１号消火栓・易操作１号消火栓

屋内消火栓の設置数が１の場合は水量が2.6㎥以上。
屋内消火栓の設置数が２以上の場合は水量5.2㎥以上。
※危険物施設の場合は屋内消火栓の設置数に7.8㎥を乗ずる（最大５台で39㎥）（１号消火栓のみ）。
広範囲型２号消火

屋内消火栓の設置数が１の場合は1.6㎥以上。
屋内消火栓の設置数が２以上の場合は3.2㎥以上。
２号消火栓

屋内消火栓の設置数が１の場合は1.2㎥以上。
屋内消火栓の設置数が２以上の場合は2.4㎥以上。

スプリンクラー設備の水源水量の算定は、設置される防火対象物の用途や規模構造、天井高さ、使用するスプリンクラーヘッドの種類から算出するので、一概に何㎥というのはありません。

例えば、政令別表第一の５項・イ（ホテルや旅館）で、建物は10階以下（天井高さ10ｍ以下）で使用するスプリンクラーヘッドは高感度型１種（r2.6）を用いる場合、スプリンクラーヘッド同時開放個数が８になるので、この８個に1.6㎥を乗じた数（12.8㎥）以上が必要な水量になります。（乾式や予作動式の場合は個数に1.5㎥を乗じる）

ドレンチャー設備の水源水量の算定は、使用するドレンチャーヘッドの個数（最大で５）に0.4㎥を乗じた量（最大で２㎥）以上となります。

消防法施行令第14条第４項に「水源は、総務省令で定めるところにより、その水量が防護対象物の火災を有効に消火することができる量以上の量となるように設けること。」とありますが、具体的には以下の様になります。

・道路の用の供される部分に設置するもの

道路区画面積が最大となる部分における当該床面積１㎡につき20㍑毎分の量を20分間放射できる量以上。

・駐車の用に供される部分に設置するもの

当該防火対象物又はその部分の床面積１㎡につき20㍑毎分（当該床面積が50㎡を超える場合は50㎡）で、20分間放射できる量以上。

なので50㎡を超える場合は20㎥以上になります。

・上記以外に設置するもの

防火対象物又はその部分の区分に応じて、床面積１㎡につき10㍑毎分（当該防火対象又は当該床面積が50㎡を超える場合は50㎡）で20分間放射できる量以上。

なので、50㎡を超える場合は10㎥以上になります。

こちらもフォームウォータースプリンクラーヘッドを使用した場合と、フォームヘッドを使用した場合、移動式等の方式により異なり、また高発泡や低発泡、当該床面積などにより変わってきますので一概に何㎥とは言えません。

例えば、移動式泡消火設備の場合であれば、ホース接続口が２の場合で駐車の用に供される部分に設けられているものは、ノズル１つで100㍑毎分必要なので、２つで200㍑毎分、それを15分間放射しなければならないので、水源は3㎥以上必要になります。

屋外消火栓の設置個数（２を超える場合は２）に7㎥を乗じた数量以上になるように設けること。なので屋外消火栓が２基以上ある場合は14㎥以上の水源が必要です。

使用する動力消防ポンプの規格放水量により異なりますが、規格放水量で20分間放水できる量以上と決まっています。ただし、その量が20㎥を超える場合は20㎥以上となるように水源を設けます。

例えばＢ－３級の動力消防ポンプの場合は、規格放水性能が0.55Mpaで0.5㎥毎分になりますので、20分間放水するには10㎥以上の水量が必要ということになります。

それでは、水槽（地下式、地上式）の有効水量の算定方法について確認していきましょう。

お決まりのお知らせですが、下図の寸法などは所轄消防により変わる（市町村の火災予防条例など）場合がありますので先にお断りしておきます。

地下水槽の場合はポンプより水源が低くなるので吸水管にフート弁を設けます。この吸水管の内径により有効水量の算定が少し変わってきます。

基本的にはフート弁の弁シート面から、吸水管の内径に1.65を乗じた数値（50Aなら約88ｍｍ）分、上方から水面までの高さ（有効水量高さ）に水槽の平面積を乗じた数が有効水量となります。上図参照

