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気分はハワイ♪ 伊豆急「アロハ電車」出発進行

 こちら〈知っとこ〉のコーナーでも何度かお知らせした伊豆急行3000系「アロハ電車」の運行が始まりました。首都圏で活躍したJR東日本209系をリニューアルした車両です。2021年7月の導入発表から運行開始までの経緯を改めて1ページにまとめてみました。
 〈静岡新聞社編集局未来戦略チーム・松本直之〉

2022.5.2

開業60周年を記念した新車両 「ハワイアン」イメージ

 伊豆急行(本社・伊東市)は30日、新たに導入した伊豆急3000系「アロハ電車」の運行開始を記念し、同市八幡野の伊豆高原駅で出発式を行った。詰め掛けた鉄道ファンらが、開業60周年で新たに加わった車両のデビューを祝った。

出発する「アロハ電車」。ウミガメなどの柄が描かれている=30日午前、伊東市の伊豆高原駅
出発する「アロハ電車」。ウミガメなどの柄が描かれている=30日午前、伊東市の伊豆高原駅
 アロハ電車は伊豆急が開業以来、キーワードとする「ハワイアン」のイメージを生かした。ウミガメやイルカ、ハイビスカスなどのデザインを車体に描いた。伊豆各地の名物にちなんだシークレットキャラクターも配置した。
 同電車はJR東日本の通勤型電車「209系」から生まれ変わった。伊豆東海岸を走るに当たり車両の側面は海側が赤、山側が青を基調とし、前面の一部にも絵柄を入れた。
 出発式では電車前部に南国をイメージした生花を装飾。地元団体の子どもたちがフラダンスを披露し、雰囲気を盛り上げた。ホーム上の多くの来場者とともに出発を見守った東京都の忍足勇誠君(11)は「他の電車にない、海のような感じの派手なデザインだった」と話した。

2つの顔 海側は赤基調、山側は青基調

 伊豆急行(本社・伊東市)は3月4日、JR東日本の209系電車を改造し、4月下旬に運行開始する電車「3000系」の愛称とデザインを発表した。ハワイのような伊豆の海岸線を走るイメージから「アロハ電車」と命名した3000系は、赤と青を基調とし、ウミガメやイルカの柄を配した明るい外観に生まれ変わる。

海側は赤、山側は青を基調とし、ウミガメやイルカなど南国をイメージさせる柄を配した3000系のデザイン(伊豆急行提供)
海側は赤、山側は青を基調とし、ウミガメやイルカなど南国をイメージさせる柄を配した3000系のデザイン(伊豆急行提供)
 JR時代は銀色の車体に青と黄色の帯が入るシンプルなデザインだったが伊豆急行では海側の側面と伊豆急下田側の前面は赤、山側の側面と伊東側の前面は青を基調とする。海の生き物や花々の柄が描かれ、南国をイメージさせる斬新なデザインになっている。
 愛称は社内公募し、ハワイのあいさつで愛情や共感の意味も持つ「アロハ」を選んだ。同社運輸課の関谷稔さんは「車体にはシークレットキャラクターも描かれている。乗りに来て、ぜひ探してほしい」とアピールする。
 3000系は全8両でいずれも新デザインとなる。
 ​〈2022.3.5 あなたの静岡新聞〉

レアな無塗装 “お色直し”前のお顔【動画あり】

 伊豆急行は2021年12月11日、JR東日本から購入し、来春運行開始に向けて改造中の209系電車の撮影会を伊東市の伊豆高原駅で開いた。“お色直し”を前にした無塗装の珍しい状態で公開され、多くの鉄道ファンが撮影を楽しんだ。同日、同電車の伊豆急での形式名を「3000系」に変更することも発表した。

無塗装の状態で一般公開された209系電車=伊東市の伊豆急行伊豆高原駅
無塗装の状態で一般公開された209系電車=伊東市の伊豆急行伊豆高原駅
 伊豆急行開業60周年記念事業の一環で、県内外から250人以上が参加した。元々の黄色と青の帯やJRのロゴマークなどがはがされ、ほぼ銀色一色になった姿にファンたちは盛んにシャッターを切っていた。神奈川県小田原市の小学生吉村樹君(9)は「これからどんな色の電車になるか楽しみ」と話した。
 209系電車は京浜東北線など首都圏を走った車両で、伊豆急は2編成計10両を購入。8両1編成に車両を組み替え、来年3月下旬以降に運行開始する。入れ替わりに主力車両の8000系のうち、3両が引退する。
 〈2021.12.12 あなたの静岡新聞〉

首都圏で活躍した209系 元々は黄色や青色の帯

 伊豆急行(伊東市)は2021年7月7日、JR東日本の京浜東北線などを走った同社の「209系電車」を新たに導入すると発表した。今年秋までに、千葉県内を走っていた2編成を同社から購入する。このうち、1編成は同日までに伊豆急行の車庫に入り、検査や整備をした上で2022年春からの運行を予定する。

2022年春の運行開始を目指し、整備する209系電車=2021年7月7日、伊東市の伊豆急行伊豆高原車両区(伊豆急行提供)
2022年春の運行開始を目指し、整備する209系電車=2021年7月7日、伊東市の伊豆急行伊豆高原車両区(伊豆急行提供)
 209系電車は1993年に本格的にデビュー。京浜東北線などで走り、一部の車両は現在も首都圏で走行している。同日までに6両1編成が千葉県内から、伊東市にある伊豆急行の伊豆高原車両区に到着した。
 ​〈2021.7.8 あなたの静岡新聞〉