- 1二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:23:57
- 2二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:24:58
なにっ!?ファルトレ♀ガチ恋フラッシュ!??
- 3二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:25:18
スカーレットが…良くない目で狙われてる…
勉強を教える機会が増えるのは当然口実の為で…… - 4二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:28:27
- 5二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:34:20
- 6二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:35:04
これじゃフラッシュがドスケベみたいになっちまう
- 7二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:38:16
優しいな〜フラッシュさん☆って世話焼かれてるうちに戻れないところまでいってそう
- 8二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:39:07
天道虫の会(意味深)
- 9二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:42:03
ダスカなら正面から直球ばっかり投げてそう
しょっちゅうお出かけに誘うしエスコート完璧そう - 10二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:42:45
女帝に百合百合するフラッシュはちょっと見てみたい
- 11二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:48:54
ファル子のダンスレッスンに付き合うという名目で彼女の無防備な姿を堪能しているんだ
でもトップウマドルとして輝きたくて懸命に頑張る彼女の姿に罪悪感が募るんだ - 12二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 00:57:11
タキオンやウオッカにリサーチしてダスカの趣向を徹底的に調べあげるフラッシュ……
後日、スケジュールは秒刻みなのに完璧に自分のペースに合ったお出かけになってて戦くスカーレット…… - 13二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 01:06:05
おっぱい 大好きなフラッシュとか最高やん
- 14二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 01:07:15
ドイツって同性婚OKじゃなかったっけ?
- 15二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 01:08:53
このレスは削除されています
- 16二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 01:13:50
なんだろう
ファル子相手だと百合の醍醐味みたいなのが想像できるのに
スカーレットだとスパダリもしくは微ヤンデレしてるのが想像できて全然違うんですねえ…… - 17二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 13:06:36
あげ
- 18二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 13:07:33
フラファルはいいぞ
- 19二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 14:25:03
ねぇ、フラッシュさん?ここどうやって解けばいいのかな☆」
「ではその問題のどこがわからないのでしょうか?」
「う~ん、わからないところがわからないっていうか…」
今日はファルコンさんの勉強を見てあげています。
なんでももうすぐある定期考査で赤点を取ってしまうと、補習で大事なライブが出来なくなってしまうのだとか。
まだまだ試験まで日数はありますが、彼女曰く「早めにやっとかないと間に合わない!」とのことだそうで
今まで補習の常連だったファルコンさんが、計画的に準備しようとしている事は大きな成長だと思います。
「一生のお願い!一緒に解いてほしいな♪なんて☆」
「それ今日何度目ですか…。まあ、仕方ないですね。このままでは予定を大幅に超過してしまいますから。じゃあこの問題は教科書のこのページを参照して…。」
ファルコンさんの勉強に付き合うのは珍しい事ではありません。ですが今日のファルコンさんはなんというか… - 20二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 14:25:43
(距離が近いです。)
今も隣で真剣に私の解説を聞いています。私の半身に彼女の体温が感じられるほど近く。
すぐ横に好きな人の顔があって、ついそっちを見てしまいそうになります。
これでは私の方が集中できませんが、彼女の熱意を無碍にする訳にもいきません。
終了時刻まで鋼の意志で耐えきるまで。
その時、私の肩とファルコンさんの肩が触れ合いました。ついドキッとしてしまいます。
「ファルコンさん、流石にちょっと近すぎです。少し離れましょう。」
胸の高鳴りを悟られないように、平静を装って自然に距離を取ろうとしました。
そんな私の腕をぎゅっとファルコンさんが掴みます。
「だーめっ☆最近フラッシュさんと触れ合う機会なんてなかったんだから☆」
確かに近頃はあまり接触はなかったように思います。
どうしても距離感が近い彼女にはドギマギさせられてしまい、疲れてしまいますから。
それにこの気持ちがバレてしまえば、彼女と離れなくてはならなくなってしまう。 - 21二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 14:26:11
