東京の金カム聖地と言えば江戸東京たてもの園!
とはいえ状況的になかなか機会がなく今のところまだ行けていないので、本記事では東京で別件のついでにちょこちょこ通って集めた、たてもの園以外の聖地情報をレポートしていこうと思います。
と言ってもガチ聖地はそんなに多くはないんですけど、東京過去編(コミックス28巻収録)のおかげで増えたのと、明治近代化を牽引する首都東京なので色々魅力的な場所も多く…!主にレトロ建築オタク的に
・作中に登場する聖地
・登場はしないけど関連がある場所
・明治時代の息吹を感じられる場所
などをお伝えして参ります!
それでは早速行ってみましょう!
【2022.4.30追記】
たてもの園に関しては後日公開したコチラ↓をご覧ください
◆作中に登場する聖地
①樺太日露国境天測標
所在地:東京都新宿区霞ヶ丘町
最寄り駅:JR中央線 信濃町
登場話:16巻160話、21巻201話
明治神宮外苑内には、樺太編にて当時の樺太日本領からロシア領に密入国するその境界に置かれていた例の石碑、のレプリカがあります。ゴールデンカムイ作中で国境標石と説明されていたアレですね!
明治神宮外苑の中の聖徳記念絵画館脇の表側の駐車場の一角、上の写真でいうと絵画館正面に向かって左手側に飾られています。屋外なので聖徳記念絵画館が閉館していても見られますよ(真夜中とかはちょっと分からないですけど)
周りを柵と植木で囲まれているので、残念ながら犬ぞりで国境を越えるゴールデンカムイごっこは出来ないのですけど、ちゃんと側面の「明治三十九年」の文字も入って、ゴールデンカムイで見たままですね!その横は「天第四號」と書かれていて、作中では「天第二號」なのですが、当時樺太には国境標石が4つ置かれ、場所によって1~4の番号が振られていたそうです。なのでゲンミツに言うと、明治神宮外苑の国境標石は金カムに出てくる国境標石とは置かれていた場所が違うということですね(そもそもレプリカだけど)
国境標石 天第二號についてはコチラの記事を参照させていただきました↓
そして聖徳記念絵画館、コチラもレトロ建築オタクにはたまらないやつですね…!
建物としては大正時代の造りなんですけど、中では明治天皇を中心に明治時代に行われた出来事の数々を大正から昭和の初めにかけて壁画にした展示を見ることが出来るそう、です。そうです、わたしが行った時は休館中で中に入れていないのです
国境標石を設置した出来事を壁画にした絵もあるそうですし、明治時代の出来事などを勉強するにもうってつけかなと思いますので、国境標石聖地巡礼に合わせて、聖徳記念絵画館にも立ち寄られてはいかがでしょうか。
お出かけの際にご注意いただきたいのは、昔自分がした勘違いなんですけど、明治神宮といえば山手線原宿駅の裏にある、明治天皇と昭憲皇太后(明治天皇の皇后)をお祀りした明治神宮という神社ですよね。明治神宮自体もすごくステキな神社でオススメなのですが、明治神宮外苑とは徒歩ではそんなに近くない…と思います。歩けない距離ではないですけど、明治神宮外苑に行きたいのに勘違いで明治神宮(原宿)に行っちゃわないように気を付けてくださいね
②三菱一号館(現:三菱一号館美術館)
所在地:東京都千代田区丸の内
最寄り駅:JR東京駅 他
登場話:27巻264話、28巻275話 杉元の過去回想(東京過去編)
三菱一号館は明治25年(1892)着工、同27年(1894)完成の赤レンガ建築。
東京の象徴的建物と言えば東京駅かと思いきや、東京駅は実は明治の終わりに着工して大正になって完成した建物なので、杉元が放浪の東京旅をしていた1901年時点では「丸の内といえば三菱一号館」ってイメージだったのではないでしょうか。三菱一号館は丸の内に建てられた最初のオフィスビルで、明治時代に撮られた丸の内の写真を見ると、周り空き地ばっかの中にやたら立派な建物がボン!ボン!ボン!と建っています。
三菱一号館は老朽化のため昭和43年に解体されますが、同じ場所に、設計者ジョサイア・コンドルの原設計を基に忠実に再現され、現在の三菱一号館美術館として復元されました。嬉しいですよね!解体されて終わりじゃなくて、復元されたおかげで今も杉元や菊田さんが見た同じ景色を同じ場所で見られる…聖地って尊い
↓264話 菊田さんの背景らへん?
