MUGEN講座2(ドット絵に役立つ予備知識)
MUGENキャラを作るのに当然必要なのがスプライト=ドットで構成されたキャラ絵。
イラストとドット絵は似て異なるもので「イラストは上手なのにドット絵はからっきし」または「絵心まったくないのにドット絵はすっごく上手」という不思議な事態がわりと起きたりする。
ともあれ、どっちの才能も持ち合わせていない管理人がsffに登録するドット製作に役立ちそうな予備知識と(製作時に覚えたり感じたりした)経験則を色々書き連ねるんで参考にしてみてね。
なお本コラムは「体型デフォルメ控えめの標準的な人間キャラ」のみに特化してます。動物や人外のモンスター、ロボットやちびキャラは管理人の手に負えないので他のサイトで勉強してくださいね(w
それからうろおぼえの知識も多いから、鵜呑みにせずに他のサイトの情報と比較することをおすすめします。
1.D0・D4・HD。ドット絵のサイズはどれくらいがいい?
初心者の過ちとして多いのが「とんでもなくデカイドットを打つ」という行為。
「はじめてなんだからサイズとかそんなのよくわかんないよ!」…言い分はごもっとも。だから、「先人の知恵をちょいと借りてそれを物差しにすればベネ(良しッ)!」というアドバイスを差し上げよう。
MUGENでキャラ作るんだから、好きな格ゲーくらいあるでしょ?好きな作品のキャラと並べて違和感のない身長にすればいいのさ。あいにく私はメルトランディ(巨人の女性)は守備範囲外なのでね。
なぜ女性に限定するのか?管理人は健康な男子だからだよw言わせんな恥ずかしいw
MUGENドットの選択肢は三つ。D0・D4・HD。言葉の意味については説明しないよ。初心者に必要な知識ではないから。それぞれがどれくらいの大きさなのか知ってるだけで充分。
↓大まかな分析と概要。さらに下に画像付きで説明。キャラ名の後ろにドットサイズも記載。
D0=既存標準(ストII、旧作KOF、餓狼伝説、龍虎の拳、カイザーナックル、MELTY BLOOD、東方Project系)。小さくてドットも荒くなるが、量産しやすいのでヌルヌルさせやすい。
D4=新世代標準(GUILTY GEAR、ヴァンガードプリンセス、北斗の拳、戦国BASARA X)。綺麗さとそこそこの手間を両立できる最近のスタンダード。
HD=超高解像度(BLAZBLUE)。半端無く綺麗だがデカい+難度限界突破でMUGENではまだあまり普及せず。
「D0」=旧時代の遺物と侮るなかれ。職人芸が最も発揮されるドットサイズなのだ!
最も小さいサイズなので、今見るとドットの粗さが目立つかも知れない。刺繍や刺青のような細かい装飾、微妙な表情を表現するのは難しい。ドット一つの置き方で完成度が大きく変わる面白いサイズでもある。
細かい部分が潰れる代わりにドット製作の手間は最も少ないので、枚数を増やしてヌルヌルさせればよろし。ヴァンパイア・セイヴァーやストIIIあたりはもはや職人芸。米粒に文字書くようなレベルw
カンフーマン「MUGEN」の主人公(47×106)
Dragoncrow(ドラゴンクロウ)「オリジナル」(108×111)
春麗「ストリートファイターII」(72×83)
不知火舞「餓狼伝説3」(61×94)
ユリ・サカザキ「龍虎の拳2」(66×137)
麻宮アテナ「ザ・キング・オブ・ファイターズ」(73×95)
有間都古「MELTY
BLOOD(メルティブラッド)」(51×83)
白レン「MELTY
BLOOD(メルティブラッド)」(48×96)
「D4」=大きくて見やすいアニメ絵向けのサイズ。大画面TVでも安心だね!
D0に比べてドット数が4倍位になるため、かかる手間も相当増える。しかし、ドットに余裕があるため、より細かい装飾や表情が作れるので魅力十分。管理人のワンダーモモもD4で製作中。大変だけど楽しいよ!
