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旭川市役所職員会館喫茶室

 また思いっきりマイナーなところを持ち出して恐縮だが、ここも思い入れたっぷりなのでご勘弁いただきたい。
 現在は中華料理の「きよ」が営業している場所にあった。
 筆者が社会人となった平成元年頃には既にあり、数年間営業していた喫茶室である。
 ここの名物はなんといても「五目スパゲティ」であろう。(筆者は,それしか食べたことがない)
 今にして思えば、柔らかめに茹でたスパゲッティと数種の具材をただ単に油で炒めただけだったと思うのだが、独特のうまみがあった。たまに今でもあの味をどうやって出していたのかと考えてみるのだがどうしても分からない。たぶん食材がどうしたとか油がどうしたとかはあまりこだわらない、家庭的である意味ジャンクともいえる風味が筆者の口に合ったのだろう。
 もう一つ特筆すべきはそのボリュームである。なにしろ普通盛りがよその大盛り位あるのである。たまに知らないで大盛りを注文している人を見かけたが平らげるのにずいぶんと難儀していたようだ。
 メガ盛り全盛の現代ならば滝川の「喫茶マリン」と並び称される聖地となっていたのでは,と思うと感慨もひとしおである。
 清川虹子をもっと太らせて眼鏡をかけさせたような店主のおばちゃんの接客はお世辞にも良いとは言えなかったが、不思議と落ち着く良い店であった。
 元々は市職員の福利厚生施設なので、職員の親睦会が主催するビールパーティーや、職員の文化系サークルの作品展などもここで行われていたし、かつてはここで結婚式を挙げたカップルもいたそうである。
 ホテルとはまた違って、アットホームでくつろげる時間と空間がまだそこにはあったと思う。
(もっとも、「地味婚」「ホームパーティー婚」が主流の昨今では、かえって新鮮に受け入れられるかもしれないが。)
 何につけても「昔は良かった」とおやじくさく郷愁にひたりつつ、今回の稿を終えたい。

kiyo01_convert.jpg
現在の職員会館喫茶室(後の「きよ」)跡。椅子やテーブルだけが
往時の名残だ。今すぐにでも営業再開できそうな厨房跡が痛々しい。


 

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2012.08.23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 思い出のグルメ

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プロフィール

ターメリックマン

Author:ターメリックマン
 旭川市の中心部にほど近い、常磐公園界隈で育った快男児。
 知新小、常盤中と進んだ「地元」への思いはそれなりに持っている。
「知っている人にしか共感を得られない」微妙な感覚と、スパイスの効いた「毒」をお届けしよう。
<守備範囲>
80年代B級アイドル、80年代洋画、昭和のテレビ時代劇、昭和プロレス、80年代洋楽
<好きなもの>酒 
<嫌いなもの>老いぼれ、ガキ、ペット

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