対し、背中を殴る、太もも付近を蹴るなどの暴力行為を行いました。
それと同じ日です。暴力行為の動画がSNSに投稿されて、問題が発覚しました。後日23日にこの男性コーチが退職願を提出。2日後の25日には、暴行の疑いで書類送検されました。
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この秀岳館高校というのは、どんな高校かというと。熊本県の八代市にある高校でサッカー部は2014年、全国大会に出場。プロ選手も多数輩出するなど、熊本県内屈指の強豪校として知られています。
寮には、監督、コーチ、部員およそ210人が共同で生活をしていて、暴力行為を行ったコーチは寮の監督責任者を務めていたということなんです。
全校生徒に暴力行為のアンケート調査を実施しました。
▼暴力行為についてのアンケート結果
サッカー部…38件
職員から生徒…25件(25件中24件は、暴力行為を行った30代のコーチ)
生徒から生徒…13件
サッカー部以外…15件
職員から生徒…9件
生徒から生徒…6件
井上貴博キャスター:
30代後半の私の感覚としては部活動でまだこういったことがあった時代で、正直そういったものも教育の一環という空気がありました。一方で今は体罰じゃなくて暴行、暴力、傷害である。今年18歳になる鈴木さんに今感じていることを率直にぜひ伺いたいです。
俳優 鈴木 福さん:
暴力行為っていうのは絶対にいけないことでありますし、今の時代の風潮として合っていないっていうのはもちろんだと思います。ただここまでSNSを使わなければいけないほど追い詰められてしまっていたのか。あとは他に相談する相手がいなかったのか、部内全体でSNSに投稿しなければいけなかったのかがすごく疑問です。一番大事なのはこうやって、問題としてしっかりと確立されてから、その次に起こす行動を直せるかだと思います。
あとは先生方が一番謝罪しなきゃいけないのは生徒と、あと保護者の方々だと思います。そこに関して僕たちやSNSを見る側、そしてニュースを見る側の人たちが何か言うことではないというのをすごく感じています。
井上キャスター:
本当にメッセージを伝えるべき人間が誰なのかというのをもう少し精査しないと、おかしなことになるんじゃないかということですね。
俳優 鈴木 福さん:
やっぱりこうやって周りに影響を与えるっていうのは一つの形だとは思います。ただ一番大事なのはその学校の、職員や先生方、そして保護者、生徒っていうこの形がしっかり成り立っているのかが、大事なんじゃないかとずっと思っています。