神戸「教員いじめ・暴行事件」、加害者たちは今何をしているのか

教壇に立てないのは“極刑”かもしれない
秋山 謙一郎 プロフィール

減給3ヵ月の処分を受けた仁王校長だが、これは部下教諭4人の懲戒処分者を出した監督責任は免れないものであり、学校の雰囲気を変えようとした努力は、市教委側も認めているという。市教委幹部が言う。

「今回の懲戒処分者のなかでは、観方によっては、ある意味、したことに対する処分がもっとも重たい人。ここまで世間を騒がせた事案なので、これくらいの処分にせざるを得なかった」

事件さえなければ、「先生らしい、いい先生」として、こうした形で表に出ることはなかったのかもしれない。そうした仁王校長の人柄もあってか、東須磨小学校の保護者の間では、今後も同小に残って校長を続けて欲しいとの声があり、市教委もこれを把握している。

「そういう声は聞いています。ただ新年度の人事でどうなるかは現段階ではわかりません」(市教委)

一方、前の校長である芝本校長については、総じて厳しい見方をされている。事件後、市教委に無断でテレビ出演したことが大きい。今回、停職3ヵ月の処分となった芝本校長について、市教委幹部は呆れ顔を隠さず、次のように語った。

「普通は、(自発的に)辞めるものなのですがね……」

 

3月11日、兵庫県警察は、加害4教諭を書類送検した。

地元記者によると、悪質性の高い行為を行っていた蔀元教諭と柴田元教諭については、警察としても刑事裁判への立件を視野に入れていたが、すでに懲戒免職処分となり、社会的制裁を受けていることから立件を見送ったという。

この書類送検で、ひとまず事件の区切りはついた。だが、再調査を求める声もある。まだまだ、この事件の幕引きは先の話になりそうだ。

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