麻宮アテナ「ザ・キング・オブ・ファイターズXII」(176×224)
不知火舞「ザ・キング・オブ・ファイターズ
XIII」(176×208)
ユリ・サカザキ「ザ・キング・オブ・ファイターズ
XIII」(114×222)
ミリア・レイジ「ギルティギア
イグゼクス」(105×217)
ディズィー「ギルティギア
イグゼクス」(154×262)
ブリジット「ギルティギア
イグゼクス」(104×210)
マミヤ「北斗の拳
審判の双蒼星 拳豪列伝」(100×242)
お市「戦国BASARA
X(クロス)」(175×237)
愛乃はぁと「アルカナハート」(181×208)
ワンダーモモ『管理人Jaldabaoth製作』(144×194)
忽那ゆい「ヴァンガードプリンセス」(241×286)
忽那はるか「ヴァンガードプリンセス」(220×334)
美留町くるみ「ヴァンガードプリンセス」(115×269)
氷桜かえで「ヴァンガードプリンセス」(150×274)
ナタリア・グリンカ「ヴァンガードプリンセス」(159×277)
羽澄えり「ヴァンガードプリンセス」(161×257)
ちなみにD0とD4は実サイズで見ると異常にサイズ差があるけど、MUGENでの表示の際に「D0→二倍に拡大」「D4→原寸大」となるので、実際はそれほどサイズ差は感じられない。
どうしてD0が拡大されるのかは自分で勉強しとくれ。今は必要ないので。ただ、D0は二倍拡大される分ドットが二倍粗く見えると知っておけばいい。
「HD」=ハイビジョン対応の超高解像度。手間の多さを考えるとちょっと…
ドットとしては現在の最高品質。フルハイビジョンTVでも全く見劣りしない。でも製作する手間も最大級。
3D画像やセルアニメから取り込むのが一般的で、ドットを一つづつ置いて作るのはどう考えても現実的ではない。参考までにKOFXIIのキャラドットレベルでさえ一人で作ると、プロでも「1年4ヶ月」かかるそうだ。HDキャラを素人が作ったら…さて、どれくらいかかるかな?
ましてやキャラ製作は「ドットを打ち終わった時点で、折り返し地点にすら届かない」んだぜ…。
手間や完成までの期間的な収支が全く合わないので、作るなら「一キャラ製作に一生かける覚悟」が必要かも知れない。普及しづらいもうひとつの理由としては「デカ過ぎて他のキャラと並ぶと浮く(巨人に見える)」のが大きいかと。
ノエル=ヴァーミリオン「BLAZBLUE」(255×444)
だいたいこんな感じ。一枚目のドットで身長や体型が決まっちゃうわけだから慎重にね。
自分の技量と要求する完成度、モチベetc、様々な要素を考えてベストorベターな選択をしてみてくれ。
2.使用色数の節約は最重要項目。決して軽視することなかれ
ドット製作初心者の二つ目の過ち。無駄に色数を多く使う。色の使用量=作業負担量である事は実際に製作してみなければ実感しづらい。
初心者ならば同系色(例えば肌、服のメインカラーとか)は4色以内にするのが無難。管理人は肌色4色、他は3~4色で作っているけれどこれでも楽だとは思わない。
ワンダーモモは50色。今見ると無駄が多いと思ってる。
少なく感じるなら、好きなだけ色数を増やしてやってみるがいいさ。
イラスト一枚絵ならばどうとでもなるよ。だが、MUGENのドット絵(sff)はそれでは完成しないんだぜ?歩き、しゃがみ、前進、後退、ジャンプ、ダッシュ、ガード、通常技、必殺技、食らい動作、ダウン、イントロ…etc使い回しを増やしたとしても、果たして何枚書く必要があるんだろうね。
もしかしたらさらに「特殊動作やカットイン」を上乗せする予定はあるかな?かな?