またサクションピットを設けた場合は以上の図の様になります。

今度は地下水槽ではなく、地上（床上）に設置した水槽の場合を見ていきましょう。

以下の算定は消火水槽、補助高架水槽どちらも同じ算定方法です。

地下水槽ではフート弁の弁シート面を基準に有効水量高さを算定していましたが、地上水槽はフート弁を用いないので、水槽に接続されている吸水管を基準に算定します。

水槽に接続されている吸水配管の上部から、吸水管の内径に1.65を乗じた数値分上方が有効水量高さの基準になり、そこから水面までの高さが有効水量高さになります。

上記ではフート弁や吸水管を使用した場合について説明させていただきましたが、今度は水中ポンプを用いる場合について説明いたします。

水中ポンプの場合は水中ポンプに付属しているストレーナ（ろ過網）の上端を基準に有効水量高さを算定します。

また、サクションピットを設ける場合と設けない場合でちょっと算定方法が変わります。

サクションピットを設ける場合

水中ポンプの太さを基準（Ｄとする）に、ストレーナの上端からＤの２倍以上上方が有効水量算定基準高さになり、そこから水面までが有効水量高さになります。

この場合は、水中ポンプのろ過網の上端から100mm以上上部か、水中ポンプの最低運転水位のどちらかになります。

お決まりですが、どちらを採用して水量算定をするかは所轄消防に確認したほうが良いと思います。

１つの水槽から消火設備と雑用水などのポンプ（以下、他設備。）を共用する場合はよくあります。

この場合は他設備のポンプフート弁と消火設備のポンプフート弁の高さに差を設けて有効水量を確保する方法と、電極棒を用いて、水位が下がると他設備のポンプを停止して消火設備優先にする方法の２種類がありますので説明させて頂きます。

この方式では他設備のフート弁を消火設備のフート弁よりも上方に設けて、ある一定水位になったら他設備が吸水出来ない状態を作って消火設備の有効水量を確保する方式になります。

電極棒や制御盤を用いない方式ですので、水槽を新設する場合はこの方式が多いです。

この方式は既設の水槽で、他設備と消火設備のフート弁に水位差がない場合に用いられます。

電極棒を消火設備の有効水量高さに設置して、それよりも水位が下がったら制御盤から他設備ポンプの停止信号を送出して他設備ポンプを止めて消火設備の有効水量高さを確保する方式になります。

１つの水槽を複数の消火設備で共用する場合（他設備なし。）はその共用する設備により異なってきます。例えば

屋内消火栓（水量5.2㎥）
スプリンクラー(水量12.8㎥)
泡消火設備(水量18.0㎥)
これらの設備が１つの水槽を共用する場合は、基本的には加算により算定しますので、上記の場合は36㎥以上の水量が必要ということになります。

最後までご覧頂きありがとうございます。

今回は水槽の有効水量の算定についてお話させていただきました。算定も水槽の状況によって変わってきますのでその都度確認が必要になります。

また水中ポンプを使用した場合の算定方法もお話させていただきましたが、水中ポンプを加圧送水装置として用いるのはあまり見かけません。

良く考えてみたら通常のユニット型消火栓ポンプは呼水槽からモーター、ポンプまで一体となっていていますが、水中ポンプは配管と水中ポンプを接合して水槽に沈めるだけなので、附属設備（呼水槽など）は必要ありません。

ただしメンテナンスの時には水中ポンプを引き上げたりする場合があると思うので、メンテナンス性は悪そうです。メンテナンスの為にチェーンブロックでも常設しておきたい所ですね。

ちょっと脱線しましたが、この水槽の有効水量算定も覚えておいて損はありませんのでぜひ覚えて離脱しましょう。

今回はここまで！来週もご安全に！！