熊本県八代市の秀岳館高男子サッカー部のコーチが部員を殴ったり蹴ったりする動画が出回ったことを受けて、部員11人が顔や名前を明かして頭を下げる動画がサッカー部の公式ツイッターに投稿されたことについて、サッカー部の段原一詞監督は23日、熊本日日新聞の取材に対し、22日夕の投稿直後に事実を把握したと明らかにした。

 段原氏は「動画の意図は謝罪や事態の沈静化ではなく、『暴力が日常茶飯事』と報じられたのは間違いだと伝えたかったからだと聞いた。苦しんでいる部員たちの思いを尊重した。親も知っていたと聞いた」と述べ、当初は削除を求めなかったという。

 段原氏によると、動画は部員のみで寮内の食堂で撮影、投稿された。23日昼ごろに中川靜也校長らと協議した後、「学校が対応に追われ、迷惑がかかっている」と部員に削除を求めた。その後、保護者会の役員会でも経緯を説明した。

 動画は再生回数が100万回を超え、23日午後に削除された。新たな投稿は、文章だけで「結果的に学校や監督、コーチに対して迷惑がかかる形になってしまい削除の運びとなった。部員の有志が考え行動した」と説明している。(山本遼、緒方李咲)

 ◆選手たちの活動は保障 県高体連会長

 秀岳館高サッカー部のコーチが部員を殴る動画が出回り、部員11人が頭を下げる動画がツイッターに投稿されたことに対し、県高校体育連盟の大嶋康裕会長は23日、大会出場など選手たちの活動は保障されるとする見解を示した。

 大嶋会長は「指導者の不祥事によって選手の活動が不利益を被ることはない。今回の件でも、この原則は適用されると考えている」と明言した。

 県サッカー協会の今田周作専務理事は、一般論として「暴行したコーチには指導者ライセンスの剝奪や一定期間の停止などの処分がある」と説明。警察の捜査や本人との面談で事実が確認された場合、県協会が処分内容をまとめ、日本協会が最終判断するとした。

 私立学校を所管する県私学振興課の橋本誠也課長は「学校には22日朝、速やかに事実関係を把握し、報告するよう伝えている。インターネットに情報が出ることの影響は、十分に認識して教育しているはず。動画投稿の経緯も報告を求める」と話した。(陣立昌之、萩原亮平、中原功一朗)