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「自分の国に帰れ!」熱狂の代表選考で小松原美里&尊に届いた誹謗中傷…二人を救った“羽生結弦の言葉”とは
photograph by
Asami Enomoto
美里 北京五輪を目指す中で、私たちはライバルと言われるお二人(村元哉中、高橋大輔組)を尊敬しているけれど、ファンの方々が争ってしまった面がありました。
アイスダンスが盛り上がるのはいいことだし、競技力向上にもプラスだと思います。ただ、熱量の高いファンの方々が、選手を傷つけてしまうのはちょっと違うかなと思います。
――聞くのも憚られますが、具体的にはどんなアンチコメントがあったのでしょうか……?
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美里 ……ここで言うのも憚れるような、侮辱的なコメントもたくさんありました。
尊 そうだね……差別的なコメントもあった。僕が一番ビックリしたのは「自分の国に帰れ」。アメリカから帰化して、僕の帰る国は日本になったのに……。そんなこと書かないでほしいです。
美里 本当にすごい選択をしたのに。ティムの優しさをもっと知ってくれたら、といつも思ってしまいます。
――酷いですね……。アイスダンスは国内の競技人口が少ない分、海外の選手と組むことが多いと思います。
美里 私たちは年齢が上なのでまだいいですが、若い選手が見たらスケートが嫌になっちゃうんじゃないでしょうか。18歳以下の子どもたちを守れる仕組みができたらいいなと思っています。
尊を救った羽生結弦からの言葉「悩みがあるならシェアしよう」
尊 去年、SNSの話を(羽生)結弦くんに相談したら「自分の中にある『大きな光』が一番大事」と言われて。すごくいい言葉だなって大切にしているんです。
――「自分の中にある『大きな光』」?
尊 SNSとか手紙とかを見ちゃうのは仕方ないけれど、一番大切にしなければならないのは「フィギュアスケーターとしての自分の軸がブレないこと」。オリンピックで2回もチャンピオンになった結弦にも心無い言葉が届くみたいなんですが、色々な意見があるのはもうしょうがないから、ただ自分の選択を信じて頑張ればいいって。悩みがあるならシェアしようと言ってくれました。
僕はその言葉にすごく助けられましたし、僕も大人として、若い選手に同じことをしてあげたいなと思います。
撮影=榎本麻美
〈#1、#2から続く〉
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