フラファルの百合はガチ性癖だからもっとくれ
- 22二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 14:26:55
そんな私の葛藤など露知らず
彼女はそのまま私を抱きしめました。
「…っ!」
「あー、やっぱりフラッシュさんって柔らかくて気持ちいい☆」
もう私の心臓ははち切れそうなほど高鳴っています。バレてはダメなのに。でも彼女に包まれているという現実がどうしようもなく幸せで尻尾の揺れを抑えられません。
離れないといけないのに、不安と喜びで頭がぐちゃぐちゃになって何もできませんでした。
「…ファル子ね、フラッシュさんにとっても感謝してるの。いっつも助けてもらってるから。ありがとう。」
そう呟くように言ったファルコンさんからトクントクンと心臓の音が伝わってきます。まるで私を安心させようとしてくれているみたいなリズムで。
そんな彼女の温かさに絆されたのか、私から離れる気が無くなっていくようでした。
「私こそファルコンさんにはいつも元気付けられていますから。感謝していますよ。」
クラシックの有馬記念が終わった後、自分を見失っていた私を旅行に連れ出してくれた。あの時、貴女がいなければ今の私はいないでしょう。
普段は何も考えていないような気がするけれど、しっかり私の事を見て理解してくれている。それがどれだけ私の力になったか。
それに夢に向かって努力を続ける貴女、ステージでキラキラと輝く貴女、ころころと笑う貴女、いつだって貴女は私に元気をくれているんですから。 - 23二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 14:27:28
「えへへ♪嬉しいな☆じゃあもっとぎゅーっとしちゃう!」
彼女も照れているのでしょうか尻尾がパタパタと嬉しそうに動いています。
「いっつもファル子を応援してくれているフラッシュさんに握手会!じゃなくてハグ会!フラッシュさんだけの特別なんだから☆」
「そうなんですか。じゃあ私も。」
ファルコンさんの背中に手をまわしました。今まで以上に体が密着します。彼女の呼吸音が、鼓動が、熱が、匂いが、彼女のすべてが感じられるようです。
なんて幸せなんでしょうか。
そうやってしばらくお互いの存在を感じていました。
「フラッシュさん、大好きだよ。」
「私もですよ。ファルコンさん。」
彼女の好きと私の好きは違うでしょう。でも例えそうでも彼女が彼女らしくいられればそれでいい。
だからどうか、この幸せな日々がずっと続きますように。 - 24二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 14:28:40
オイオイオイオイ…最高じゃねぇか………
- 25二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 14:29:54
あー好き…
- 26二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 16:04:25
危うく変な川を渡りかけたじゃねぇか
- 27二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 18:21:05
皆で渡れば怖くないぞ
- 28二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 20:52:37
対スカーレットは資料が公式しかないんでもっとください(切実)
- 29二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 08:37:30
このレスは削除されています
- 30二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 08:40:38
フラトレ♀→フラッシュ→ファル子→ファン1号→フラトレ♀
無限ループ!!! - 31二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 09:17:32
- 32二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 20:56:29
いい...
- 33二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 20:59:00
なんかssあるやん!
- 34二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 21:05:23
落ち着いてくださいお義父さん
- 35二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 21:20:34
- 36二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:04:35
「みんなー!今日は来てくれてありがとー☆いーっぱい盛り上げていくからよろしくねー!!!」
「じゃあいっくよー☆今日もーーー?」
「「「「逃げ切りー!!!!」」」」
聞きなれたコーレスと共にライブが幕を開けます。
私、エイシンフラッシュは今、スマートファルコンさんが率いる逃げ切りシスターズのライブに来ています。
元々ファルコンさんが(無理やり)結成した非公式のウマドルグループでしたが、
晴れてトレセンの広報活動として生徒会のお墨付きをもらい、現在は学園内外問わず定期的にウマドル活動を行っています。
その人気はすさまじく、こうしてライブを開催すれば会場が大勢のファンで埋め尽くされてしまうほどです。
「はぁぁぁあ!!逃げシスの皆さん尊すぎでしゅ~!!!最高ォ~!!!(*´Д`)」
隣で昇天しかけているデジタルさんと私は最前列に陣取っています。私たちはよくファルコンさんのお手伝いとして場内の整理や機材のセッティング等をさせて頂いているのですが、逃げ切りシスターズの皆さんにそのお礼として特等席を設けていただいているのです。
初めて最前列を体験した時の事は今でも鮮明に覚えています。まるでステージの上で煌びやかに踊る彼女らを独占しているような感覚。奏でられる音楽や歌声の全てを。
