◼︎選択してきたのか、選択させられてきたのか…外す選択はいかに?

日本の多くの人が、マスク着用を“選択”してきた背景にはなにがあるのだろうか。東邦大学感染制御学教授の小林寅喆さんは、日本特有の風土に加えて、追加されるばかりだったコロナ対策の弊害があると指摘する。


小林寅喆教授
「日本の場合は、もともとマスクに抵抗がなかったわけですね。普段からされていた方もいらっしゃいました。それに加えて、コロナ禍ではマスクをしなくてはいけないという“同調圧力”もあったかと思います。

そして、マスクだけではありませんが、今まで第1波とか第2波とか、致死率がそれなりに高く、その都度、対策が積み重ねられてきました。対策を追加、追加し、それがずっと残ってしまっている面もあると思います」


これまでの対策が“足し算”され続けてきたとすると、マスクを外すなど対策の“引き算”は今後どのように行われるのだろうか。

小林寅喆教授
「これからは専門家レベルで、屋外から始めて、屋内でも換気がいいところはどうか、など、マスクを外す“出口戦略”、そのことによって社会活動をスムーズにしていくということの議論が必要だと思います。

その議論をもとに“提言”として、政府に上げて“政治判断”として、こういうところではマスクを外してもいいですよ。ここではまだしておいてください、ということを具体的に示す時期になってくるんではないかと思います。

じゃないとですね、いつまでも皆さんマスクを外せないと思うんですね。例えば、旅行はいいですよ、と判断されて、やっと旅行に行くようになってきていますよね。専門家、そして、政治が、段階的に判断をして、解除をしていき、少しずつ日常を取り戻していくということが大事な点だと思います」


(4月28日放送・配信『SHARE』より)

▼岡村仁美アナウンサー
2005年にTBSテレビ入社。『報道特集』『時事放談』や『Nスタ(日曜)』などを担当し、2015年からは報道局社会部兼務。記者としてもニュースに携わっている。2020年夏から2022年2月まで家族の都合でイギリス・ロンドンで生活。2022年3月にTBSアナウンスセンターに復職。双子の母でもある。

▼小林寅喆教授
東邦大学教授 感染症や院内感染対策など感染制御学を専門とした研究・教育に携わる。論文・著書多数。