Uffeは10歳のときに、父親と血のつながりがないこと、自分が身元非開示の精子提供ドナーの助けによりこの世に生を受けたことを知りました。この記事では、彼の子ども時代と、精子提供チャイルドとした生まれたことについてどのように考えてきたか語っていただきました。
Uffeは48歳、2児の父であり、通信会社のマネージャーです。
「私は、父、母、弟との4人家族で育ちました。絆の強い家族だと思います。両親は結婚して56年。弟は結婚し、3人の子どもがいます。現在76歳の父は退職し、年金生活に入っていますが、私の会社を時折手伝ってもらっています」
あなたが精子提供ドナーの助けによりこの世に生を受けたことを知ったのはいつですか?
「9歳か10歳頃だったと思います。弟と私は「パパ」が遺伝的な父親ではないことを両親から伝えられました。父は10代の頃、ムンプス精巣炎で不妊になったそうです。そのため、私と弟は身元非開示ドナーの助けによりこの世に生を受けたのです。最初にそう知ったときは少しパニックになったのを覚えています。しかし、動揺はすぐに消えました」
精子提供チャイルドとして育つのはどのようなものでしたか?
「特に変わったことはしていません。両親は私たちを本当に大切に育ててくれました。子どもの頃は溺愛されていた気さえしますが、それは両親が私を授かるために特別な苦労をしたためだろうと推測しています。おかげで私は少しわがままに育ったようです。とはいえ、私の推測が本当に正しいかどうかは分かりません」
ご両親とその推測について話し合いましたか?
「1980年ごろに両親から話を聞いて以来、そのことについてはほとんど話していません。父にとっても、かなりデリケートな話題だと思うので、そのことに関して率先して話をしようとは思わなかったのです」
精子提供ドナーについてはご家族でどのように話してきましたか?
「私たちは、積極的に精子提供ドナーについて話すことはありませんでした。記憶をどうたどってみても、10歳の頃に話を聞いて以来、両親とドナーについて話したことはないと思います」
ご両親がもっと違う対応をしてくれたらよかったと思いますか?
「いいえ、特にそうは思いません。それが真実なので、それ以上多くを語る必要は実際なかったのです。生物学的には同じ遺伝子を持っていなくても、私の父親はいつもそばにいてくれたのですから」
身元開示ドナーと身元非開示ドナー
- 身元開示ドナーを選択すると、生まれた子どもが18才になった時に、ドナーの身元を特定できる情報を受け取ることができる
- 身元非開示ドナーを選択すると、ドナーのプロフィールに記載されている以上の情報を、子どもも親も得ることができない
- 身元開示ドナーと身元非開示ドナーの選択については、国によって法規制が異なる。国によっては、どちらか一方しか認められていない場合もある
精子提供ドナーの助けにより生まれたことは、あなたの人生に大きな影響を与えましたか?
「それほど影響はなかったと思います。そのことで思い悩んだこともありませんでした。父親がいつもそばにいてくれたので、生物学的な父親を恋しく思うようなこともありませんでした。
もちろん、自分が精子提供チャイルドであるという事実が、人生の中で何度か心に浮かんだことはあります。たとえば、自分の性格が母にも父にもあまり似ていないと感じた時などです。遺伝的な影響は別として、生物学的な父親については何一つ知らないので、彼から何かを受け継いだとも思っていません。そして、それは良いことだったと思います。
ですが、実の父親について何も知らないことをいいことに、希望的観測をしたこともあります。実父は優秀な心臓外科医や病院の教授だと想像したり…。当時、リグスホスピタルの不妊治療クリニックでドナーになっていた人たちのほとんどが医学生だったそうです。母がそう言っていました。でも、それが本当かどうかは実際にはわかりません」
精子提供ドナーの助けによりこの世に生を受けたことで、ご両親との関係に影響はありましたか?
「影響はなかったと思います。私は何も変わったことはしていませんから。自分の性格が父親に似ているということがどんな感じなのか想像できません。父と私はどこも似ていませんが、ずっと良い関係を保っています」
子どもの頃、他の精子提供チルドレンとのつながりはありましたか?
「弟だけです。二人で自分たちが精子提供チルドレンであることについて会話したことはないと思います。ただ私たち兄弟は似ていないので、別々の身元非開示ドナーにより生を受けた可能性が高いでしょうね」
精子提供ドナーと連絡を取りたいと思ったことはありますか?
「可能なら会ってみたいと思ったことはあります。しかし、当時は身元非開示のドナーしかいなかったので、そのような選択肢はなく、長々と思い悩むようなことはありませんでした」
異母兄弟がいたら連絡を取りたい、と思ったことはありますか?
「いいえ、ありません。実際に考えたこともありません」
必要であれば、ご自身もお子さんを持つために精子提供を利用しますか?
「はい、そうしていたと思います。ただ、幸いなことに、私と妻には必要ありませんでした」