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「俺は被害者」秀岳館サッカー部暴行、指導者が部員を脅迫する音声流出…隠蔽の意図か

文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表
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 もし仮にサッカー員たちが自主的な判断で謝罪動画をアップし、段原監督から指示されるかたちで削除していたのだとすれば、部員の9割が寮生活という閉鎖的な空間に置かれていることを踏まえても、大きなプレッシャーを受けているであろう彼らの精神状態が配される」

 25日に流出した音声内では、指導者とみられる人物が部員に対し「俺が訴えたらどうなる?」などと語っており、脅迫的だという批判も出ているが、こうした発言が違法性を問われる可能性はあるのだろうか。山岸純法律事務所代表の山岸純弁護士は次のように解説する。

山岸弁護士の解説

 まずもって、教育の現場におい暴力をふるうことは、いかなる理由があっても許容されません。そして、部員が暴力の動画をアップしたこと自体は(その動画をアップすることが、悪ふざけ目的としていじめの一貫である場合を除き)何らの責めもありません。したがって、暴力をふるったこと、動画をアップした部員を非難したことは、まったくもって正当化できません。

 この“指導者”は、部員が未成年であり未熟であることにつけこみ、「被害者」「訴え」「弁護士」「損害賠償」などと、わざと世間を知らない部員が畏れるような言葉を使い、事件の隠匿を図ったのでしょう(「弁護士」という言葉を脅しに使うなよ、ホントに!)。このような言動は、脅迫などの刑法犯が成立することはないまでも、“指導者”に最低限求められる素質を欠くものであり、教員であれば適切な処分がなされるべきですし、強い社会的非難が加えられるべきです。

 そもそもこの事件、動画の“放流”、部員による謝罪のSNS、監督のテレビ出演、すべてがちぐはぐです。状況からして、「指導者が暴力をふるった」事実の隠蔽が試みられたからでしょう。今後は、「指導者が暴力をふるった」、すなわち暴行罪ないし傷害罪について動かない真実として問題視し、部員を脅した行為などは、この“指導者”の「犯行後の悪い事情」として刑事事件において厳しく処断してもらうべきです。

 最後になりますが、学校側としては、サッカーの名門校だけに「今の指導者」たちを忖度してあげたい気持ちがゼロではなかったからこそ、こんなちぐはぐな対応になったと考えられます。確かに、生徒は3年でいなくなる(卒業する)のに対し、「秀岳館サッカー部」は長い年続くのであるから、「今の指導者」をかばいたいという気持ちは否めませんし、実際、これがあったのでしょう。しかし、それは「教育」ではなく「学校の経営」です(褒められる経営ではありませんが)。

「教育」と「学校の経営」をゴッチャにした結果が、今回の事件の端緒であることに間違いありません。

(文=Business Journal編集部、協力=山岸純弁護士/山岸純法律事務所代表)

 

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