就業規則を見るタイミング。面接の際、言及は控えましょう。
●面接の際、就業規則を見るのは避けた方が良いです。
・クリニック、病院の面接の際、経営者、医者が最も警戒している人間は、『権利を主張する人間』だからです。
→職員さん、労働者の方の権利は、給与、手当から、『有給休暇』、『介護休暇』、『育児休暇』まで幅広く存在します。
→福利厚生、忌引の決まりなどまで充実すべきポイントが沢山あります。
・クリニック、病院で、職場構築、就業規則に自信があっても、面接の初対面の場合、採用するか?採用を見送るか?主導権は、面接側にあります。
→面接を受ける方が『就業規則を見せていただいてもよいですか?』と尋ねると、主導権が採用者から面接を受ける側にある印象を受けます。
→当院の面接では、就業規則を見たいと希望される方は、非常に稀ですが、おられます。もちろん、自信がありますので、就業規則を見ていただきますが、採用しません。
→職員さんのための就業規則であり、採用していない部外者のための就業規則ではありません。
→そのために試用期間を設けているわけですから、試用期間中に就業規則をご確認いただきます。また、職場が合わなかったり、気に食わなかった場合、退職されれば良いことです。
・クリニック、病院によっては、就業規則を全く刷新していない職場もあります。
→試用期間中に就業規則を確認しましょう。
→この時、職場の他の方にガツガツと尋ねるよりは、まずは就業規則を見てから、ゆっくりと時間をかけて、その職場の特徴を把握しましょう。
1)採用面接の際に、就業規則、福利厚生について、尋ねない方が良い。
→試用期間に確認すれば良いことです。
2)採用面接の際に尋ねることは、常勤の医療事務さん、常勤の看護進さんの数。
3)残業時間、残業日数の確認。
4)往診同行、夜間呼び出しの数などを確認する。
5)職場、休憩室を見せてもらうことは、前向き、積極姿勢の印象ですので、大丈夫です。
医療事務さんの場合、残業時間、電子カルテについては、絶対に確認すべき。
●医療事務さんは、クリニックでは不足しています。
●都市部では、医療事務さんの面接は多いですが、地方では応募が少ないです。
●医療事務さんは、ブラックな職場という印象が定着しています。残業時間は尋ねるべきです。
→実際、ブラックなクリニック、病院が多いです。
・残業時間を尋ねて、言葉に詰まったり、誤魔化したりする場合には、逃げましょう。まず、ブラックです。
・残業時間が、月10時間以上のクリニックは見送った方が良いです。
・常勤医療事務さんは、患者さんの数によって違いますが、通常、2人のことが多いです。
→ただ、患者さんが多いクリニックは、常勤医療事務さん3名体制を取っていますし、レセプトのためにパートさんを雇用しています。
→人数が少ないクリニックに入職すると、単純に忙しいですし、残業も多いはずです。逃げましょう。
●電子カルテなのか?紙カルテなのか?確認しましょう。
・紙カルテのクリニックは、院長先生の年齢が50歳後半以上のことが多い。
・紙カルテの場合、病名つけ、薬の確認、処方箋などが、手書きや印鑑処理のことが多く、仕事が多すぎである。
・紙カルテのクリニックは、企業としての成長が望めない。
→電子カルテを導入する資金がない(クリニックでは、200万円〜500万円くらいまでの電子カルテを導入します。)
→医者が手書きカルテにこだわっているので、その時点で多様化に失敗し、時代に乗り遅れている。
→電子カルテで業務を行えば、医療事務さんの残業が減るのに、職員さんのことを考えていない。
→電子カルテ、介護報酬のソフトなどを導入すると、医療事務さんの負担は激減するのに、そのことが分かっていない。
◉電子カルテと紙カルテで、職員さんの仕事だけではなく、医者の仕事も激減するのに、理解がないわけです。
→クリニック、病院を企業と見た場合、競争力が無い(低い)と評価を下して良い。
→入職しない方が良い。この手のクリニックは、時代のせいにしたり、患者さんが少ない、コロナのせい、とか、適当な理由をつけて、賞与、給与を減らす可能性すらあります。患者さんが少なかったり、院長先生に癖があったり、あまり、良い印象はありません。
→患者さんが少なく、時代に遅れているので、医療事務さん、看護師さんに、『主』、『お局さま』のような職員さんが居ることも多いです。
福利厚生や忌引などを確認しましょう。
●医療事務さん、看護師さんに評判が良いのは、子供さん、同居のご家族のインフルエンザ予防接種の無料化です。
→子供さんのインフルエンザ予防接種は、1接種:4000円〜5500円と高いです。さらに、子供さんは2回接種ですので、子供さんが多い家庭ほど、予防接種費用の負担が大きくなります。
→当クリニックは、職員さんと同居のご家族のインフルエンザ予防接種は無料にしています。
→子供さんの場合は、小児科で接種した明細書を提出いただき、費用をお支払いしています。
●乳癌検診、婦人科検診の補助も好評です。
→2年に1回の乳癌検診(マンモグラフィー、エコー検査)を勧めています。検診の費用の明細書を提出いただき、費用をお支払いしています。
●年1回の健康診断の際、甲状腺疾患、心臓病、腫瘍マーカーなどの検査を行なっています。
→1年に1回の健康診断は義務ですので、行わなければなりません。胸部レントゲン、視力、聴力、検尿検査、血液検査など、職場の健康診断を行うことは、職場の義務です。
→ただ、職場健診の定めには、血液検査の細かな指定がないので、最低限の項目しか見ていないクリニックや、経費削減のため、ショボイ健診をおこなっている職場があります。
→試用期間中、職場健診の項目について、ゆっくりと確認しましょう。
●タイムカードがあるか?
