籠池理事長の保釈認める 森友補助金詐取、大阪高裁
(更新)
学校法人「森友学園」の小学校建設や幼稚園の運営を巡り国や大阪府、大阪市の補助金計約1億7千万円をだまし取ったとして詐欺罪などに問われ、控訴審の大阪高裁で実刑判決とされた理事長、籠池泰典被告(69)に関し、大阪高裁は20日までに保釈を認める決定をした。19日付。被告の弁護人によると、保釈保証金は1500万円で全額を既に納付した。
18日の高裁判決は詐欺の故意や共謀を認め、泰典被告に懲役5年、妻、諄子被告(65)に懲役2年6月を言い渡した。両被告は即日上告し、泰典被告は保釈を申請していた。
一審で実刑とされた後、保釈が認められていた泰典被告は高裁の実刑判決に伴い、保釈の効力が失われたとされる。改めて保釈を申請したため拘置所などに収容される手続きが取られなかったとみられる。刑事訴訟法が被告に控訴審への出頭を義務付けていないことも影響した可能性がある。
諄子被告は一審で執行猶予付きの有罪判決とされ、身柄を拘束されなかった。高裁などによると、実刑判決が確定するまで収容されないとしている。
高裁判決によると、両被告は共謀し大阪府豊中市の国有地で開校予定だった小学校の建設費を水増しして申請し2016~17年、国の補助金約5644万円を詐取。教員数などを偽り12~17年、府市の補助金計約1億2千万円をだまし取った。〔共同〕