米国のガソリン価格は4月に入ってから3月の平均価格を下回って推移している。次回4月分のCPIではガソリンはこれまでと反対にマイナス寄与に転じる可能性が高い。
こうなれば、もはやインフレは恐れるに足らず、である。何度も言っていることだが、物価水準の高止まりと、変化率である物価上昇率とを分けて考える必要がある。
FEDや市場が恐れるのは物価上昇率がどこまでも高くなっていくような状況で、それに歯止めがかかれば過度な金融引き締めのスタンスも緩和されるだろう。
冒頭で「僕は天邪鬼だから、みんながインフレがピークを打った!と騒ぐと、それに自分も乗って同調するのは嫌」だと述べたが、実際には「インフレがピークを打った!」とみんなが騒いでいるわけではない。インフレピーク論はまだ少数派かもしれない。
少なくともマーケットの反応は鈍い。ナスダックなどはCPIが発表された当日はそれを評価できず、翌日になってようやく上げたが、またその上昇分を吐き出している。
■ナスダック総合指数
ただこれは同様の動きとなった米国債市場の動きをそのまま反映しているだけだ。そしてその米国債市場の昨日の下げはイースターで市場参加者が少ない中、投機筋の売りで普段以上に値が飛んだという面があるだろう。要はミスプライスだ。
おそらく長期金利は3%が近づくにつれ、そろそろ上昇もピークとの認識が広がるだろう。そうなった時、市場の利上げの織り込みがどう変わるかが鍵となる。現在は5月、6月と連続で50bps利上げ、7月は25か50で半々といったところだ。