そして圧倒されるような彼女達の情熱を。
その感覚が忘れられず、今ではこの席でないと満足できない様になってしまいました。 - 37二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:05:07
現在も彼女達はステージの上で、いつもと変わらず、いえ前回よりもさらに磨きをかけて輝いています。
メンバーの一人一人がお互いをさらに引き立てるように、時計の歯車のような精密さで。かと思えば荒波のように大胆で力強く。
しっとりとした曲、明るい曲、そして愛を叫ぶ曲。恐らく相当練習したのでしょう。どの曲も完成されていて、彼女たちをトップウマドルらしく美しく彩っています。
…そして誰よりも私の心をとらえて離さない人。ファルコンさんも。
普段、部屋やダンスレッスンで見せる彼女とは全く違う気迫。心を揺さぶるような歌とダンス。スポットライトにキラキラと光る汗。ファンの想いへ応えようとするかのような強い眼差し。そして弾けるような笑顔。
ステージの上では彼女という存在そのものが、太陽のように輝いていました。
(本当に綺麗ですね……)
ウマドルとして輝くファルコンさんは大好きです。その気持ちに嘘はない。
ですが、ステージの上の彼女を見るといつも望んでしまう。
あの溢れ出る情熱を私だけに向けてほしい。私だけのファルコンさんでいて欲しいと。
…しかしながらそれは不相応な願いだと知っています。
彼女はステージの上で煌めく存在になりたい、そしてそんな彼女を輝かせるには、私という存在はあまりにも小さいのだから。
そんな私の気持ちとは裏腹にライブ会場はいよいよ盛り上がり、彼女たちの歌声と観客のコールが一体になりホール全体を揺らします。
後ろを見れば数多のサイリウムはまるで大河のようにうねり、ウマドル達をクライマックスへと押し上げるようです。
ファルコンさん達もその声援に応えようとあらん限りの声で歌います。叫び、全てを出し切るかのように。
私も他の声援に負けないように応援しました。だって彼女達を、ファルコンさんを応援する気持ちはだれにも負けない自信があったから。
けれど私の小さな声は、周りの声にまるで太刀打ちできなくて。
彼女に伝わることもなく、会場の熱狂へと溶けて消えていくようでした。
ーーーーーー - 38二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:05:51
ライブの片付けも終わり、誰もいない観客席でファルコンさんを待っていました。
そこは先ほどまでの盛り上がりが嘘のようにガランとしていて、遠くでファルコンさん達やスタッフの会話が聞こえるのみです。
ライブが終わった後は、いつもこうやってファルコンさんを待ちます。みんなのウマドルだった彼女を二人きりで部屋にまで送り届ける。そうすれば、その時だけは私だけのウマドルでいてくれるような気がしますから。
欲深い私のほんの少しのわがままです。
「フラッシュさんおまたせー☆」
ファルコンさんが舞台袖から現れます。
どうやら他のメンバーは先に帰ったようです。彼女は小走りでステージの階段を下りてきます。
「ファルコンさん、お疲れ様でした。」
「フラッシュさんこそお疲れ様、今日は付き合ってくれてありがと☆」
彼女はいつものようににっこり笑って言います。ライブ終わりで疲れているでしょうに全くそれを見せず。
ファンへの姿勢を大事にしている彼女の事ですから、これが当たり前なのかもしれませんが。
「今日の私はどうだった?フラッシュさんの感想欲しいな~」
「とても輝いていましたよ。素晴らしかったです。」
「やったー!感想ありがとー☆」
この問答もいつも通りです。ですが彼女はいつも、まるで初めて褒められたかのように喜びます。
そんな彼女が可愛くて、つい私も顔が緩んでしまいます。
そしていつも通りそのまま寮に帰る…はずでしたが今日は違いました。
では帰りましょうと声をかけようとした私にファルコンさんは待ったをかけます。
想定外の行動に戸惑う私に彼女は言いました。 - 39二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:06:59
「……ねぇ、今日は何の日か覚えてる?」
上目遣いに尋ねられました。
スケジュールを完璧にこなすことを信条としている私ですが、今日が何の日だったか思い出すことが出来ませんでした。
何かを期待しているかのような彼女の様子から特別な日であると思われるのですが。
彼女と私にとって特別な日を忘れる。
そのようなことがあってはいけません。頭をフル回転させ記憶をたどります。
しかしなかなか思い出せず黙ってしまいました。
そんな私を見かねたのかファルコンさんは言いました。
「ちょっと意地悪だったかな?今日はフラッシュさんが初めて私のライブを見に来てくれた日なの!」
そう言われて思い出しました。
駅前のガード下で一人で踊る彼女を初めて見たあの日。夕日に照らされたその姿が同室の彼女のものとは思えず、見惚れてしまったあの日。
その時からです。ファルコンさんの夢を知って、ずっと応援しようと心に決めたのは。
そんな大事な日を忘れるなんて。
「すみません。私としたことが完全に忘れていました」
申し訳なさに耳が下がってしまうのがわかります。
ファルコンさんは慌てたように言いました。
「ちょっと!?落ち込まないでよフラッシュさん!?ファル子全然気にしてないから!」
そしてちょっと照れたように頬を少し赤くして続けます。
「あのね、今日は皆に無理言ってライブの日程を合わせてもらったんだ。私にとってとっても大事な日だから」
「最高にキラキラしてる私で居たかったの。フラッシュさんの為に」 - 40二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:07:32
私の為?どういうことでしょうか。
「あ、あのね。今日はファル子になんでもお願いしていいよ。あ、あんまり恥ずかしいのは無しで…☆」
そう言った彼女は更に真っ赤になってもじもじしています。それがいじらしくて堪らなくて。
そんな彼女の愛らしさに理性まで溶けてしまったのか、私の心に沈めていた欲望が口を衝いて出てしまいました。
ついぞさらけ出すことのなかった暗い独占欲が。
