鉄筋2階建、建坪60坪のクリニックを解体して、仮設診療所に移るまで。
当院のスペック:年商:1億2千万円 純利益:1600万円(2021年度)
標榜:内科、循環器科。 レセプト枚数:月:800〜850枚。
政策金融公庫からの借入:3000万円 福祉医療機構(WAM)からの借入:4000万円
当院の現金保有状態:1億2100万円(うち、7000万円が上記借入金)。
新クリニックの建設中。鉄筋2階建、建坪60坪の旧クリニックを解体。仮設診療所を建設し、引っ越し済み。
開業コンサル:設計、内装デザイン、ホームページ作成、内覧会、名刺作成、ユニフォーム販売まで行っているが、建設部門だけ無い。結構、有名な会社。
建設部門が無いので、設計を行い、建設を発注する会社の選定に入りました。
執拗に記載しています。開業コンサルに一任した建設会社の入札(見せかけだけ。談合疑い強い)の結果。(過去に同様の記載を繰り返していますので、既読の方は、すっ飛ばしてください。)
●「開業コンサル」が建設会社を3社、用意しました。
A社:建築費用 9000万円 解体費用 1500万円 合計:1億500万円
B社:建築費用 8500万円 解体費用 1300万円 合計:9800万円
C社:建築費用 8000万円 解体費用 1000万円 合計:9000万円
一見、相見積もりしている感じですが、これって、A社、B社の建設の順番ではないだけです。C社が建設を引き受ける順番ってことです。しかし、平気な顔で、
「開業コンサル」:「まあ、値段的にもC社ですよね」って言います。
かなり胡散臭いので、嫁さんの知り合い経由で、大手ゼネコンD社を見積もりに入れました。
その結果、D社:建築費用 6000万円 解体費用 750万円 合計:6750万円
最終的に建設は、D社に依頼しました。かなり安くなりました。
(安ければ良いのか?というご意見をいただきましたが、同じものを作るので安い方が良いはずです。「安かろう悪かろう」にならないように気をつけるべきですが、情報公開は、明らかなボッタクリを回避するためですので、ご了承ください。)
開業コンサルとの交渉で、3000万円安くなった経緯は、こちらです→https://町医者の博打と投機と良い医療.com/clinic-open/クリニックの設計、建築、解体%E3%80%80大幅低下成功%E3%80%8030/
◎これまでに支払った費用。
「設計料」:360万円(税込)
「仮設診療所の建設、リース費用」:750万円(税込)(残り半分は、仮設診療所の立ち退き後に支払います。)
「閉院、転院」手続きの代行:80万円(税込)(旧診療所から仮設、仮設から新クリニックを含みます。)
ホームページ制作費用:35万円(税込)
電子カルテパネル1枚追加:41万円(税込)
旧クリニックの解体費用:830万円(税込)
新クリニックの建設費用:2000万円(一部支払い。完成後、残金の4000万円を支払い予定。)
⚫︎これまでに支払った費用:4096万円です。
⚫︎支払っていない費用:仮設診療所の残り:750万円(税込)、新クリニックの建設費用:4000万円 合計:4750万円です。
予想外の費用が発生しています。
小売、建設業でも医療、介護でも、開業前の予算通りに事が運ぶとは考えていませんが、クリニック開業前、予想外の費用には、どのようなものがあるのか?実際に発生している費用をまとめてみました。
1)旧クリニックを解体後、地盤調査を行ったところ、地盤の脆弱性を指摘された。
旧クリニックの跡地に、一部、脆弱な地盤が見つかりました。そのまま、新クリニックを建設することも可能ですが、その場合、建物が歪んだり、地盤沈下を起こした際、保険が適用できないそうです。保険を適用できるようにするため、地盤強化は必須との説明を受けています。
地盤強化には、滑走路に使用する地盤強化法を検討していますが、60坪の広さで200万円程度の費用を見込まれています。
2)旧クリニックの裏地が、崖条例に引っかかるコンクリート壁です。旧クリニックを解体し、コンクリート壁の基礎を露出させなければ、構造様式が分かりませんでした。裏の土地は他人の持ち物ですし、コンクリート壁も他人の持ち物ですけど、崩れて被害を被るのはこちらです。崩落があっても大丈夫なように擁壁を作らなければなりません。
擁壁に関しては、設計の段階で指摘されていました。過去、擁壁の見積りを行いましたが、やはり、現在、依頼している大手ゼネコンD社が最安値でした。400万円(設計料込み)の見積もりです。A社〜 C社は、800万円〜1200万円でした。擁壁の設計料を含んでいる、とのことでしたが、開業コンサルの用意した建設会社は、全て、圧倒的に高かったです。800万円〜1200万円に含まれる擁壁の設計料(開業コンサルの設計)も高いんですよね。
3)擁壁設計のため、新クリニックの設計の一部を見直す必要があります。
新クリニックの裏手に擁壁を作ります。クリニックの内部構造の一部を設計変更し、役所に提出し直さなければなりません。
設計変更料:75万円 申請料 2万5千円 合計77万5千円(←税別)
この件に関しては、相当に揉めています。そもそも、「設計料」:360万円(税込)なのに、設計変更料が75万円って、どういうことなのか?申請料の2万5千円と比較しても高すぎるのではないか?
75万円と価格設定した根拠、明細を出すように伝えています。この開業コンサルって、とりあえずボッタクリなんですよ。開業予定の先生は、設計変更の際の値段も確認しておかれた方が良いです。
・そもそも、当初の設計の際、裏手のコンクリート壁に関しては、旧クリニックを解体し、コンクリート壁の基礎まで掘削、確認しないと分からない前提と説明での設計と言っていた。
・そうであるなら、設計変更の可能性があることも充分に予見できた。
・設計変更申請を行わなければ、基礎工事に入ることができないので、足元を見ているのではないか?
