日本を代表する高級漆器「輪島塗」の産地・石川県輪島市で、輪島塗職人として奮闘する諸石健太郎さん(39)へ、神奈川で暮らす両親の想いを届ける。小さい頃からもの作りが大好きだった健太郎さんは、木工制作を学ぶため進学した大学で漆に出会い、魅了された。そして輪島での研修を経て、老舗の漆器店に弟子入り。現在は漆塗りの花形である上塗り職人として、塗りの仕上げを任されている。また、同じ輪島塗職人である妻とともに工房を立ち上げ、漆塗りのスケートボードなど独自の作品にも取り組んでいる。こうして日々技を磨き続ける健太郎さんだが、一方で両親との間に問題を抱えており、7年前に輪島塗職人の独り立ちを祝う「年季明け式」という盛大な儀式を行った際にも、あえて両親を招かなかった。互いに向き合うことなく、いつしか距離ができてしまった親子。今、両親が息子に届ける想いとは。