「私だけのウマドルでいてください!」
あまりにも自分勝手で傲慢な願い。それが口から迸った後、深い後悔に苛まれます。
それは彼女の夢そのものを否定する事に他ならないからです。
ファルコンさんも一瞬固まった後、困ったように黙ってしまいました。
しばらく居心地の悪い静寂が流れます。
「ごめんなさい、今のは冗談です。忘れてください」
私は逃げてしまいました。耐えきれなかったのです。美しい彼女の夢を欲望で汚してしまった事が。
そのまま帰ろうとします。だってもう純粋な彼女のファンではいられないのですから。 - 41二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:08:04
「待って!!フラッシュさん!!」
ファルコンさんは去ろうとした私の袖を掴みました。どれだけ力を入れてもビクともしません。
彼女の顔を見ると、決意したような真剣な眼差しで私を見つめていました。
ステージの上で見た彼女の眼差し、私にとっての憧れで大好きな瞳。
「いいよ。フラッシュさんになら」
えっ?思わず聞き返しそうになります。
「でも、今のファル子は皆のウマドルなの。だからね。しゃい☆」
掛け声と共にファルコンさんは髪のリボンをほどきました。
纏まっていた栗毛のツインテールが重力に従ってサラリと流れます。
その姿は私がいつも見ている彼女で。
「この私はフラッシュさんにしか見せない特別なの! だからね、今はあなただけのウマドルだよっ!」
そういって、たたたっと階段を駆け上がり、私ににっこりと笑いかけてくれました。
弾けるようなウマドルの、でも私だけに向けられている最高の笑顔で。
「ファル子によるフラッシュさんの為だけのスペシャルライブ! 曲は!全速!前進!ウマドルパワー☆!!」
「じゃあ、いっくよー☆ ファル子が逃げたらー?」
ああ、ファルコンさんに出会えて、好きになって本当に良かった。
「追うしかなーい!!!」
ーーーーーー - 42二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:09:15
ーキミを見つけて 嬉しいから♪
私の目の前でファルコンさんが歌って踊ります。
ーずっと見つめていてもいいですか?♪
スポットライトもなく、音源はスマホのスピーカー。
飾り気のないたった二人のライブ。
ー私の夢も 諦めないよ 大切な気持ちが ここにある♪
でもそれは、今までのどんなライブよりも私の心を震わせました。
ー負けたくないよ 決めたことだから♪
彼女の声が、夢への想いが。
ー全速!前進!好きな気持ち抑えきれない!♪
そして彼女の愛情が伝わってくるようで。
ー今日も走るよ♪
だから、精一杯彼女を応援しました。
この想いが、もう何にも掻き消されないように。
ーーーーーー - 43二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:11:10
えっ尊い……!!
虹の橋がみえりゅ… - 44二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:12:20
ーーーーーー
「応援ありがとー☆どうだった…って。フラッシュさん泣いてるの!?」
いつの間にか涙が溢れてしまっていたようです。こんな事初めて。
「フラッシュさんは笑顔が一番なんだから。ほら、ハンカチだよっ!」
彼女は優しく涙を拭ってくれました。ピンクと紫のチェックのハンカチ。
ファルコンさんのお気に入りのそれはとても暖かくて。
「ファルコンさん、ありがとうございます。最高のライブでした。」
泣きながら笑う今の私はどんな顔をしているのでしょうか。
「えへっ♪そう言ってもらえるとウマドル冥利に尽きるかも☆」
彼女も心底嬉しそうに笑いました。その無邪気な笑みに少しだけ我儘を言いたくなって。
「アンコール、はダメでしょうか?」
「ごめんね。これ以上はスタジオさんに迷惑かけちゃうから」
やはりだめですか。名残惜しいですが仕方ないですね。ファルコンさんはそんな私を尻目にいそいそと髪を結っています。
「……フラッシュさんがして欲しいなら次もー」
「何か言いました?」
「何でもないよっ!ほら、準備できたから行こっ!」
「……もう鈍いんだから」
ーーーーーー - 45二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:12:45
帰りはいつも通りにファルコンさんをエスコートします。
でも今までとたった一つ違うことは。
「フラッシュさんの手、温かいね☆」
「あまり振り回さないでください。貴女のパワーではちぎれてもおかしくありませんから」
星空の下、手をつなぎ歩く私たち。
星たちはまるでサイリウムのように瞬いていました。 - 46二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 09:20:15
良い…よかった…ありがとう…
- 47二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 20:29:49
うわぁー!新作!
- 48二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 01:28:54
ageないと勿体ない素晴らしい出来
- 49二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 11:37:35
この手のスレは突然文豪の先生が湧いてくるんだ
この環境は保全せねばならない(鋼の意思) - 50二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 12:55:39
最高すぎる…ありがとうございます…
- 51二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 00:04:25
良い...
- 52二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 11:48:52
フラッシュ百合助かった
- 53二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 23:11:43
いいスレだ...