ボッタクリ傾向が続きますので、この開業コンサルを知り合いに勧めることもなければ、相談を受けても止めるように助言します。個人的な見解ですので、相談がない限り、ネガティブキャンペーンは行いません。信用毀損、営業妨害で訴えられたくないですから。
●今後、予想外に必要となった費用の合計=677万5千円(不本意ですが、設計変更料を含んでいます。)
既に購入、設備投資済みですが、新規開業の場合に必要な装備、費用。
ブラックの場合、4年前から経営を見直し、コツコツとスペックレベルを上げてきていましたが、新規開業の先生や、これから経営を見直す先生、リニューアルする先生は、色々と必要な医療機器がございます。購入済みで必要であろう設備の費用を上げてみます。
1)電子カルテ(メディコム社製)パネル4枚、ノート型1枚 合計:400万円程度
残業時間、最大80時間というブラッククリニックから脱却できました。安い買い物でした。現在、残業時間5時間未満。ほとんど残業なしです。受付にパネルを3枚、診察室に1枚配置し、看護師さんの注射、指示受けのところには、ノート型を置いていましたが、患者さんの問診を書き込んだり、注射、採血の指示確認で、ノート型電子カルテの前が渋滞し始めました。
上述していますが、電子カルテパネル1枚:41万円(税込)追加し、看護師さんは、訪問看護指示書、介護保険の書類準備や処理などを診療中に並行して行うことができるようになり、業務効率が改善しました。相談を受け、即座に購入しましたので、職員さんの満足度も高かったです。
ちなみに、陰険なブラックは、さりげなく、電子カルテパネル1枚:41万円(税込)の値段を職員さんに分かるように見積もり書、領収書を事務さんに処理してもらいました。
「高いものなのに、すぐに購入してくださって、ありがとうございます。がんばります。」と職員さん達に言われた時は、随分、良い職場になった、と実感できて嬉しかったです。(前の職場は、感謝なし、当たり前感が半端なかった。職場を良くするのは経営者の責任ですが、やはり、感謝の気持ちは嬉しいものです。)
2)電子カルテ連動型の心電図。(脈波測定も可能)
電子カルテを導入しましたので、電子カルテに連動するタイプの心電図を購入しました。140万円(税込)まで値切りました。
心電図検査の後、心電図を台紙にホッチキスでとめ、カルテに挟んで診察室に回すという手間が無くなりました。また、電子カルテで過去の心電図も確認できますので、業務効率化できました。紙の心電図って、収納スペースも必要になるので、心電図の買い替えは非常にお勧めです。
ちなみに、コロナウィルス感染症拡大の際、寄付金100万円がもらえました。コロナウィルス感染症への対策であれば何でも良かったので、患者さんとの接触時間を減らすため、検査時間を減らすため、との理由で寄付金を貰って使いました。
3)超音波検査機器(エコー機器)
20年前、東芝のエコー機器を月:8万円でリース契約して、随分前にリースアップしました。頸部、心臓、腹部エコーは、写真代、電気代だけしかかからない状態です。東芝は、エコー事業から撤退しているので、他の会社からエコー機器を購入かリースすることになるのですが、別に困っていないし、今のエコー機器でもクリニックレベルでは困らないので、壊れるまで使います。
リースアップできる機器は、リースアップしないと損ですので、リースする段階でリースアップ期間を知るようにした方が良いです。リース会社は、リースアップされると儲けが出ないので、新機種と変更リースを勧めてきます。安易にリースを変更しないようにお気をつけください。
4)除細動器
一般的に普及したものですので、装備した方が良いです。こちらも当初、月2万円でリースを開始し、リースアップしました。
5)職員さんの制服
医療事務さん:5名、看護師さん:8名、勤務時間に応じて、1人3着を準備しました。総額:50万円前後、かかりました。これも開業コンサルに頼むと、デザイナーユニフォームとか用意され、しっかりとボッタクられます。1着3万円〜5万円、総額200万円近く払ったクリニックを知っています。
6)電話機、コピー機、ファックス機器。
この手のリースは、本当に気をつけていただきたいです。ロクな会社がないなって感じています。3〜5社、見積もりして、一番安いか、値段とサービスの程よい会社を選ばれてください。コピー機のリースで相当に痛手を被りました。
新規開業の先生は、上記以外にも、宣伝広告、内覧会、内覧会のお土産、診察机から棚、採血台、ベッドなど、購入するものは多いですが、面倒臭いからと言って、開業コンサルに丸投げすると、一つ一つが高くなって、総額も上がります。
ブラック、診察机、椅子、採血台、ベッドなどは未購入なので、購入前に情報を仕入れて公開したいと存じます。
ざっくりと記載いたしましたが、
⚫︎これまでに支払った費用:4096万円。
⚫︎支払い予定の費用:仮設診療所の残り:750万円(税込)、新クリニックの建設費用:4000万円 合計:4750万円です。
⚫︎予想外に必要となった費用:677万5千円。
今後、支払う必要がある費用:4750万円+677万5千円=5427万5千円。
当院の現金保有状態:1億2100万円ー(これまでに支払った費用:4096万円+支払う必要がある費用:5427万5千円)=2576万5千円
新クリニック建設後、2576万5千円、残るはずなのですが、ここから母親の退職金を支払うと、残高が殆どゼロになります。母親は、勤続40年以上なので、下手したら足りないかもしれません。母親といえども、退職金、ぶっちぎることはできないです。
電話機、コピー機のボッタクリ回避は、こちらです→https://町医者の博打と投機と良い医療.com/yabuisha/ヤブ医者経営%E3%80%80電話リース、コピー機%E3%80%80ボッタク/