→もはや、タイムカードが無い職場など、見たことがありませんが、もしかしたら存在するかもしれません。
→昔、出勤台帳に出勤時間と退勤時間を記載しているクリニックがありました。時代遅れも甚だしいです。
●サービス残業がないか?
→サービス残業とは、残業時間に相当する賃金の不払いのことを意味しています。
→残業しても残業手当が支払われていない職場も存在しますので、分かった瞬間、逃げましょう。
有給休暇と忌引の確認。
●有給休暇の算定基準日を確認しましょう。
・当クリニックは、就業規則に定め、入職して〇〇ヶ月目を基準として有給休暇を算定する。
・毎年、職員さんに応じて、決まった月に有給休暇が定まる。
・有給休暇は、消えていくものなので、1年で消化した方が良いです。
◉当院は、短時間型常勤の医療事務さん、看護師さんで、有給休暇は、年間10日間です。常勤の看護師さんで年間12日間です。
→あまりに急いで消化すると、本当に病気になった時、有給休暇が無く、欠勤扱いになります。
→欠勤になると、単純に給与が減りますし、欠勤は、勤務評価を下げることに繋がります。
→勤務評価が下がるということは、昇給の見送りや、賞与の減額の口実にされてしまいます。
→有給休暇を上手に消化しましょう。また、入職して、他の職員さんが有給を消化できているか?確認しましょう。
→有給の買い取りは、基本、行なってはいけませんが、退職時、仕方なく買い取る場合もあります。ただ、その際には、残っている有給に限り、買い取りを認めた裁判所の判決がある、というだけなので、絶対ではありません。
→『有給なんか、取れるわけない』という職場がありますので、入職しないように、試用期間で分かったら逃げた方が良いです。
●忌引の取り決めを確認しましょう。
→忌引は有給とは別です。第3親等までは、忌引〇〇日、と決まりがあるはずです。確認しましょう。
◉当院は、第3親等までの忌引休暇は2日間、配偶者、子息の場合は1週間と定めています。
●育休、介護給を確認しましょう。
→職場づくりに熱心なクリニック、病院には、就業規則内に細かな育休、介護給が定められているはずです。
→就業規則に育休項目が記載してあると、少し安心します。
◉就業規則は、クリニック、病院の休憩室に保管されています。必ず、職員さんが見ることができるように定められています。
◉入職して、すぐに確認するには気が引けますが、チョクチョクと細かい項目を確認しましょう。
◉就業規則は、職場の憲法なので、給与、手当、忌引、有休などについての決まりが記載されています。
→例え、自分で良いと思って行なった行為でも、就業規則で違反であれば言い訳できませんので、確認した方が良いです。
→ピアス、金髪などを禁止している職場や、自家用車(通勤に使用する)のマフラーの騒音問題にまで、就業規則に定めている会社もありますので、ご注意ください。
◉通勤車をシャコタン、音がすごいマフラーに改造して、解雇されて裁判になって、就業規則に定めているので、解雇は正当である、との判決があります。(訴える方も凄いと感じます。)
◉金髪、鼻ピアスで解雇され、こちらも就業規則で禁じてあったので、解雇は正当である、との判決があります。
→いろんな方が居て、いろんな職場があります。勉強になります。