- 54二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 00:31:19
保守
- 55二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 12:23:43
フラッシュがガチ百合なら誰と組むのがおいしいだろうか
- 56二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 12:24:57
このレスは削除されています
- 57二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 12:26:07
- 58二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 00:09:11
あぁ^〜
- 59二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 11:41:40
いい百合だ
- 60二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 11:44:09
- 61二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 23:13:40
いいね...世代が別だから違う顔が見れそう
- 62二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 10:54:56
フラッシュ百合概念好き
- 63二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 10:58:07
- 64二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:03:06
「羨ましいです」
窓の外を眺めながら、独り言つ。
晴れ渡った空、初夏の風は冴えた緑を揺らし、遠くからは街の喧騒と学生たちの励む声が聞こえます。
対照的に、寮内はしんと静まり返っていました。恐らく学生の多くは出払ってしまっているのでしょう。
今日は、著名なパティシエがオーナーを務めるスイーツ店の開店日。
本来であれば、ファルコンさんと一緒に行く予定でした。
…そう、今日はファルコンさんとのデートのはずだったのです。私にとっては。
その噂を聞いた時から、密かに彼女と行きたいと思っていました。
スイーツ。誇りである父との大切な思い出。私の生き方の根底にあるもの。
それを好きな人に知って欲しい、共有したいと思ったから。
けれども交友関係の広い彼女の事ですから、もう予定があるかもしれない。
そう考えてなかなか切り出せずにいました。
そんな折、彼女から二人で行こうと誘ってくれた時は、嬉しさに思わず表情が崩れそうになるのを必死に抑えて。
でも、多分私の声は喜びに震えてしまっていたのでしょう。
ファルコンさんもそんな私を見て、いつも以上にニコニコしていましたから。
その日から昨日までスケジュールを練り上げました。彼女に喜んでもらいたいと。
彼女に隠れて、寝る間を惜しんで。
ジョーダンさんやシチーさんにもアドバイスして貰い作り上げた完璧な計画。 - 65二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:03:33
…だったのですが、最早それは無意味な紙切れになってしまいました。
「ごほっげほっ…。ツイてないですね。」
よりにもよって今日という日に風邪を引いてしまうなんて。
幸い1、2日で治る軽い風邪との診断でしたが、むしろ憎らしく思ってしまう。
きちんと体調管理をしていれば避けられたかもしれないと後悔してしまいますから。
移さないように用意された隔離部屋で、私は一人寂しくベッドの上で悶々としています。
今日の為に課題もトレーニングも調節していましたから、こなすべき予定も無い。
読みかけていた本を読もうにも、どうにも手につかない。
どうしようもない退屈に体だけではなく心もベッドに沈んでしまいそうです。
…そしてなによりも、
「寂しい…です。」
そんな弱音はただ空気を震わせるだけで。
楽しみが無くなってしまったから? 風邪で弱っているから?
氷るように冷たい孤独がじわじわと私を蝕みます。
ああ、傍にファルコンさんがいて欲しい。ぎゅっと抱きしめて欲しい。この寂しさをその温もりで埋めて欲しい。
そんな想いを紛らわせようと枕を抱きしめました。
けれども、私の匂いしかしないそれは、冷えた心を少しも癒してはくれませんでした。
ーーーーーー - 66二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:04:06
ガチャ…ギィー…
ゆっくりとドアが開く音がします。
寮長さんでしょうか、私を起こさないように静かに傍の椅子に腰かける気配がありました。
まどろんでいた私は少し目を開けます。
「あっ。起こしちゃったかな? ごめんね」
申し訳なさそうに謝る彼女。
そこにいたのは、私の大好きな人でした。
備え付けられた机の上には、彼女が買ってきてくれたであろうゼリーや果実が置いてあります。
「…うつしてしまうかもしれないのに、どうしてきたのですか?」
本当は嬉しくて堪らないんです。貴女が恋しくてたまらなかったのですから。
できる事ならその胸に飛び込んでしまいたいほどに。
「どうしても心配になっちゃって。どう? まだきついかな?」
優しく労わるようなファルコンさんの声。
いつもの快活さは鳴りを潜め、慈しむように微笑む彼女に胸がキュンとしてしまいます。
「解熱剤も効いていますし、だいぶ楽になりました」
ですが、少し心細かったです…。そんな本音は言えないけれども。 - 67二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:04:35
「よかった。あのね、フラッシュさん今日の予定立ててくれてたでしょ?だからね…」
