皆様お疲れ様です。AZU(@AZU0000)です。
今回はPCを用いて音楽を作る「DTM」のソフトを全部「タダ」で用意してしまおうという記事です。
手垢だらけの内容ではあるのですが、最近は特に様々な方面でのソフトが無償配布されている事が多く、さらに可能性が広がっているので改めて書いていくことにします。
最近の作曲用フリーソフトは本当にすごいです。自身のセンスさえあれば本当に無料で商業向けの作品であってもばっちり作れてしまいます。
今回はいくつかのカテゴリに分けて書いていくのですが、初心者の人に向けて「まずはこれを揃えてみてね」という感じでピックアップしています。
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DAW
打ち込みやら録音やらの役割を担う「DTMの心臓」ともいえる中心的なソフトです。
これがなければ何も出来ません。まずはDAWソフトを入手しましょう。
一応大手のメーカーもフリー版のDAWを提供しているところはあるのですが、その殆どは機能制限があるものが多く、制作の幅が広がっていくと使いにくくなってしまいます。
ここでは3つのDAWを紹介しますが、個人的には「cakewalk by BandLab」をおすすめします。
cakewalk by BandLab
2017年末に開発が終了したSONARがBandLab Technologiesによって生まれ変わりました。
「SONAR Platinum」とほぼ同じスペックを持つ、無料のDAWとしては現時点で最強のものだと思われます。
高度な製品版と同等のスペックなので、今後のDAW勢力が大きく変わるのではないでしょうか。
標準搭載されている音源やエフェクト+VSTをサポートしているので、手持ちのプラグインも使えます。
ボーカルトラックのタイミングのズレを修正する「Vocal Sync」や、オーディオデータのドラムパートをスネアやキックなどのパーツに分解する「Drum Replacer」も魅力です。
日本語にも対応しているので、DTMを始めるのであれば無条件で手に入れておきたいところですね。
紹介しているDAWの中では将来性もあるので一番オススメです。
Waveform Free
「Waveform Free」は2020年3月にリリースされ、同社の「Tracktion T7」の後継として位置付けられています。
サードパーティ製のVSTプラグインを使用可能、トラック数無制限、プラグインサンドボックスによるプラグインの予期せぬエラーからプロジェクトファイルを保護とフリーとは到底思えない凄まじいスペックです。
またWindows、Macだけではなく、Linuxにも対応しているので、プラットフォームを選ばないスタイルは好感が持てます。
フリーDAWについては基本的に「cakewalk by BandLab」と、この「Waveform Free」で大きなシェアを持つのではないかと思われます。
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SoundBridge
シンプルさを念頭に置いて設計されたフリーDAWソフトで64、32ビットのWindows、Macに対応しています。
こちらもサードパーティ製のVSTプラグインをサポート、内蔵のエフェクトも充実してます。
また、PCの動作環境についても非常に軽めで、多少古めのものでも大丈夫そうです。
シンプルにまとめられたUIは使いやすく、オーディオの編集に強いです。
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こちらも随時更新しておりますのでお時間のある時にでもご覧ください。
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ソフト音源
DAWがあっても音源がなければ音が出ません。
DAWに付属している音源でもハイクオリティのものはあるのですが、楽曲によりオリジナリティを持たせるためにも、様々な音源を持っておくことが必要となります。
最近はマルチ音源のクオリティが飛躍的に向上しているのはもちろん、フリーとは思えないくらいに多くの音色が収録されているものが増えてきたので、アイデアさえあればプロ顔負けの制作も可能な時代になりました。
手持ちの音源で足りないものを補うにも最適なのがマルチ音源なので、上手く活用して楽曲のクオリティを向上させていきたいですね。
Komplete Start
Native Instrumentsの総合音源で、6GB以上のインストゥルメント、エフェクト、ループ、サンプルを収録しています。
REAKTOR系のソフトシンセが豊富で、ダンスミュージック制作に強い内容かと思いきや、「BAND」と言ったドラム、ギター、ベース、オルガン、エレピ音源が収録されたポップス、ロック向けのものや、民族楽器メインの「WORLD」もあったりと、かなりオールマイティーな内容になっています。
使い込めばこれ一つで相当な制作が可能ですが、このあと紹介する「SampleTank Custom Shop」と合わせて使えばかなり強力な環境が作れますよ。
SampleTank Custom Shop
IK Multimediaのサウンド/グルーブ・ワークステーションであるSampleTankの無償版です。