心に刻んで欲しい。「ドットを打ち終わった時点では、折り返し地点にすら届かない」んだ。
※大事なことなので2回言いました。
色数を節約することでパレット管理を容易にし、「act」の2Pカラー製作時の負担を減らす意味もある。ドット欠けやパレットの配置ミスは慣れない内は頻繁に起きる。
大量に描いたドット絵を全て修正する必要が出来たときの脱力感は半端じゃないと忠告しておくよw
これは推論だけど、ドットイラスト製作とsff製作の違いを理解していなかった人達が10数枚(ニュートラル、しゃがみ、前進…あたり?)のドットを打った時点で挫折しているんじゃないかな。
管理人がたどり着いた結論を一言で書くと、
「一枚絵のドットは短距離走(ショート・ラン)、キャラ製作は持久戦(マラソン・マッチ)」それを認識せずにペース配分を間違えた製作者は高い技術を持ちながら、途中で体力と気力が尽きてリタイヤしたと思われ。
きっと私など足元にも及ばない美しいドットが打てる方もいたでしょうに。
「sff」が完成してもその後ろには「air」と「cmd」「snd」、そして最強の難関「cns」が待っているんだ。さらにもしAIを作りたいなら、その為の知識・技術も必要になるよ。ここで全力を使ってしまっては息切れしてしまう。だから、α版完成をまず目指しましょうよ。
「必須スプライトを全部登録して通常技と必殺技を何個か作って暫定公開可能」くらいまでに。
3.キャラ製作時の心がけやモチベを保つアドバイス
sffに登録するドットはとりあえずそこそこ作って、あとで直せばいいんですよ。だって、今の時点の全力ドットで完成させるのもいいけど、「基本動作を全部打った後の方が上達して、今よりも完成度の高いドットが打てると思わなイカ?」つまりはそういうこと。
ニュートラルや前進なんかは最初に打つんだから一番ヘタなのは当たり前。修正スパイラルでモチベが削られた挙句に製作中止になるくらいなら、60%程度の完成度でも公開した方が正解だと私は思う。たとえ出来が悪かったとしても。
公開できなかったキャラは生まれることすらできずに死んでしまうのと変わらない。今、作っているキャラクターを産んで育てられるのは貴方だけなんだ。その子の一番の幸せは「みんなが使っているMUGENに登録されて、多くの人達と戦わせてもらうこと」だと思うんだぜ?
想いを込めて作った子を幸せにしてあげてくださいな。もちろん私も同じ気持ちで作ってるさ!いつか貴方の作ったキャラと私の作ったキャラを戦わせてもらえると嬉しい。
あと、諸君は「MUGENドット絵板」の存在をご存知だろうか?ドット絵を投稿して交流したり、製作者の先輩方に添削してもらう事ができる掲示板である。
私の公開しているワンダーモモもドット絵板でのコメントの影響を強く受けている。
「ドット絵板」と「ぐだぐだドット絵板」の2箇所に投稿が可能で管理人は主に「ドット絵板」をホームグラウンドにしている。
「ぐだぐだドット絵板」は雑談メインでアドバイスは必要ない人向けなので、アドバイス・コメントをたくさん受けたいなら「ドット絵板」への投稿をおすすめする。
ちなみにMUGENキャラ製作者にして動画製作者でもある「ふうりん」氏はドット絵板を代表する『最強の製作者』の一人。ゼロからキャラを生み出す奇跡を起こし続ける天才である。
みよ、この雄姿をッ!
?『血は人間の絆、愛の証!
愛のために血を流す男、スパイダーマッ!』
ふうりん氏の奇跡を間近で見たい貴方は『格闘技世界チャンピオン!スパイダーマッ!』をクリックしてみましょう。
その奇跡は『アイドルマスター:菊地真(forD4)』をMUGEN入りさせるに至りました。
誰か動画で私の『ワンダーモモ』とバトルさせてくれないかなぁ~(/ω・\)チラッ
コメントによるモチベーションの上昇は想像以上に大きい。経験者は語る。なお、投稿する際にコメントを返しやすい「投稿者コメント」を心がけると幸せになれるかもしれない。
私の場合は、
1.投稿物のタイトルにキャラの作品名やフルネームを入れる
例)(製作)東方Projectより鈴仙・優曇華院・イナバ
2.何を目指して描いたドットなのかを正確に明記する
例)ニュートラルポーズを描きました。棒立ち状態を上下運動で動かしてみました。
3.とくに注視して欲しい箇所や疑問点を相談する
例)膝を曲げつつ、両腕を少しづつ動かしてみたのですが不自然なところはないでしょうか?
4.乗りやすそうな話題を振る
例)リアル等身のうどんげを製作しようと思うのですが、既にMUGEN入りしてるんですかね?
で、投稿。
だいたいこんな感じ。1~3あたりは守っておくと適切かつ必要なコメントがもらいやすいと思われ。4はなくてもいいが、あればコメント投稿率が上がる位に思っていればいい。
ドット絵板は良心的な人が多いのであまり気負わなくても大丈夫だとは思うが。
あとは連投(投稿を短期間で連続で行う)をすると、コメントが欲しい投稿者の投稿ドットを次のページに追いやってコメントがつかなくなってしまい、迷惑行為になるため控えよう。
十六夜咲夜をクリックでドット絵板が新しいウインドウで開きます。
このコラムが貴方のキャラ製作の指針の一つとなれば幸い。長々読んでくれてありがとう。ノシ