そう言って、ファルコンさんが取り出したのは一冊の手帳でした。
シールやペンでデコレーションされた表紙のそれは、確か衣装や歌のアイデアが詰まっている大事なもの。
彼女はその1ページを開いて見せました。
「じゃーん。フラッシュさんの今日のスケジュールだよ。ファル子が考えたの」
「ファル子がいなくてフラッシュさん寂しいかなって。だから一緒に過ごせる様に予定を立てたんだ」
☆ファル子とフラッシュさんのすぺしゃるスケジュール☆
そう銘打たれたページ。
青、ピンク、紺、赤、紫。
そこには様々な色の文字で今日の予定が綴られていました。
ですが、内容に具体性がなく、時間設定も甘い。
お世辞にも完璧とは言い難い出来です。
「気持ちはありがたいのですが、これは些か杜撰すぎるのでは?」
我慢できず、つい厳しく指摘してしまいました。せっかくの彼女の親切なのに。
ファルコンさんは明らかにしょげてしまって、尻尾が垂れ下がっています。
その姿に私の胸がキリキリと痛みました。
今だけは正確無比な私の習慣を恨んでしまいます。
このままではいけない。
必死に考えます。彼女の優しさを捨て置きたくはありませんでしたから。
そして私が出した答えは。 - 68二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:04:56
「ですから、一緒に考えましょう。少し手直しすればきっと最高のスケジュールになりますよ」
それを聞き、ぱぁっと花が咲くようにファルコンさんは笑顔になりました。嬉しそうに耳もピコピコと動き回っています。
その様子に、私もすっかり安心して心が軽くなるようでした。
「ありがとう! やっぱり頼りになるなぁ、フラッシュさんは」
そのような尊敬のまなざしで見られると少し気恥しくなってしまいます。
ここは期待に応えなければ。
「では、まずはこの予定から詰めていきましょう」
いつにもまして気を引き締めて作業に取り掛かりました。
ーーーーーー - 69二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:05:55
「ふんふんふふーん♪」
ファルコンさんは鼻歌を歌いながらリンゴを剥いています。
私にリンゴを食べさせたい、とどうしても彼女が言うものですから仕方なく予定に組み込んだのです。
…あーんして欲しいからではないです。決して。
ファルコンさんはクルクルと一続きになっている螺旋を眺めながら、ゆるく微笑んでいます。
私はそんな彼女を見て、静かな幸せに浸っていました。
例えデートでなくても、風邪を引いてしまっていても、彼女と一緒ならいつでも幸福でいられる。
改めてそれを実感できた気がしました。
「ねぇ、フラッシュさん出来たよ」
…いつの間にやら、リンゴを切り終わっていたようです。
食べやすいように一口サイズに切り揃えられて、ファルコンさんらしく可愛く盛り付けられています。
彼女はその内の一つに爪楊枝を突き刺し、
「はい、あーん」
私の元に差し出しました。
ぱくり。
恥ずかしさと期待に弾む内心を気取られないように自然に口に運びます。
何度も、もし彼女にしてもらえるならと想像していた一口。
それはどんなスイーツよりも、私の心を溶かすように美味しくて。
ファルコンさんの優しさのお陰でしょうか、その甘さは疲れた私の体の隅々まで染みわたっていきます。
まるで私を内から癒してくれているように。弱った心に元気を満たしてくれるように。
そんな甘い思いやりに、私の頬も緩んでしまいます。
ファルコンさんもまた、柔らかく顔を綻ばせていました。 - 70二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:06:17
「どう?美味しいかな?」
「ええ、とても。今まで食べたリンゴの中で一番美味しいかもしれません」
「えへへ♪まだまだあるからどんどん食べてね」
差し出されるままに口に含みます。その一つ一つに込められた温か味をしっかりと噛みしめながら。
静かな部屋に流れる、二人だけの穏やかな時間。
自分が風邪を引いていることなどすっかり忘れてしまうほど、幸せなひと時でした。
ーーーーーー - 71二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:06:50
…じっとりとした汗の不快感で目を覚まします。
窓から差し込む陽の光は少しだけオレンジに染まり、しばらく寝てしまった事を告げていました。
ファルコンさんはすでにいません。
始め彼女は、一日中私に付きっ切りでいると計画していました。ですが流石に私の気も休まらないですし、彼女の折角の休日を浪費させるわけにもいきません。
ですから、彼女が楽しめる時間を取ってくださいとお願いしたのです。
結局、私の食べたかったスイーツをお土産に買ってきてとお願いする形で半ば無理やりでしたが。
…スケジュールから考えると今頃お店についた頃でしょうか。
机の上には、
「いってくるねフラッシュさん。 もし喉が渇いたら机の上のドリンク勝手に飲んでいいからね」
可愛らしい丸文字の書置きがありました。
…確かに少し喉が渇きました。ここは彼女の厚意に甘えて少しいただくとしましょう。ビニール袋に手を伸ばします。
そして袋を手繰り寄せたとき、それがあった場所を見て固まってしまいました。
…そこにあったのは彼女の財布とスマートフォン。
恐らく、袋で隠れて気付かなかったのでしょう。
脳裏に彼女の姿がよぎります。
もし食べ終わり会計だという時に気付いてしまったら。
顔を青くして、オロオロと狼狽えるファルコンさん。店員や他のお客さんに白い目で見られて涙を流す彼女の姿を。
私は居てもたってもいられず、寝巻のまま部屋を飛び出しました。
ーーーーーー - 72二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:07:10
…おかしいですね。もう店についても良さそうなのに。
陽は傾いてきたと言え、まだ日中。
季節外れの強い日差しが照り付けます。その暑さは容赦なく私の体力を奪っていきました。
