軽過ぎた得物の重量調整。
これでジャスト19.24オンスとなり、
使用適正化を克ち取った。
歴史的ターニングポイントとなった
ジッパチ羽田の年の物というのが
こだわり(笑
自作キューのほうのウエイト調整
では、東大安田砦の攻防の1969年
製を仕込んでいる(笑
しかし、なぜ劇画『キリン』では
やたらとあの60年代末期の首都の
街頭での準内戦状態だった陽炎の
シーンが多く何度も出て来るのか。
その意味は分かる人にしか分から
ないだろう。
東大全共闘と三島由紀夫の討論の
中で議論された物の生産性(発現
本来の目的)と現実の状態。
本来の目的を凌駕する、あるいは
別個の手段として使用される事。
そこから空間が生まれて革命など
が起きる事は無い。それを夢想す
るのは脳内での認識変化がもたら
す誤謬でしかない。
脳内妄想や認識の変化で、現実的
にパンを食えない者たちの腹が満
たされる事はあり得ないのだ。
このキューのウエイトバランサー
にしても、貨幣本来の目的からは
逸脱し別な目的として使われてい
る。ただの物だ。
これにより貨幣経済が崩壊する訳
でも粉砕される訳でも死滅する訳
でもない。
キューが重たくできたからと、革
命などは起きない。
つまり、バリケードを構築する
事自体が革命ではない。
そこには、「これまでは国を保全
する層の予備軍であった東大生が
バリを構築して叛乱する事が革命
的」という的外しな驕りが意識の
底辺にあるから認識論で時代の超
克を図ろうとしている誤謬が明確
に存している。
ゆえに東大全共闘のその感覚は、
ナンセンスなのだ。
全共闘運動の歴史的功績は認める
が、あかんもんはあかんやつ。
そして、その誤謬感覚は、自己検
証を経ないまま、後々の後退局面
での赤軍派の残滓としての連合
赤軍での「銃から革命が生まれる」
という稚拙な認識を準備するに
至った。原初は赤軍派議長だった
塩見が早稲田の花園に語ったとこ
ろからだが。「これからはこれや
で」と人差し指で銃の形を作って
見せて。これは花園本人が劇画
『キリン』でMCバーンストーム
トゥルップス結成譚のシーンで
出て来た店(新宿ゴールデン街に
実在)にて私に語った事だが。
銃は物だ。銃があろうがミサイル
があろうが革命などは起きない。
生産拠点と国軍を押さえずして
どうして暴力革命が起きようか。
局所対向的「反抗」などは、例え
それが石から火炎瓶に、さらに
火炎瓶から爆弾を投じる事に発展
しようとも、総蜂起には連結し
ない。
そのあたりは、盾の会のメンバー
が60年代末期にあって「内戦、
革命が起きそうな危機感があった」
と言う情況分析の錯誤と通じるも
のがある。
現在においても、かつての盾の会
のメンバーと直に話すと、「まる
で革命前夜のような危機感」を持っ
ていた事は今でも不変であり、そ
の情勢分析感覚は、まさに当時の
新左翼の認識の甘さと通じている
事が現認できる。
元赤軍派メンバーにしても同質で、
それを指摘すると「当時はそれが
最先端の認識」として自分らの
ヌルさを認めないので私と殴り合
い寸前の喧嘩となった。
個別の作戦のみならず、軍事の
失敗成功は、冷徹で客観的な情況
分析をする事が幹であるのは古今
東西、不動の定理であり、俯瞰
による切開が必要だからだ。
手前味噌の正当化の視点が微塵
たりとも存してはならない。
故に「情報不足だった」とか
「それが当時は最先端」だとし
て過去の失敗を語るのは革命家
としての総括になっていない。
自由気ままな全共闘や勝手次第の
ベ平連にはそれが赦されても、
革命党派の人間には、たとえ組織
が消滅しようとも、活動から完全
引退しようとも、未来永劫、絶対
に総括抜きの生き方は赦されない。
故にそうしたスタンスで過去の
時代を語る元赤軍派主要メンバー
に無性に腹が立った。
自己総括をしていないからだ。
首都騒乱のさなか、後楽園球場に
5万人の享楽的観客が集まり、
大阪万博に何百万人もが集まる
情勢で、どうして日本革命が起き
そうな情勢と判断してしまうのか。
それは「自分らだけの狭い世界」
しか見ていなかったからだ。左翼
も右翼も。
国家と国家権力は盤石だったのだ。
新左翼と右派の三島派が壊そう
とした「腐臭を放つ戦後似非民主
主義」たる国家は、かすり傷一つ
負わなかったのである。
日本の左翼運動(社共は真の左翼
ではない。体制と共存できる城内
既成のいてもいなくても体制に
影響ない勢力)は、三島由紀夫と
共に死滅した。
その後は、個別課題で分散化し
た先鋭的ラジカルの闘争局面の
みが残存した。
連赤が山で機動隊と銃撃戦をや
ろうとも、残存新左翼が三里塚
空港の管制塔を占拠しようとも、
それは「革命運動」の一環とし
て展開されてはいないという現実
があった。脳内の手前勝手な解釈
とは関係なく。あくまで分散化
した局所戦闘でしかない。腐敗
せる国家と国家権力は傷を受け
ない。
そして、他の大学の全共闘とは
東大が異質である事についての
メス入れに関して無頓着だった
往時の個別大学全共闘の限界性
もあるが、全国全共闘結成など
はセクトの出先構造狙いであっ
たのでこれなどは害悪の最たる
ものであった。
換言すれば全共闘を党派全学連
と同じ構造にせんとする企みだ
からだ。
全国全共闘結成粉砕を掲げて
結成総決起集会に突撃したのは、
旧ブントマル戦前衛派とブント
赤軍派だけだった。
前衛派と赤軍派のみは、全共闘
をセクトの傘下にする事を目論
み全国統一組織化を狙う全新左
翼セクトを敵に回して突撃した。
あれはあれで正しかった。