ピアノを始めとしたロック系のギターやベース、ドラム音源のクオリティが非常に高いのと、細やかなエディットが可能なので、意外とサウンドバリエーションを持たせることが出来ます。
また、前バージョンの音源なども引き続き使えるので、手持ちの資産を無駄にさせない所が素晴らしいです。
私は以前の音源「Miroslav Philharmonik」や「Sampletank2 XL」を再利用していますが、操作感も良好で以前より便利に使えています。
INDEPENDENCE FREE
Independenceのフリー版として2GBのライブラリーが付属しているものです。
音は非常にクオリティが高く、パワーコードのギターやベースの音色がすごく良いのでロックサウンドもカバーできてしまいます。
また、パイプオルガンに関しては現在でも第一線で使えるレベルです。
古い音源なので、高性能な割に要求スペックは低く、今どきの重いマルチ音源よりも使い勝手は良さそう。
現時点で対応しているのはWindows8までとなっています。
LABS
ロンドンのミュージシャンとサンプリングの専門家によって作成された音源です。
「LABS」はSample Tankで例えると本体みたいなもので、音源を追加することによってさまざまなサウンドを扱うことが出来るものとなっています。
音源のクオリティはフリーとは思えない程に高く、現在も追加され続けています。
シネマティックなものが多いので、何となく鳴らしているだけでも曲になってしまいそうな所が素晴らしいです。
UVI WORKSTATION
効率の良さと直観操作を重視して設計されたUIは非常に使いやすいものとなっています。
スタジオクラスのエフェクト、64分三連などの設定も可能な強力なアルペジエーターを実装しているので、アイデアの幅が広がるのではないでしょうか。
タイムストレッチやスライス機能も充実しているので、クラブ系サウンドに向いています。
Vital
2020年11月にリリースされたウェーブテーブルシンセサイザー。
他に3つの有料エディションがありますが、コアになる仕様は無料版と同じです。
一般的な有料のソフトシンセ同等、もしくはそれ以上のクオリティを持っているので、必ず入手しておくことをおすすめします。
Windows、Mac、Linux対応、VST、VST3、AU、LV2をサポートしています。
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オーケストラ音源
オーケストラはもちろん、ロックやポップス、メタル、ダンスミュージックに関わらず必要となってくるのがオーケストラ音源です。
一昔前はリアルなオーケストラ音源を無料で手に入れるというのはほぼ不可能に近かったのですが、現在はいくつかの有力な音源がリリースされているので、今回はその中から1つだけ個人的に素晴らしいと思ったものを選んでみました。
BBCSymphony Orchestra Discover
通常は49ドルで販売されているものですが、SpitfireAudioのWebサイトでアンケートに答えると無料でもらえます。
プロユースなハイエンド音源を制作しているディベロッパーに相応しく、無料とは思えないハイクオリティなオーケストラサウンドとなっています。
すべてのジャンル制作者は必ず手に入れておくべき音源です。
The Free Orchestra
フルモードのKontaktだけではなく、無料で配布されているKontakt Playerでも使用可能なオーケストラ音源です。
容量は1GBと控えめですがツボをおさえたサウンドで、シネマティックなサウンドやポップスなどのオケなどで即戦力になるのではないでしょうか。
ドラム・リズムマシン音源
これもマルチ音源に入っている場合がありますが、やはり専門的なソフトの方がクオリティは頭一つ高いです。
特にリアル系のドラム音源は楽曲制作において非常に重要な存在なので、必ず入手しておくべきものだと思います。
サンプルパックで配布されているオーディオ素材と合わせて深みのあるリズムトラックの制作が出来れば楽曲のクオリティがグッと上がります。
MODO DRUM CS
IK Multimedia定番CSソフトウェアです。
使えるドラムキットはノーマルなもの1つではありますが、太鼓とシンバルのセッテイングからルーム環境、両手の打面に対するショットの強さや位置など恐ろしいまでにエディットの幅があるので、これだけでさまざまなジャンルのドラムトラックが作れます。
現時点では間違いなくリアル系ドラム音源のトップに君臨する存在と言えます。
高性能な分、PCのスペックはそれなりに要求するのと、導入にはIK Multimediaのアカウント登録、マネージャーソフトのインストールが必要となります。
Sean Pandy Drums+Cymbalistic
ロック、メタル系の楽曲制作であればこの2つのソフトを組み合わせるとかなり強力です。
「Sean Pandy Drums」はスネア、キックともに非常に素晴らしいサウンドではあるのですが、シンバル系の音色が一切入っていません。
それを補うためにシンバル専用音源である「Cymbalistic」を使うという形です。
上の動画は私が組み合わせの例として制作させていただいたものですが、どうですか?かなりカッコいい音だと思いません?