だらだらと嫌な汗が服を濡らします。
服が、体が重い。まるで鉛みたいに。
薬で抑えていた頭痛がまたぶり返してしまったようで、割れるような痛みに蹲ってしまいました。
ですが、
(ファルコンさんの為にも歩かなければ)
熱で鈍ってしまった思考では
知り合いに届けてくれと頼む、そんな単純な方法さえ思いつけず。
悲鳴を上げる体を叩き起こして。
「あ…れ…?」
突然視界がぐにゃりと歪み、そのまま意識が真っ暗になってしまいました。
ーーーーーー - 73二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:07:39
「…ここは?」
まず感じたのは、ツンと鼻をつく消毒液の臭いでした。
次に右手に感じた小さな痛み。
そこからは管が伸びており、点滴の袋に繋がれていました。
ぽたりぽたりと垂れる雫は蛍光灯の光を受けて鈍く光っていて。
その無機質な灯りはもう一人の存在も照らしていました。
項垂れて顔が見えないけれども、私の傍にいるその人は。
「ファルコン…さん?」
声をかけた瞬間、彼女は飛び上がるように顔を上げました。
ぼさぼさになった二束の栗毛。噛みしめられて真っ白になった唇。真っ赤に腫れあがった瞼。
頬には二筋の涙の跡。
…そして真っ赤に潤んだ彼女の瞳。
目が合ったその瞬間彼女はカッと見開いて。
「フラッシュさんのバカ!」
喉が張り裂けそうなほどの大声で叫びました。 - 74二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:08:03
「バカ! バカ! なんで、あんな無茶するの! フラッシュさんは病人なのに!!!」
「ゆっくりしててって言ったよね! 休めるように一緒に予定も立てたのに! なんでなんでなんで!!!」
「なんで! なんで! あんなことしたの!! 教えてよ!!!」
濁流のような怒鳴り声。
普段からは考えられないほどの剣幕でファルコンさんは私を責め続けます。
ポカポカと力なくシーツを叩きながら。その瞳からは大粒の涙を零して。
「これを渡そうと思って」
私の汗で湿ったそれらを彼女に渡そうと差し出します。ですが、財布とスマホは彼女の手によってパシリと叩き落とされました。
思わず固まってしまった私にファルコンさんは続けます。
「違う! そういうことじゃないの!!」
「なんでフラッシュさんは自分を大事にしてくれないの!? ファル子なんかの為に命を危険にさらして!! 死んじゃうかもしれなかったんだよ!!?」
「ファル子はこんなにフラッシュさんが好きなのに!! フラッシュさんより大事なものなんてないのに! ずっと一緒にいたいのに! 私からフラッシュさんを奪わないでよ。フラッシュさんが死んじゃうなんて耐えられないよ」
「そんなの嫌だよう…嫌…嫌…いや…」
子供のように泣きじゃくるファルコンさん。その姿を見て、ようやく自分が何をしでかしたのか気付きました。
私はとんでもない大バカ者です。またもや彼女の優しさを顧みない行動をとってしまったのですから。
埋め合わせに何をすればいい?どうすれば彼女に許してもらえるのでしょうか?
いえ、多分今の私に弁明の余地はないのでしょう。
彼女の負ったこの深い傷を癒せる。そんな魔法の言葉などありはしないでしょうから。
「ごめんなさい、ファルコンさん」
シーツに顔をうずめ泣き続ける彼女の頭を、私はただ撫で続けることしか出来ませんでした。
ーーーーーー - 75二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:08:59
「心配をおかけしてすみませんでした」
「ううん、こちらこそごめんね。ファル子が悪いのに」
ファルコンさんと私はベッドに二人並んで腰掛けていました。
彼女はもうすっかり落ち着いて、先ほどまでの激情は嘘だったかのように静かに足元を見つめています。
そんな彼女はぽつりと呟くように言いました。
「あのね、ファル子はね、昔は友達が出来なくて一人ぼっちだったの」
「親の都合で、引っ越しばっかりだったから」
「だからね、最初トレセンに来た時はすごく不安だったんだ。ここでもずっと一人なのかなって」
「でも、フラッシュさんはそんな私にもとっても優しくて、誰かと一緒に居られる幸せを気付かせてくれて」
「人生がこんなに楽しいんだって、素敵なものなんだって教えてくれた」
「フラッシュさんが傍にいてくれるから、キラキラ輝くファル子でいられるの」
「今日もね、確かにお出かけには行きたかったけど、フラッシュさんとだから行きたかったんだよ」
「フラッシュさんと一緒なら、いつでもどこでも幸せなんだよ」
俯きながら、一言一言こぼれるように吐き出す彼女は少し小さく見えました。
「だからね、フラッシュさんが倒れて救急車で運ばれたって聞いたとき、フラッシュさんが死んじゃうと思って」
「私がスイーツを食べに行こうって誘ったから、スケジュールを作ったから、うっかり忘れ物したから、ファル子のせいでフラッシュさんが死んじゃうって思って」
「頭がぐちゃぐちゃになっちゃって、全部ゆるせなくなっちゃって、フラッシュさんに当たっちゃった。辛いのはフラッシュさんなのに。ごめんね、最低だよねファル子」
彼女の声は震えていました。その爪が食い込むほど拳を握りしめて。
ぽたりぽたりと涙がスカートを濡らしていきます。
もう耐え切れませんでした。彼女の苦しむ姿に。 - 76二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:10:31
「ファルコンさん、顔を上げてください」
「…えっ?」
だから左手でそっと彼女を抱き寄せました。彼女の顔を胸に抱くように。
「やめてよ! フラッシュさんが汚れちゃう!」
彼女は私から離れようと暴れます。ですがそんなことはお構いなしに強く抱きしめ続けます。
そうしているとファルコンさんの抵抗もだんだんと小さくなって、最後には諦めたように私の胸に身を預けました。
「聞こえますか? 私の心音。ドキドキしているでしょう? 大丈夫、私は生きています」