上と下、建物の違うカドなんですけど、3階の窓は上の写真、屋根から上は下の写真って感じで、合体したように見えますね?上の写真が歩道の都合で角度が合ってないのもあるし、ビンゴな場所がある可能性もあります。もう一回検証しないと…w
↓275話 2ページ右下
この辺かな?実はこの2枚も建物の別の辺なんですけど、杉元で隠れてるのもあってどっちが正かは判断つかない感じです。写真の向きというか角度が違うのですが、原作と見比べていただければ伝わるんじゃないかな?
三菱一号館美術館の名の通り、メインは美術館。わたしが行った時は展示入れ替え期間で休館だったのですが、展示はもちろん、再現された建物の内装も見どころかと思います。美術館とは別に、三菱一号館の歴史などにまつわるちょっとした歴史資料室(無料)や、高い天井と美しい内装そのままのカフェもありますので、ちょっと立ち寄るだけでも雰囲気味わえますよ~。
▼三菱一号館 歴史資料室
この三菱一号館模型の方が正しい聖地写真が撮りやすいかも?w
歴史資料室に行くためにちょっと中入るだけでも風情あるレトロ建築の雰囲気味わえる…この鉄骨階段美しすぎませんか…!?
▼Café 1894
美術館の利用とは関係なくカフェには入れます、が、かなりの待ち人数だったので店員さんにご許可いただいて写真だけ入り口付近から撮らせていただきました。マジで美しい…。
③帝国ホテル(現:帝国ホテル東京)
所在地:東京都千代田区内幸町
最寄り駅:JR有楽町駅、東京メトロ日比谷駅 他
登場話:28巻275~278話 杉元の過去回想(東京過去編)
概念として(?)の帝国ホテルなので、実際に現存する帝国ホテルの建物がモデルになってはいないのですが、明治の世から続く、日本有数のアッパークラスホテルということは皆さんご存じかと思います。
↑気後れして中に入れなかったやつ…
明治村にフランク・ロイド・ライト設計の二代目帝国ホテルの玄関部分が移築されているので、当ブログ明治村記事でも帝国ホテルについて触れさせていただきましたが、帝国ホテルは明治23年(1890)開業。道を隔てて日比谷公園がすぐ近く、当時は隣に鹿鳴館があったそうです。
ゴールデンカムイ作中で登場するのは創業当時の初代帝国ホテルの外観なのですが(建物内部のモデルについては明治村記事をご参照ください)、当然今はもうない建物なので、立地と現在の姿を楽しむ聖地巡礼をしてみてもいいのではないでしょうか~。
所在地を見てもらっても、三菱一号館とは同じ千代田区で、すぐ近くとは言わないけどお散歩がてらの徒歩圏内だと思います。当時の東京の中心的エリアがこの辺に集中していたのもありますけど、地図を見てると「(作中で)この時行ったのがココか、てことはココからこっちに向かったのか」みたいなのが見えてくるので、東京聖地巡礼、楽しいですよ
④江戸東京博物館
※2022.4.1~2025年度(予定)まで大規模改修工事のため休館
所在地:東京都墨田区横網 横綱って…w
最寄り駅:JR総武線 両国駅、都営地下鉄大江戸線 両国駅
登場話:28巻278、279話 杉元の過去回想(東京過去編)
お相撲さんの街両国の、両国国技館のすぐ近く。独特なカタチの建物の江戸東京博物館(通称江戸博)。江戸東京博物館では通常、常設展と企画展があるのですが、今回聖地としてご紹介するのは常設展のほう。
常設展は東京という土地の歴史を江戸時代から現代までずーっと(展示内容の厚みの違いはあるにせよ)ジオラマとか模型とか現物とか極力視覚的に案内してくれています。江戸、明治、大正、昭和戦前、戦中、戦後、平成、令和…令和あったかな…まあそんな感じでw博物館としてすごく面白いんですけど、みんなが気になる聖地情報としては、やはり明治時代のコーナーですね!
↓279話 杉元と菊田さんが話す背景の建物
コチラは明治時代に銀座に実際にあった朝野新聞社(ちょうやしんぶんしゃ)の実物大模型。中には入れませんが、自転車とか人力車の辺りまでは行けます。ワイヤーで飛び出たみたいな玄関灯もそのまま描かれていますね!