個人的には入手、導入のしやすさ、使い方、クオリティの面において、リアル系ドラム音源では一番オススメしています。
■「Sean Pandy Drums」のダウンロードはこちらから
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Drum Pro
ダンスミュージック制作に最適なドラム音源です。
TR-808、TR-909、SP-1200、ASR-10といった有名所のリズムマシンをもとにしたドラムキットが計20種類収録されています。
サウンドも良く、非常に使いやすいので気に入っています。
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プラグインエフェクト
DAWに付属しているものでも良いのですが、さらなるクオリティの向上の為にはさまざまなソフトを持っておいたほうが便利です。
フリーでありながらも商業の現場で使われているものも多いので、是非とも導入しておきましょう。
Blue Cat's Freeware Plug-ins Pack II
ギターアンプシミュレーター、コーラス、フランジャー、フェイザー、イコライザー、ゲインコントロール、アナライザーの7種がバンドルされています。
ややこしい手続きは一切不要で入手、すぐに使える点が魅力ですね。
クオリティが高く、コーラスとゲインコントロールは今でもかなりお世話になっています。
あと、何気にギターアンプも使いやすいので、PC上でギターを扱う人に良さそう。
MFreeEffectsBundle
何と脅威の30種類がバンドルされています。
とりあえずこれでほぼカバーできてしまうので、何も持っていない人はまず最初に入手してみてはいかがでしょうか。
クオリティも問題なく高いので、ミックス、マスタリングまで対応可能です。すごいです。
SPARTA
フィンランドのアールト大学、音響研究所のメンバーによって主に開発された空間オーディオ制作用オープンソースVSTプラグインコレクションです。
音楽制作で使われるコンプレッサーやイコライザーはもちろんのこと、バイノーラル、音響空間、360°オーディオミックス用のプラグインも多く含まれているので、音響制作や映像制作などにも使えるかと思います。
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ボーカルソフト(歌声合成ソフトウェア)
最も有名なものでは初音ミクを始めとした「ボーカロイド」がありますが、フリーウェアにもそれに近いものが少数存在します。
ボーカルトラックまでフリーウェアで作れてしまう…本当の意味で無料で音楽が作れてしまう時代になってしまいました。
制作者の皆様に感謝ですね。
UTAU
有名な国産歌声合成ソフトウェアです。
UIはボーカロイドよりもピッチ補正ソフトの「Melodyne」に近い感じがします。
音声ライブラリがネット上に数多く存在しており、好みに合った歌声でのボーカルトラック制作が可能です。
以前はWindows専用だったのですが、現在はMac用に「UTAU-Synth」も配布されています。
Alter/Ego
こちらは海外産のソフトです。
当然英語のみの対応となっているのですが、逆に言えば英語の曲を作る人にとってはかなり良い雰囲気の出せるものとなっています。
Windows、Mac共に対応しています。
CeVIO Pro (仮)
VOCALOIDと双璧をなす存在のCeVIOですが、なんと無料でボーカルソフトを提供しています。
ライブラリは知声(Chis-A)という中性的でクールなものが備えられています。
現在はα版で、以降は追加のライブラリが有償で提供されるとのことです。
ピッチ補正ソフト
ボーカルデータの編集に使うソフトです。
ここでは「Graillon 2 Free Edition」を紹介します。
無料版と39ドルの有料版がありますが、無料版でも十分以上に使えます。
操作性も効率的で使いやすく、無料のピッチ補正ソフトとしてまずはこれを押さえておくのがベターです。
Windows、Mac、Linux対応、VST、AAX、AU、LV2をサポートしています。
以下の記事も参考にどうぞ。
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【DTM】ボーカルエディットには必須!?無料で手に入るピッチ補正プラグインまとめ
「すごく良いボーカルトラックだけど、ここだけちょっと…」という時はもちろん、「ああ、これはあかんわ…」な時の強い味方…そう、ピッチ補正ソフトです。 そしてピッチを補正するだけではなく、コーラスパートを ...
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終わりに
この記事もかなりの回数リライトを重ねているのですが、時が進むにつれてフリーで使えるもののクオリティが大幅に向上しているように感じています。
cakewalkとKomplete Start、Sampletank、そして自分でギターでも弾けるのであれば、商業レベルの制作もアイデア次第で問題なくこなせると思います。
私もDTMを始めた当時はDAW以外すべてフリーで手に入る音源やサンプルばかりで曲作りをしていました。
下の2曲はギターの生演奏以外の音はすべてフリー音源です。
フリーウェアによってソフト面でのコストは気にしなくても良くなりましたが、やはりMIDIキーボードとオーディオインターフェイスは必須なので、自身の制作環境に合わせて購入しておきましょう。
今後も新しい情報が入り次第、更新していきたいと思いますのでよろしくお願いします。
それでは今回もお付き合い頂きましてありがとうございました。
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