いつもであればひた隠す私の想い、ですが彼女の為なら少しも恥ずかしくありませんでした。
「私がもし逆の立場だったら、同じことをしていたかもしれません。…いえ、確実に取り乱していました」
「…なぜなら、私もファルコンさんと同じ気持ちだからです」
「貴女と一緒なら、例えどんな時でもとても幸せになれます。特別な日ではなくても、辛いことがあった日でも」
「初めて会ったあの日から、貴女と過ごした毎日がかけがえのない思い出なんです」
「そしてこれからもずっと、貴女が隣にいて欲しい。いつもそう願っているんです」
自分でも驚くほどスラスラと想いの内を紡ぎだせます。ファルコンさんはそんな私の独白を黙って聞いていました。
「ですが、私は大切な物をよく見失って、今日のように貴女に心配をかけてしまう」
「貴女のように特別思いやりがあるわけではありませんから」
一呼吸置いて、覚悟を決めます。
「こんな私ですが、これからも一緒にいてくれますか?」
「…うん!もちろん!ずっと一緒だよ!」
顔を上げた彼女は涙と鼻水でぐちゃぐちゃで。
ですが、とびっきりの笑顔でした。
ーーーーーー - 77二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:10:52
結局、私は重度の脱水症状だったようで、しばらく入院しなければならなくなりました。
もちろん、学業はおろか練習にも影響は出てしまって。
出張先から飛んできたトレーナーさんからも強くお叱りを受け、しばらく無理なトレーニングは禁止されました。
自身の至らない行動がここまで周りに迷惑をかけてしまうとは、後悔しきれません。
そして、ファルコンさんにも。
「ファル子が見てないと、また無茶しちゃうから帰らない!」
彼女はそう駄々を捏ねて、抱き着いたまま放してくれずに。
そのまま面接可能時刻ギリギリまで粘っていましたが、その後は彼女のトレーナーに連れられて渋々帰っていきました。
ぴこん。
「また明日お見舞いに行くね☆ おやすみなさい」
「はい、待っていますね。おやすみなさい」
ーふう、スケジュールを大幅に調整しなければ。
病室に一人、夜空に輝く月を見上げて。
ぱたりと閉じた分厚い手帳。普段使いのスケジュール帳とは違う、誰にも見せない私だけの青写真。
黒と赤で埋め尽くされたその中に、ひとつ。
色とりどりのスイーツのように、その最高の1ページは美しく咲き続けていました。 - 78二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:18:18
いい栄養が摂取できた
- 79二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 12:39:52
ありがとう…ありがとう……😇
- 80二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 19:58:01
辻斬りSS助かる
- 81二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 05:48:00
野生の文豪のおかげで今日も頑張れる
- 82二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 16:59:35
とってもよかった...
- 83二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 00:10:26
次がくることを願って…おやすみなさい
- 84二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 11:11:37
全力でウマウマフラッシュ湿地帯条約に則り保全する
- 85二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 22:53:27
保守する
- 86二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 02:23:01
涙が出るほどに素晴らしいですね
本当にありがとうございます
生活の中で無意識にファル子に尻尾を絡ませてしまうフラッシュも居ると思います(幻覚を放る) - 87二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 02:31:01
ある日ファル子が起きたら枕元に黒い毛が落ちていて
まさかフラッシュさんがそんなことするワケないし!なんて思って怯えてたら歯磨きを終えたフラッシュが来るんだよね
フラッシュさんフラッシュさん!なんて寝起きボサボサウマドルフェイスで怯えるファル子のことをジーッと見つつ脳内ファイルに保存しつつ
こんな毛が落ちてたの!夜中何か見た!?なんて言うファル子を見て
自分が夜中にこっそり添い寝してることを思って、昨夜のことを思い出して
さぁ……わかりませんって言いながら少し赤い顔を背けちゃうの
あとよろしく - 88二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 02:42:18
オーマイガッ…フラファルは神
- 89二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 12:58:13
- 90二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 22:27:59
上げて保守
- 91二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 09:26:16
保守だッ
- 92二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 09:27:13
ホームシックで人恋しくなるフラッシュさんに甘えられるファル子
- 93二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 21:31:52
あげ