この建物の入り口前に、下半分が大変なことになった杉元がいたわけです…銀座の目抜き通りの人込みの中でwここなら杉元と菊田さんごっこが出来ますね!ある意味杉元は出来ないけども!w
この朝野新聞社があったのが銀座の煉瓦街と呼ばれる街並みで、ミニチュアとして銀座煉瓦街のジオラマも展示されています。
↓278話 9ページの下のコマ
馬車とか人力車までだいたいいっしょw
↓279話 「またなノラ坊」
↓このジオラマにも朝野新聞がありますよ
「煉瓦街」のワードは最終章に入った287話でも出てきていて、この伏線もあって東京過去編とこの背景を入れたのか…な!?と思いました。
こうやって見るとなかなかの臨場感ですよね…!
朝野新聞社があったところはいわゆる銀座4丁目交差点、時計塔でお馴染みの現在の銀座和光がある場所です。
銀座和光自体が現代では十分にレトロ建築なのですが(この写真も東京過去編の前にレトロ建築オタクとして見に行った時のもの)、コチラは昭和7年(1932)竣工。明治から今って本当に長い時間なんだなぁと思わされます。
この銀座和光前の曲がり角辺りに杉元が立っていた、と…w
実際に巡礼をお考えの方は、帝国ホテルから銀座和光の道のりを(走って逃げるのは大変なのでw)お散歩してみてもいいと思いますよ~。地図で見るだけでも、位置関係とか距離感が分かりますし。
話を江戸博に戻して、明治時代の展示は他にもいろいろありますよ~。
↑幻の鹿鳴館の模型とか…
江戸博休館につき、明治期の展示の写真を追加しますね。
↓江戸時代、明治時代、昭和初期の灯りの変遷と実際の明るさ比較
↓メンコに双六
追加以上。
こちらの記事もオススメ
他の年代もなかなか面白いです。
↑江戸の街のジオラマとか
↑実物サイズの長屋の模型
↑芝居小屋の再現(実物大)
↑大正コーナーでは今は無き浅草十二階(浅草凌雲閣)に会える…!
↑昭和戦前だったかな?のレトロカー…!詳しくはない!
↑高度経済成長期の団地の再現wそんなものまで…!
これはもうほんの一部で、じっくり全部読み込みながら回ると丸一日かかるくらいの規模です。正直めっちゃくちゃ疲れましたw建物の中なの…か?って規模の作り込みなので、なかなかに凄いです。
◆関連する場所
①旧近衛師団司令部庁舎
①旧近衛師団司令部庁舎
所在地:東京都千代田区北の丸公園
最寄り駅:東京メトロ 九段下駅、竹橋駅
皇居の北の丸公園の一角にある旧近衛師団司令部庁舎。日本武道館とか科学技術館の近くですね。明治43年(1910)竣工の近衛師団司令部庁舎は外観はほぼそのままで現存しており、国の重要文化財に指定されています。
2020年2月までは東京国立近代美術館工芸館として使用され、改修されていない当時のままの階段などが見れたそうですが、現在(2021年7月)は特に使用されておらず…柵の外から外観を見るだけとなっております。
ゴールデンカムイ的に、近衛師団と言えばアレですよね!花沢中将!尾形さんと勇作さんのパピー!尾形さんにコロコロされちゃったパピーが、第七師団に配属される前に所属していた隊ですね。将官クラスなら司令部にも出入りされていたと思いますし、仕事が終わってここから浅草くんだりに足を延ばして、遊郭などに通っていたんでしょうね。まあ、明治43年竣工だと花沢中将もう死んでますけどw
近衛師団司令部庁舎のすぐ脇には、数々の役職を歴任の後、近衛師団長になられた北白川宮能久親王の銅像がありまして…
いやはや、めちゃくちゃ立派っ!!!
この躍動感!装備や軍服の細かさ!肋骨服が美しぃ~~~!!!
今はもう師団長クラスの軍服なんてなかなか見られないじゃないですか。人が着てるところは特に。装備品も揃ってなんて。銅像だとしてもすごく見る価値あると思うんですよね。この袖のぐるぐるの巻きっぷり…!
◆明治時代の息吹を感じられる場所
①東京駅 丸の内駅舎
①東京駅 丸の内駅舎
所在地:東京都千代田区丸の内
最寄り駅:東京駅w
三菱一号館の時にもお話しましたが、東京駅自体は大正3年(1914)の開業。ですが、作り始めたのは明治41年(1908)頃からなので、設計思想は明治期の洋風赤レンガ建築となっており、国の重要文化財に指定されています。
今でこそ東京駅、丸の内は首都東京の中心ですけど、最初に鉄道が開通したのは新橋~横浜間ですし、その後上野駅から上に向かって路線が作られて、その間を中継する駅が欲しいよねってことで東京駅が出来た流れなので、文明開化的に言うと割と遅咲きの東京駅です。
↑現代的高層ビルとのコントラストが逆に美しい…
改札を出てのホールも大変美しいので是非上を見上げてください。上の方の窓になってるところはホテルなんですよね。東京ステーションホテル、一度泊まってみたいぜ…!
