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愛知にエキノコックス定着 肝障害寄生虫、道外で異例

愛知県の知多半島で捕獲された野犬で近年、人体に入ると重い肝機能障害を引き起こす寄生虫「エキノコックス」の感染確認が相次ぎ、国立感染症研究所が「半島内で定着した」との見解を示した。定着確認は北海道外では異例。県は「まん延している状況ではない」としつつ動向を注視している。

エキノコックスは北海道で多くの人の感染例が報告されてきた。キツネや犬のふんなどに含まれる卵が人体に入ると幼虫となり、10年ほどたってから肝機能障害などを引き起こす。

本州では2005年に埼玉県で犬の感染が見つかり、愛知県では14年に知多半島の阿久比町で捕獲された野犬から検出された。埼玉県ではその後見つかっていないが、愛知県では17年度に3件、19年度1件、20年度4件が確認された。

県感染症対策課によると、狂犬病対策で捕獲した野犬の調査で見つかっており、いずれも詳しい感染経路は不明。一般的にエキノコックスはネズミなどが「中間宿主」となり、幼虫を持つネズミを野犬やキツネが食べて広がるという。

感染研は「知多半島で定着したと考えられ、調査対象を他のイヌ科動物に広げる必要がある。半島外への流出防止策が必要だ」と警鐘を鳴らす。

一方で県は「調査対象を広げるとなれば、一からの態勢づくりが必要だ」と慎重な姿勢だ。県内の人への感染報告はこれまで3例あるが、いずれも北海道や海外で感染したとみられるという。

北海道でのエキノコックスも当初は一部地域だけだったが1980年代後半以降、道内全域に広がった。住民への検診や、キツネの餌付け禁止などの対策が取られているが、ある自治体の担当者は「いったん広がると駆逐するのは難しい」と早期の対策の重要性を強調している。〔共同〕

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