- 教員氏名
- 上垣 豊(うえがき ゆたか) 教授
フランス近代史 明確に意識されていたわけではないのですが、今から考えれば、上位の権威に対して従順でものを言わない日本社会に対する反発と、フランス革命などによって代表されるフランスの自由な雰囲気に対する漠たる憧れがあったのだと思います。
一言では言いにくい。歴史学の場合は、過去は現在とつながっていることを実感できるかどうかが鍵です。その前に、年号や用語を覚えねばならないという強迫観念から解放される必要があるでしょう。それに加え、外国史は異文化を学ぶ面白さもあります。
私が学生であった頃は、大学が今よりもずっと自由であり、学生も勉学意欲にもっと燃えており、教育という仕事がもっと評価されていました。実際に大学の教育研究職を目指すことにしたのは、研究課題を見出だし、研究への意欲を生涯持ち続けることができると思えた時でした。
好きな言葉を一つ上げておきます。「学問とは知覚でなければならない、旅立ちでなければならない。一つのものは、そこにみられるほんとうの関係を通して、われわれをもう一つのものへ、さらに他の無数のものへと導くものである。」(アラン『幸福論』神谷幹夫訳、岩波文庫 )
私自身は文学部の出身なので、法学教育を受けたことはありませんが、西欧にはローマ帝国以来の法律文化あるいは雄弁術が根づいていることを痛感します。それは文学作品の中によくうかがわれます。とくに、ギリシア・ローマの古典は、議論の仕方や論理の組み立て方を学ぶための最良の書です。専門での法律の勉強とともに、西欧の古典を学ぶことを通じて、西欧の法律文化の精髄に触れてください。