ウクライナ、侵攻下の復活祭=停戦ならず乳児犠牲に怒り
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【4月24日 時事通信社】ロシアの侵攻を受けるウクライナは24日、東方正教会などの復活祭(イースター)を迎え、平和と祖国防衛への思いを新たにした。フランシスコ・ローマ教皇らが祝祭中の停戦を訴えたが、ロシアは応じなかった。23日に南部オデッサに爆撃があり、生後3カ月の乳児を含む8人が死亡した。
復活祭はクリスマスと並ぶ重要行事。礼拝は例年、前日深夜から行われるが「大勢の市民が予定された時間に集まれば、攻撃の対象になりかねない」(内務省)と当日朝に変更された。
西部リビウでは、戦死者の葬儀も営まれる教会で祈りがささげられ、伝統菓子に聖水を掛ける儀式も見られた。聖職者は復活祭を祝福しつつ「ウクライナに栄光あれ」とも声を上げた。
「例年と雰囲気が少し違うが、こういう状況でも幸福や平和を願って祝うのは、戦争から気を紛らわせる意味でも良い」。中部ドニプロの家族と離れ、リビウの飲食店で働くワレリーさん(26)はこう話した。
一方、ゼレンスキー大統領は23日に首都キーウ(キエフ)の地下鉄ホームで記者会見。家庭的な祝祭を迎えるはずが、オデッサにミサイルを撃ち込んだとしてロシアを非難した。その上で「(犠牲者の女児は)生後1カ月で戦争が始まり、3カ月で命を失った。なぜこんなことが起こるのか」と怒りをあらわにした。
ロシアでは例年通りに祝われ、プーチン大統領はモスクワの救世主キリスト大聖堂で23日深夜から営まれた祈りに参加した。これに関し、ウクライナのメディアは「プーチン氏が聖堂を訪れる一方、オデッサにはミサイルが飛んできた」との見出しで報じた。(c)時事通信社