機能強化に向けた検討が本格化している福井空港ターミナルビル=1月、福井県坂井市

 福井県議会は3月10日、予算決算特別委員会を開き、長田光広委員(自民党福井県議会)ら9人が質問した。福井空港の利活用について理事者は、同空港を拠点にするヘリコプター運航に前向きな事業者が現れたと明らかにし、県内観光地への接続などに向けて積極的に検討を進めたいとした。さらに空港全体の機能強化を議論するため、タスクフォース(作業部会)を設置したと説明した。

 長田委員が「空飛ぶクルマが移動手段として商機になるなど、今後空路の重要性が高まる。新しいニーズを踏まえ福井空港の積極的な利活用を」とただした。

 これに対し、福井県の西出俊亮土木部長は「福井空港を拠点にしたヘリコプターや小型ジェット機の運航事業に前向きな事業者も現れており、(羽田など)主要空港との接続が可能になると考えている」と説明。県では▽港湾空港▽交通まちづくり▽観光誘客▽危機対策・防災▽未来戦略―の5課で組織するタスクフォースを2月下旬に立ち上げ、築56年で老朽化が進んでいる福井空港ターミナルビルについても、今後のあり方を検討しているとした。

 長田委員は国内外からの観光客の2次交通として、例えば福井県立恐竜博物館や六呂師高原、三方五湖などの観光地をヘリで結ぶ「空のネットワーク」整備を提案。櫻本宏副知事は「大変魅力的。恐竜博物館などへの接続が容易になる。後々には海外からのインバウンドにもつながる」と応じた。県内から県外に向けても「例えば東京ディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(大阪府大阪市)への直行便など、ワクワクするものを検討し、民間事業者に積極的に働き掛け、全力で取り組む」と述べた。また「空の交通網整備は観光だけでなく、ビジネスや医療、防災などにも大きく寄与する」と説明。市町と連携し、ヘリの着陸スペース確保など受け入れ側の協力体制を充実させることが重要だとし、タスクフォースで検討するとした。

 県港湾空港課によると、県外の航空事業者から2021年末、福井空港を拠点にした事業を前向きに検討していると説明を受けたという。

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