②法務省 旧本館
所在地:東京都千代田区霞が関最寄り駅:東京メトロ桜田門駅、霞が関駅、日比谷駅他
帝国ホテルから日比谷公園を突っ切って反対側のブロック、という感じでしょうか。徒歩圏内なので是非一緒に回っていただきたいのですが、法務省旧本館(赤れんが棟)は明治28年に当時の司法省の建物として竣工されました。戦災での焼失、戦後の復旧工事、平成の改修工事を経て、外観は創建当時の姿に復原され重要文化財となっています。
↑周りはホントにフツーのビル群です…
近代を題材にした映画などのロケ地としてもよく使われているみたいですね。わたしの好きな映画「アルキメデスの大戦」では海軍省として使われていたり。国の機関でもロケに使わせてくれるんだなぁって驚きと、そうゆうののためにもずっと残していってほしいなと思います。
↑物々しい入口には警備員さんがいてビクビクしながら写真撮った…(たぶんダメではないんだけど…)
ビビりなので、捕まるんじゃないかと思ってあんまりグイグイ行けなかったんですけどw、平日には無料で建物内の見学(常設展や企画展をやってるそう)も出来るので、ご興味のある方は是非。詳細は先ほどのリンクからどうぞ。しかし人の道に背くような悪いことはせず生きているハズなのに霞が関だの何だのとなると警備の人がジロジロ見てくるから思わずビクビクしてしまうんだよなぁ…w
③迎賓館 赤坂離宮
所在地:東京都港区元赤坂最寄り駅:JR中央・総武線 東京メトロ 四ッ谷駅
明治42年(1909)に東宮御所として建設され、現在は迎賓館として国賓をお招きしたり、国際会議の場として使用されたりしています。元々が東宮御所(当時の皇太子殿下、後の大正天皇のお住まい)として作られているので、現存する日本の洋風レトロ建築の中でも随一の絢爛さで、国宝でもあります。
ネオ・バロック様式の宮殿建築はココが日本とは思えない造りなのですが、その中でも日本の武士をイメージした甲冑や日本刀のモチーフが使われるなど、富国強兵のスローガンのもとに西欧列強に追いつけ追い越せの精神で頑張っていた明治の人の志しが伝わります
↑鯉登少尉めちゃくちゃ似合うねん…
だったらその写真を見せろよォ!!って感じなのですが、誠に無念なことに、現役で国賓をお迎えする性質上、建物内部の写真撮影は禁止なのです…!是非コチラは実際に足を運んで、己が目で見ていただきたいと思います…!行けない方は公式サイトのお写真をご覧くださいませ。
外観からでも見られるのは、正面入り口の屋根の両脇に武士のモチーフが飾られていて、建物外観に比べてかなり違和感なのですが、この武士さんは神社の狛犬みたいに「阿・吽」になってるそうで。
なんかこー、跳ね返してる感じなんですかね?
↑建物のみならず、こちらの庭(主庭)と噴水も国宝
基本的には通年一般公開されているのですが(建物内は有料)、公務としての利用がある場合は見学不可なので、詳細は公式サイトでご確認ください。和風別館の見学もあります。あと執筆時点ではコロナの影響で変更などもあるようです。
建物内には各部屋にボランティアのガイドさんがいてくださるので、捕まえたり捕まったりしながらいろいろお話を伺ってみるといいと思います!
映え~~~…!
あと迎賓館敷地の前にある休憩所には、グッズ売り場やカフェなどあるので、休憩がてら寄ってみるのもオススメです。
以上、東京のゴールデンカムイ聖地情報でした!
オタクさんの旅行(遠征)は予定が詰まってることが多いと思うんですけど、比較的、何かのついでに行きやすいところが多いと思うので、現場の近くとか、気になるところから訪ねてみてはいかがでしょうか~。お金にゆとりのある方は帝国ホテルに泊まってみるのもいいかもw(現帝国ホテルの本館は建て替えの予定が立っているようですね)
東京には日本銀行本店とか岩崎邸とか、他にも魅力的な明治期のレトロ建築がいくつもありますので、明治時代の雰囲気を味わいたい方はそちらを見学されてもいいかもです
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