青春なかった…「ニート甲子園」で白球追う
黒部市で21日、とある「甲子園」が開催されました。
県内外から集まった参加者。彼らは一体どんな人たちなのでしょうか。そしてなぜ大会に参加しているのでしょうか?一風変わったスポーツ大会を取材しました。
坂田衛記者
「こちらの会場ではソフトボール大会が開催され、熱戦が繰り広げられています。実はこの大会の名前は『ニート甲子園』。職を探す若者や、ひきこもりの方たちなどが多く参加しています」
14年間続く「ニート甲子園」。
参加するのは定職に就けない人やひきこもり、薬物依存などを支援する団体の利用者やスタッフです。
今回はおよそ2年半ぶりに県外からも参加者が集い、あわせて100人ほどが白球を追いかけました。
大会を主催するのはベンチプレスで150キロをあげるというこちらの大柄な男性。
黒部市・宇奈月で共同生活を行いながら就労支援や自立支援を行う「宇奈月自立塾」の牟田光生代表です。
牟田さん
「県外から来てくれてありがたいなと。そして楽しんでくれて、ありがたいなと思います。高いよ!」
定職に就かない「ニート」と呼ばれる若者たちの就労支援をしていた牟田さん。
低予算で他の団体とも交流ができないものかと、この大会を企画しました。
牟田さん(声のみ)
「(共同生活型の支援にはない)面白味やスパイスだったり、あと成長がわかりやすい部分もあると思っています」
友梨香さんも支援を受けるひとり。
仕事になじめず精神的に不安定だったときに宇奈月自立塾と出会いました。
友梨香さん
「打ちました。気持ちいいです。いろんな県の人と話せるので、それも楽しみです」
牟田さん
「彼ら青春なかったんで。不登校で。学校行ってなかったしと。そのなかでみんなで一致団結して、練習して、大会に挑んで、他のチームとやる。そういう意味ではひとつの『青春』というかもう一回そういった部分があるのかなという感じはしますね」
同じ境遇を持つ人だけでなく、様々な背景を抱える人たちと交流できることも醍醐味の1つですね。
楽しそうな様子が印象的でした。