神戸「教員いじめ・暴行事件」、加害者たちは今何をしているのか

教壇に立てないのは“極刑”かもしれない
秋山 謙一郎 プロフィール

そもそもいじめっ子とは、みずから責任を取るようなことはしない。その責任を誰かになすりつけるものだ。今一度、見落としがないか、調査を徹底する必要がある。神戸市内に事務所を置く弁護士は言う。

「弁護士といえども私人。捜査権はない。捜査権のある警察の捜査で、また新たな事実が出てくることは、不思議なことではない」

この事件では被害教諭とは別の元教諭が事件の再調査を求めている。もし、停職3ヵ月の女性教諭や減給3ヵ月の男性教諭に、新たなるハラスメント行為が発覚したならば、市教委としては、どういった対応を行うのか。

「原則は一事不再理です。一度、この件で処分を下しているので追加で処分はできない。ただし、事案が事案なので、法律家など専門家の意見を伺い、適切に対応したい」(同)

場合によっては、停職処分、減給処分の女性、男性両教諭の処分の「やり直し」もあるかもしれない。

 

現・元の校長、分かれる評価

監督責任を問われた現・元のふたりの校長については、市教委をはじめ、神戸市の教員OB、現役教員の間でも評価が分かれている。

事件後、長時間の記者会見に応じた仁王校長については、ネット上では職員と笑顔で話す様子を捉えた写真が広く伝えられ、多くのネット民から批判を浴びた。

だが、これは神戸市の教員らによると、「児童や父兄ら、人から声をかけられたら笑顔をみせる」という小学校教員の癖を悪く捉えたものであり、この笑顔のみで批判の矛先を向けるのは、気の毒だという声も少なくない。

神戸市の教員のひとりは仁王校長の人柄についてこう話す。

「小学校教諭らしい、教育者としての品格のある先生です。今回の事件でも、ひとりですべての責任を負うつもりだったと聞いています。記者会見でも、それだけの覚悟が伝わってきました」

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