大学院で学んでいることが、普段の授業にどのように活かされているのでしょうか。
丹羽先生たくさんありますね(笑)。例えば、単語でも文法でも、テストに向けて暗記したものは、問題演習では正答率が高くなりますが、それを会話の中で使おうとすると間違えてしまうことは誰にでも経験としてあると思います。これを「U字型発達曲線」と言います。言語習得の過程では、自分の言葉で表現しようとすると一時的に間違いが増えますが、使い続けて間違いから学ぶことによって次第に正確に使えるようになっていくというものです。大切なことは、“できるようになるために間違える”ことの重要性を伝えることです。
また、「使えなくてはいけない単語と文法」がある一方で、「読んで理解すればいい単語と文法」もありますので、なんでもかんでも覚えなくてはいけないという“思い込み”からは、なるべく解放してあげたいということも、私自身の学びを通して考えるようになりました。生徒たちには「実際に使える英語の学び方」も習得してほしいと思っています。
ほかにもたくさんありますが、いずれにしても、以前は経験でしか言えなかったことが、大学院で英語教授法を学ぶようになってからは自信を持って、「これをやると力がつく」と言えることが増えました。
イキイキと学び続ける丹羽先生は、生徒にとっての憧れのロールモデルではないでしょうか。
丹羽先生そこはわかりませんが(笑)、生徒にとって教師というのは多分、「何でもできる人」というイメージがあると思います。でもそんなことはありません。大人である教師も常にトライ&エラーを繰り返しながら日々学び続けています。大学院での苦労話などを授業の中で披露することなどによって、生徒たちにとって教員が少しでも身近な存在になると良いなと思います。その結果として、「がんばったら丹羽先生くらいにはなれる」という憧れにつながればうれしいです。