2022.04.23

ここにきて、アメリカのインフレに「終わり」が見えてきた…!「ピーク説」でこれから起こること

沈静化の兆しがみえた

3月の米国のコアCPIが鈍化の兆しを見せたことで、一部で「インフレピーク説」が台頭している。僕は天邪鬼だから、みんながインフレがピークを打った! と騒ぐと、それに自分も乗って同調するのは嫌なのである。

嫌なのだけど、その通りなのだからしかたない。しかも、自分が以前から主張した通りになっているのだから、これみよがしに自慢の種にしない手はないではないか。

というわけで、今回のテーマはインフレのピークアウトについてである。

米国の3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.5%上昇した。伸びは前月(7.9%)から加速し、1981年12月以来の高さとなった。前月比でも1.2%上昇と、2月の0.8%上昇から加速し、2005年9月以来の大幅な伸びを記録した。

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しかし、全体の伸びの半分以上を占めたのは単月で18.3%も上昇したガソリン価格である。変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数は、前月比0.3%上昇と、2月の0.5%上昇から上昇率が鈍化した。

米国CPIの全体を100とすると食品13、エネルギー7でこれらを除くコアが80。そのコアのうち財が20強、サービスが60弱という感じである。このうち財の価格は中古車価格の2カ月連続低下もあって前月比でマイナスになっている。

一時はコロナの影響で中古車の異常な値上がりが続いていたが、その影響がなくなり正常化に向かっていることが示唆される。サービスの中ではCPI全体の3割を占める住居費の値上がりが続いているが、これはFEDの利上げを受けて住宅ローン金利が上がっているのでいずれ住宅バブルは沈静化してくるだろう。

あとはエネルギー価格の上昇さえ止まればインフレは問題ない水準に収まっていく。そしてそのエネルギー価格だが原油価格は3月上旬につけた高値を抜けていない。