ハワイの小林旅館から届いたチョコ 広島のアメリカ村で私は育った

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戸田和敬
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 広島県に、かつて「アメリカ村」と呼ばれた場所がある。

 世界遺産厳島神社がたたずむ宮島。その対岸にあたる廿日市市地御前(じごぜん)には、新しい家々にまじって蔵のある屋敷が残る。旧地御前村は戦前、多くの村民をハワイや北米に送り出した。

 《太平洋を渡る移民たちと一緒に、冒険心を抱きハワイに降り立った若者》

 古い通りに面した「小林千古(せんこ)生誕之地」の石碑に、こんな説明が添えられている。すぐそばの地御前小学校には戦前、海を渡った人たちから寄付が集まったと言われている。この時期、アメリカ村と呼ばれた。

 「そんな歴史を知っている人も、あんまりおらんのよ」

10万人超という国内最多の移民を送り出した広島県。「アメリカ村」で育った中島千鶴子さんは戦後、故郷に錦を飾った移民たちと、それを果たせなかった人たちがいることを知ります。

日系社会に息づく「オカエシ」

 近くに住む中島千鶴子さん(…

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